夢酔独言 の商品レビュー
とにかく不良人生その…
とにかく不良人生そのもので、冒頭で“おれほどの馬鹿な者は世の中にも有るまい思う。だから孫や曾孫のために話して聞かせるが、よくよく戒めにするがいい”なんて言ってますが、回想していくうちに楽しくなってしまった気配が濃厚です。反省なんかして無いでしょ?と聞きたくなる感じ。 坂口安吾がそ...
とにかく不良人生そのもので、冒頭で“おれほどの馬鹿な者は世の中にも有るまい思う。だから孫や曾孫のために話して聞かせるが、よくよく戒めにするがいい”なんて言ってますが、回想していくうちに楽しくなってしまった気配が濃厚です。反省なんかして無いでしょ?と聞きたくなる感じ。 坂口安吾がその精神性の高さを絶賛しているそうですが、僕には残念ながらソコまで深く読み込めませんでした。残念、人生経験を積んで爺になったら読み返そうかと思います。
文庫OFF
勝海舟が話を盛ったり、維新後に徳川家や、慶喜/篤姫/旧幕臣の面倒をずっと見ていたのは父親から譲り受けた気質だったんだな、とわかりますね。
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勝海舟の父、勝小吉の自伝。 口語体で、親父が家族に語りかける ような親しみ易さがある。 しかしまあ、とんでもないオヤジ である。 家出してホームレス生活、吉原通い、 喧嘩三昧、金はくすねる、、、 それでも憎めない、不思議な魅力のある 人物である。 なんとなく「こち亀」の両津...
勝海舟の父、勝小吉の自伝。 口語体で、親父が家族に語りかける ような親しみ易さがある。 しかしまあ、とんでもないオヤジ である。 家出してホームレス生活、吉原通い、 喧嘩三昧、金はくすねる、、、 それでも憎めない、不思議な魅力のある 人物である。 なんとなく「こち亀」の両津勘吉みたいな 感じか? ひたすらあったこと、やらかしたこと を書き連ねたのみのものだが、なんとも 清々しい読後感。良作。
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有名な、そしてボクの大好きな勝海舟のオヤジさんが書いた本・・・ 自叙伝・・・ 自分の人生を振り返ってこりゃまずいと思ったのか、子々孫々への戒めとして書いたらしい・・・ マネすんなよ、と・・・ こりゃまずい・・・ かどうかは知らないけど、いろいろとブッ飛んではいたようで・・・ 小...
有名な、そしてボクの大好きな勝海舟のオヤジさんが書いた本・・・ 自叙伝・・・ 自分の人生を振り返ってこりゃまずいと思ったのか、子々孫々への戒めとして書いたらしい・・・ マネすんなよ、と・・・ こりゃまずい・・・ かどうかは知らないけど、いろいろとブッ飛んではいたようで・・・ 小吉みたいな人をホンモノの破天荒と言うんだろーな・・・ ホントに元気な人だよ・・・ イメージ通りの江戸っ子のような・・・ これが噂の江戸っ子かぁ、ってなるはず・・・ 江戸っ子の活き活きとした感じが伝わってきやがる本・・・ なんか新鮮・・・
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かの勝海舟の実父であり、生涯無頼漢(不良旗本)として生きた勝小吉の自伝。 学問の無いゆえに当時の話言葉で書いてあるが、それがまた、現在の標準語とほぼ変わらず、普通に読めて楽しい。 そして、生々しいほどに活き活きとしている。 少年時代、家出をして路銀を盗まれ、乞食をしながら伊...
かの勝海舟の実父であり、生涯無頼漢(不良旗本)として生きた勝小吉の自伝。 学問の無いゆえに当時の話言葉で書いてあるが、それがまた、現在の標準語とほぼ変わらず、普通に読めて楽しい。 そして、生々しいほどに活き活きとしている。 少年時代、家出をして路銀を盗まれ、乞食をしながら伊勢参りをした話。その道中で世話になった人々に、青年期にまた家出をしてぶらぶらと会いに行く話。 そして、非常に信頼し大切にした息子(=勝麟太郎、後の勝海舟)のこと、など、たいへんに興味深い読み物となっている。 そして、当時(19 世紀初頭~半ば)の江戸市中から諸国までの人間風物の様子が、臨場感をもって伝わってくる。 その面でも貴重な記録。 なお息子の勝海舟は、西郷率いる官軍との談判前に、江戸無血開城を第一の目標として奔走すると同時に、「最後の手段」もまた用意していた。 それは、官軍とのゲリラ戦に持ち込むための江戸焦土作戦であり、地元の「火消し」の頭(かしら)への放火依頼、江戸庶民の千葉への避難のアレンジ、そして、無政府状態となる江戸の秩序維持を当時の「ならずもの」(いわゆるやくざ)の親分に依頼する、という準備まで含んでいた。 当時の地位であった幕臣最高責任者としてはありえないくらい了見の広いこの闊達な発想と実際的な行動力は、無頼の父、その影響が背景にあってこそだったのだろうか。 (なお、関が原の合戦で敗れた石田三成は、「ゲリラ戦に持ち込めば」家康軍への勝機があったという見方がある。おそらく武士としての誇り、そして再び戦国時代へ後退することへの恐れが、ゲリラ戦ではなくバ○正直な合戦形式を選ばせ、そして敗北につながったと考えられている。対照的に、焦土作戦・ゲリラ戦までも準備していた勝海舟の視野の広さは、尋常ではないように思われる。) ともあれ彼は、上記のような準備も整えてまで、官軍と交渉し、結果内戦を回避して当時の江戸市中数十万人以上の命を救った (勝海舟を全面的に信頼した西郷もまた)。 この大政奉還と維新の話は本当に感動的であるが、これは勝海舟の「氷川清話」や「海舟語録」に詳しい。
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子供の頃、痛快娯楽時代劇が好きでした。 おから中毒で、おからが切れると発作が起きて手が震える『素浪人花山大吉』とか、 決して殺人事件の起こらない、ほのぼのした『ぶらり信兵衛道場破り』とか、 そんな痛快娯楽時代劇のような生き方をした実在の人物がいるんですよね。 それは、幕末に活躍...
子供の頃、痛快娯楽時代劇が好きでした。 おから中毒で、おからが切れると発作が起きて手が震える『素浪人花山大吉』とか、 決して殺人事件の起こらない、ほのぼのした『ぶらり信兵衛道場破り』とか、 そんな痛快娯楽時代劇のような生き方をした実在の人物がいるんですよね。 それは、幕末に活躍した有名な勝海舟、ではなくて、勝海舟のお父さんの勝小吉さんです。 この人の自伝、『夢酔独言』(むすいどくげん)で、『おれほどの馬鹿な者は世の中にもあんまりあるまいと思う』と書いているように、とても型破りな人でした。 勝小吉さんはちゃんとした旗本の家柄なんですけど、幼児期には厳しい父の目を盗んで庭の池で泳いだりしたそうです。 旗本・男谷平蔵の三男として生まれた小吉(当時の名は亀松)は、七歳の時に旗本・勝甚三郎の養子になりますが、その養子入りの判元(養子に際して、小普請支配と組頭が真偽を確かめること)のときに歳を訊かれた時には、十もさばを読み、十七歳と答えたそうです。 小普請支配は、「十七にはふけた」と言って、大きな口をあけて笑ったそうです。 同じく七つのとき、小吉は一人で、二~三十人を相手に凧が原因の喧嘩をして、『脇差しを抜いて、切りちらし』ますが、『しょせんかなわなく思い』、肌を脱いで石の上に座り、切腹を試みました。 それは白子屋という米屋に止められてしまいます。 しかしそれ以来、近所の子供たちは、小吉の手下になったそうです。 八歳の時には、小吉の飼い犬と町の飼い犬とが喧嘩になり、それが元で近所の友達八人(子供)で、『町の野郎たち』(子供)四~五十人と、小吉の家の門前で喧嘩になったそうです。 『町の野郎たち』は竹槍で、小吉側は木刀や竹刀で戦い、『町の野郎たち』を追い返すと、今度は『町の野郎たち』は大人を連れてきて、また『叩き合い』をし、今度は小吉側が圧され、隣の門の内に入り息をつきますが、『町の野郎たち』は丸太を持ち出して門を叩きます。 そこで小吉たち八人は、今度は脇差しを抜き、門を開いて打って出ますが、その勢いに圧されて、今度は『町の野郎たち』が逃げ出しました。 小吉たちが追い討ちをかけると、『仕立て屋のがき』の弁次が小吉の弟(七歳)の胸を竹槍で突いたので、小吉は仕返しに、弁次の眉間と面(つら)を斬りました(刀がなまくらなので、怪我をさせた程度みたいです)。 小吉たち八人は、勝鬨をあげて喜びましたが、小吉の『おやじ』が長屋の窓から見ていて、小吉は蔵に五~六日押し込められたそうです。 九歳の時には、小吉は柔術の稽古場で皆に憎まれ、泊りがけの稽古のときに、皆に帯で縛られ、天井から吊るされます。 皆がその下で小吉の重箱の饅頭を食べ始めると、『上よりしたたか小便をしてやった』そうです。 十歳の時には馬術を習い始め、火事があると火事場に馬で乗り込んでは、見物をしたそうです。 十一歳の時には、頭(かしら)の石川右近将監の息子から、自分の所よりも禄高が少ないとばかにされたので、『木刀にておもうさまたたきちらし』、『泣かしてやった』そうです。 十二歳の時には、遊ぶ金がないので、「おふくろの小遣いまたは蓄えの金を盗んで使った」そうです。 十四歳の時には、家の金を七~八両盗み出し、家出して上方を目指しました。 しかし『ごまのはい』(旅人を装い、旅人の物を盗む盗賊)に金と、大小の刀と、着物を盗まれて無一文になります。 乞食をしながら旅を続けるうち、出会った与力に気に入られ、『不憫だから俺がところにいろ』と言われ、『子のようにしてくれた』とありますが、一週間ほどで家出します。 その後小吉は病に倒れ、河原の橋の下の穴に入って、他の乞食と一週間ほど暮らしたりします。 病は癒えず、小吉は杖をついて旅を続けますが、崖の上で寝たときに、崖から落ちて『岩の角できん玉を』潰してしまいます(奇遇ですが、息子の勝海舟も潰していますね)。 小吉は二~三日起き上がれませんでしたが、『そろそろ歩きながら』箱根山中で野宿します。 長くなるので、続きに興味のある方は『夢酔独言』を読んでみてくださいね^^ 思い切り端折ると、小吉は家に帰り旗本の地位に戻ります。 そして男気と腕っ節で、当時の江戸の町を仕切る顔役になります。 それからは痛快娯楽時代劇を地で行く生活が始まります。 その間、兄に座敷牢に閉じ込められて改心するように迫られたり、密教の修行をして富くじ(宝くじ)の番号を何度も当てたり、大阪に旅をしたときには、自分の首を入れる首桶を持参して、切腹すると一芝居打ち大金を工面したり、記録に残っている当時の有名な剣術家たちと戦って、余裕で勝ったりします。 面白い人もいたものですね^^ 実話ぽいです^^ そういえば、この人をモデルにした、『親子鷹』という時代劇があったようです。
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こんなに危ない本、良い子の日本の名作集に収録するとは、なかなか粋な計らいである。勝海舟の父、小吉が彼の子孫に残した人生訓。武道家必読の書。
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