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シンセミア(上) の商品レビュー

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31件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2012/06/20

久しぶりに興奮を覚える作品。悪意に満ちた内容と格調の高い文章の組み合わせが素晴らしいほどの迫力を生み出している。また、作品を貫く悪意の正体のようなものが明かされるラストもなかなか圧巻だった。こういう内容は大好きだ。他の作品も読んでみたい。

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2012/01/06

今年からこちらに移行。 阿部和重の小説を読んでいると、こちらも気が狂ってくる笑。なんつうか・・・上巻を読む限りでは、映画でいうと青山真治作品と山下淳弘作品をドッキングさせてもっとグログロにした感があって、俺は無論好きですよ笑。 下巻も楽しみ。

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2010/09/13

2010/8/1(~66)2(~186)3(~268)4(~?)終 友人が読んでいたので、気になって読んでみた。 阿部和重氏は「インディヴィジュアルプロジェクション」で初読でそのあとも何冊かお世話になっており、この、なんともいえない深いダークのようで、明るいとも言いがたい世界観...

2010/8/1(~66)2(~186)3(~268)4(~?)終 友人が読んでいたので、気になって読んでみた。 阿部和重氏は「インディヴィジュアルプロジェクション」で初読でそのあとも何冊かお世話になっており、この、なんともいえない深いダークのようで、明るいとも言いがたい世界観に魅了されていました。 今回もかなりねっとりとしたダークがあり、謎があり、上下2冊で半端ないページ数があって「これ、こんなに長いけど大丈夫なのか・・・」と長編読むときにいつも湧く心配が頭をよぎりましたが、上を読んだ時点で私の中でかなりアクションがあり、好きになりました。 久々に読んでいて興奮が止まらない1冊でした。

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2010/09/05

登場人物が多くて、話が広がる広がる。 文学的な深みにやや欠けるところもあろうかと思われるが、 かなりの力作である「神町サーガ」の第 1 部(?)。 片田舎の閉鎖社会に暮らす人達の、 ダークな部分が相互作用・干渉作用を起こし、 崩壊へとひた走ってゆく。 途中 David Lynch...

登場人物が多くて、話が広がる広がる。 文学的な深みにやや欠けるところもあろうかと思われるが、 かなりの力作である「神町サーガ」の第 1 部(?)。 片田舎の閉鎖社会に暮らす人達の、 ダークな部分が相互作用・干渉作用を起こし、 崩壊へとひた走ってゆく。 途中 David Lynch の Twin Peaks を少し思い起こしてしまった。 2004 年 第 58 回毎日出版文化賞受賞作品。 2004 年 第 15 回伊藤整文学賞受賞作品。

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2009/11/18

なかなか見つからなかった朝日文庫版で全四巻、1000ページを超す分量、主な登場人物は50人を下らない長編小説の割りに、一切の破綻がなく、すべての伏線が喜劇的とも思われる一連の事件が起きる2000年8月28日に収斂していく。無理なく。 それより驚いたことは、作者が2000年の東北...

なかなか見つからなかった朝日文庫版で全四巻、1000ページを超す分量、主な登場人物は50人を下らない長編小説の割りに、一切の破綻がなく、すべての伏線が喜劇的とも思われる一連の事件が起きる2000年8月28日に収斂していく。無理なく。 それより驚いたことは、作者が2000年の東北地方の街(と東京)を舞台にして描き、2003年時点に刊行された小説(法螺話)が、その後似たような事件となって現実に起こっていることだ。小説上では2000年7月23日に渋谷文化村通りで起こったことになっているトラック暴走事件は、驚いたことに2008年6月8日に加藤智大が引き起こした「秋葉原通り魔事件」として現実化していて記憶に新しい。盗撮事件やロリコン警察官の淫行については枚挙に暇がないが、夫婦が薬物を使用する下りは今夏「酒井法子事件」となって世間を騒がせている。ラストシーンで青年団の生き残りが整形手術を受け別人のようになって現れて驚かされたが、これは「英会話学校講師殺人事件」の市橋達也を想起させるではないか。まさに事実は小説より奇なり。

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2009/10/04

欲望・悪意・思惑・善意。 全部がからみあって、圧倒的な力で町が突き動かされて。 ゆれるゆれる 見たくないものを見せつけるみたいに 収束することを知らない悪魔みたいな消化不良の渦。 それはきれいな絵よりよっぽど現実に近い。

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2009/10/07

レポートで読むことを義務付けられました、阿部和重。異例の文庫本4冊とか、文学論のテキストで取り上げられてたりとか、気になってはいたのでいい機会だと古本購入。 が、しかしやはりこの人とは相性が合いません。いや、昔『グランド・フィナーレ』もほとんど読み飛ばして不快な記憶しか残らなかっ...

レポートで読むことを義務付けられました、阿部和重。異例の文庫本4冊とか、文学論のテキストで取り上げられてたりとか、気になってはいたのでいい機会だと古本購入。 が、しかしやはりこの人とは相性が合いません。いや、昔『グランド・フィナーレ』もほとんど読み飛ばして不快な記憶しか残らなかったんだよ…正直、変質的な性的嗜好の人間ばかり出てきてウンザリだよ、暑い真夏に何読んでるんだあたしはって、気分がクサクサしてきますよ。 確かに事件の謎は気になりますが、それ以外では魅力ゼロといっても過言ではない。文壇にのぼるような作家でこの作風?文体?は斬新という考え方もできるのかもしれないけどね? 例えば太文字とか大文字とか、作品の中に作家阿部和重が出てきちゃうところとかは面白いのですが。。(というかレポートでは、その間テクスト的に作家という自己、自己の作品を出すあたりをつついてみようかと思うのですが) しかし胸糞の悪くなる作品という印象が強い。それは私がマイノリティな性的嗜好の描かれる作品が概して嫌いなせいもありますが、でもこの作品は女性には受け入れられにくそうな気がする…うう、下巻読みたくねえええ。

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2009/10/04

 下巻も読んでいるけれど、上巻のみ入れておきます。  とりあえず、ここまで素晴らしい小説に出会えたことに感謝。詳しいことは読まなきゃ解らないだろう、と言って感想を拒否するのはいけないだろうか。  また読み返しでもしたら、何か書くかも知れません。

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2009/10/04

 『グランド・フィナーレ』の前にこっちを読んだほうが良いと聞いたので。しかし、ごっつい物語やった。  装丁はめちゃめちゃあたしの好みでいいんだけど、内容とのまったくの関係のなさに度肝を抜かれた。装丁は確かに大事だけど、独立してもうたら意味がないと思うので、少し残念。だって、この...

 『グランド・フィナーレ』の前にこっちを読んだほうが良いと聞いたので。しかし、ごっつい物語やった。  装丁はめちゃめちゃあたしの好みでいいんだけど、内容とのまったくの関係のなさに度肝を抜かれた。装丁は確かに大事だけど、独立してもうたら意味がないと思うので、少し残念。だって、この表紙だけ見たら、誰がどう考えたってさわやかな物語になるはずやん。ところが、中身はもう陰惨としか言いようがないあの有様なワケやから、そりゃ肩も落ちるという話です。  さて、書き出しの退屈さはともかくとして、全編通しておそろしい筆力だった。阿部和重がこの作品を通して何を書きたかったのか、朧には分かっているつもりなんやけど、残念ながらそれを言葉に出して説明できるほどの理解はあたしにはできなかった。  けれども、とても面白い小説だったと思う。難しいことは何も考えず、ただ「変態の集う町で起こるさまざまな事件と人間模様」といった線だけで読み進めても十分に面白い。それにしても、筆力はもちろんだし、テーマもともかくとして、単純に物語の構成に限っていっても、超弩級の大作でした。こんだけ登場人物をバンバン出しておいて、それぞれにそれぞれの背景を与えて、こういうタッチとトーンにおける一個のでっかい小説にするなんていう力技は、少なくともあたしの知りうる限りでは村上龍くらいしか実現できないと思っていた。  しかしまあ、人間って醜いねぇって話。

Posted byブクログ

2011/08/01

阿部和重 気持ち悪いぞ。上下2巻でしかも内容がねちっとどろっとしているんだから読み終えるのにかなり力が必要。全くよくぞここまで変態的な人間が書き込めるものだ。阿部さんあなたももしかして…いやいやそんな事はどうでもいいい。神町という田舎町にうごめく悪意と非常識と変態的情欲。こんな町...

阿部和重 気持ち悪いぞ。上下2巻でしかも内容がねちっとどろっとしているんだから読み終えるのにかなり力が必要。全くよくぞここまで変態的な人間が書き込めるものだ。阿部さんあなたももしかして…いやいやそんな事はどうでもいいい。神町という田舎町にうごめく悪意と非常識と変態的情欲。こんな町には住みたくないNO.1を進呈しよう神町に。できれば夏ではなく涼しくなってから読むべし、でないと食中毒になる。

Posted byブクログ