わが弟シャルル・アズナヴールの想い出 の商品レビュー
私にとつてシャンソン界の大物とは、レオ・フェレ、ブラッサンス、ジルベール・ベコー、イヴ・モンタン、そしてこのシャルル・アズナヴールが五人衆であります。あまりに通俗的でせうか。(もちろん他にも大勢ゐるのですが、話を単純化するために今日のところはさういふことに...) この中で現在...
私にとつてシャンソン界の大物とは、レオ・フェレ、ブラッサンス、ジルベール・ベコー、イヴ・モンタン、そしてこのシャルル・アズナヴールが五人衆であります。あまりに通俗的でせうか。(もちろん他にも大勢ゐるのですが、話を単純化するために今日のところはさういふことに...) この中で現在なほ健在なのはこのアズナヴールだけになつてしまひました。彼もすでに85歳の高齢でありますが、元気に活躍を続けてほしいですね。 本書はアズナヴールのお姉さんアイーダが綴つた、シャルル及びアルメニア難民としてのアズナヴール一家の歴史です。 原題は「プチ・フレール」。即ちずばり「弟」といふ意味ですが、これでは素気ないと考へたのか、邦題は商売気を存分に発揮してゐます。 アルメニア人として(アズナヴール自身は生誕時からフランス国籍を持つてゐたさうです)迫害を受けた話は、レコードの解説などで繰り返し書かれてゐることですが、実の姉が書いてゐるので、実に臨場感があります。おそらく評論家たちも初めて知る事実が多いのではないでせうか。 悲惨な体験を重ねながら、常に前を向いて楽天的に生きてきたこの一家。 読み進んでいくほどに、まるで自分の身内のやうに感じられて、 「がんばれ」とか「良かつたなあ」などと内心つぶやいてゐます。 万人が興味を持つ題材ではないかも知れませんが、シャルル・アズナヴールの名を知る人には一読をお薦めします。 http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-51.html
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