第二阿房列車 の商品レビュー
用事は無いけど、旅に…
用事は無いけど、旅に出る。あくせくした現代だからこそ読んで欲しい、紀行文学の傑作です。
文庫OFF
百閒先生、第二弾です。 表紙の写真がナイス! 熊本旅行の途中だと思うんだけど 駅の水道で身繕いしてるのだ。 今回も新潟やら奥羽やら、はたまた九州やら 相変わらず何の目的もないままに旅に出ております。 おもしろかったのは 山陽本線に「かもめ」という列車ができて 先生と山系クンは...
百閒先生、第二弾です。 表紙の写真がナイス! 熊本旅行の途中だと思うんだけど 駅の水道で身繕いしてるのだ。 今回も新潟やら奥羽やら、はたまた九州やら 相変わらず何の目的もないままに旅に出ております。 おもしろかったのは 山陽本線に「かもめ」という列車ができて 先生と山系クンはその初運転に招待されて乗るわけですが 「鉄道唱歌に出てくる神戸駅に止まらないなんて!」 みたいなことを書いてます。 そうか〜、今は三ノ宮の方がメインの駅だけど 昔は神戸の方が有名だったんだなぁ。 (1953年の話。先生64歳か…)
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中年になってこの作家の面白さがようやく分かるようになりました。 昭和20年代の鉄道旅行記の元祖阿房列車の第二弾。横手と八代は気に入ったのか再訪。ヒマラヤ山系との珍道中は続く。
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雪中新潟安房列車:少し早めに乗り込んでいて、そうして発車を待つ。なんにもする事はない。その間の時間が実にいい。神聖な空白である。見送りがあると、見送り人には顔があるから、その顔に高速されてしまう。又何か云うから、発車まで受け答えをしていなければならない。動き出せばあらためて挨拶を...
雪中新潟安房列車:少し早めに乗り込んでいて、そうして発車を待つ。なんにもする事はない。その間の時間が実にいい。神聖な空白である。見送りがあると、見送り人には顔があるから、その顔に高速されてしまう。又何か云うから、発車まで受け答えをしていなければならない。動き出せばあらためて挨拶を要する。安房列車が行くと云うので、別れを惜しむなぞと云う心事は、人の心事でも自分の心事でも腑に落ちない。
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鉄道唱歌が全文(歌)掲載されていました。 なんとこんなに長かったのですね、1番しか知らなかった。Youtubeでも、途中がないものしか聞けず・・・ と第2弾も期待を裏切らず。 新聞記者を適当にあしらい、雨の道中でも苦にならず。 観光しなくとも、当時の雰囲気と季節感がそのまま伝わ...
鉄道唱歌が全文(歌)掲載されていました。 なんとこんなに長かったのですね、1番しか知らなかった。Youtubeでも、途中がないものしか聞けず・・・ と第2弾も期待を裏切らず。 新聞記者を適当にあしらい、雨の道中でも苦にならず。 観光しなくとも、当時の雰囲気と季節感がそのまま伝わってくる旅旅情、昔の食堂車と寝台車、今となっては羨ましい鉄旅です。
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第一・第三と持っていて、先日古本屋で揃いであるやつを何故かバラ売りされていたので、第二だけ購入。何か、兄弟の仲を引き裂くようで申し訳なく思った。 百閒先生はとにかく観光や見物が嫌いで、誰かが案内しようという兆しをみせると異常なまでに警戒する。 新聞記者の取材も禅問答のようなや...
第一・第三と持っていて、先日古本屋で揃いであるやつを何故かバラ売りされていたので、第二だけ購入。何か、兄弟の仲を引き裂くようで申し訳なく思った。 百閒先生はとにかく観光や見物が嫌いで、誰かが案内しようという兆しをみせると異常なまでに警戒する。 新聞記者の取材も禅問答のようなやりとりで終わらせる。温泉旅館でも温泉に入らない。というか「温泉に入らない」というステートメントさえ避けて、入りたくなかったら入らないでもない、というようなスタンスでいる。 列車で移動する(移動中の酒を飲むことだけは執着)以外の目的は徹底的に排除する。これは三部作に徹底している。 僕が書いたかしら、というような内容の文書もある。 「こうして早手廻しにやって来て、そのホーム迄出たけれど、実は行く所がない。行く所ではない、いるところがない。(略)遅過ぎて乗り遅れたら萬事休する。早過ぎて、居所がない方が安全である。しかしこういう来方を、利口な人は余りしないと云うことを知っている。汽車に乗り遅れる側の方の側に、利口な人が多い。」 早く着きすぎるか、乗り遅れるかなのは、乗り物に乗るのが好きな人に共通なのか。
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第一阿房列車に続き第二阿房列車。雨男のヒマラヤ山系君と用事のない鉄道旅をするのは変わらず。自分が旅行する時に、宿などで「もう今日は何もする必要はないなぁ…」という用事がなくなったときの楽しさを思い出した。 京都についても記述があるが例の如く内田百閒先生なので観光はさらっと終わって...
第一阿房列車に続き第二阿房列車。雨男のヒマラヤ山系君と用事のない鉄道旅をするのは変わらず。自分が旅行する時に、宿などで「もう今日は何もする必要はないなぁ…」という用事がなくなったときの楽しさを思い出した。 京都についても記述があるが例の如く内田百閒先生なので観光はさらっと終わっている。 鉄道唱歌が終わりのほうについてる。わりと楽しい。
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第二列車完乗。相変わらずヒマラヤ山系君をどぶ鼠呼ばわりで、寝台の上段へ寝につく際も「天井裏の」などと言いえて妙な例えに思わず笑ってしまった。本文の構成が各列車の出来事毎に小見出しが付いて短編のようになっていること、第一列車では「歩廊」と云っていた駅施設が「ホーム」と書かれているこ...
第二列車完乗。相変わらずヒマラヤ山系君をどぶ鼠呼ばわりで、寝台の上段へ寝につく際も「天井裏の」などと言いえて妙な例えに思わず笑ってしまった。本文の構成が各列車の出来事毎に小見出しが付いて短編のようになっていること、第一列車では「歩廊」と云っていた駅施設が「ホーム」と書かれていることなど、おやと思わせるものがあった。本書では大変気に入った文章があったので、ここに引用する。「人が嫌ってもいいから、毅然としたサアヴィスを行うと云う精神に欠けている。サアヴィスとは愛想顔、御機嫌取りの意味ではない筈である。」
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頑固で几帳面すぎて相変わらずぶれない百閒先生。周りを困らせまくりつつもどうにも憎めず魅力的で、会話などはその場で聞いていたらきっと吹き出してしまうことだろうと思う。だが決して自らのユーモアをひけらかさない、そういうところがむしろ知的じゃないですか。かっこいい。 高橋義孝氏が解説で...
頑固で几帳面すぎて相変わらずぶれない百閒先生。周りを困らせまくりつつもどうにも憎めず魅力的で、会話などはその場で聞いていたらきっと吹き出してしまうことだろうと思う。だが決して自らのユーモアをひけらかさない、そういうところがむしろ知的じゃないですか。かっこいい。 高橋義孝氏が解説でこの『阿房列車』を指して、「生麩のような高野豆腐のようなもの」と表現していて、なるほど言い得て妙。
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2016.10 本棚整理のため第一阿房列車から第三阿房列車まで再読。 時代を越えて愛される列車紀行エッセイ。百閒先生の軽妙洒脱な文章からガタンゴトンと線路の楽しいリズムを感じるよう。どうしても続けて3巻読んでしまう形になるので慣れもあってか、第一☆4.5、第二☆3.5、第三☆3...
2016.10 本棚整理のため第一阿房列車から第三阿房列車まで再読。 時代を越えて愛される列車紀行エッセイ。百閒先生の軽妙洒脱な文章からガタンゴトンと線路の楽しいリズムを感じるよう。どうしても続けて3巻読んでしまう形になるので慣れもあってか、第一☆4.5、第二☆3.5、第三☆3くらいの評価。10年に一度は読みたい名作。 (レビューは1~3巻共通)
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