テクノスケープ の商品レビュー
この本は,空を覆う高速道路の高架橋や工業地帯の工場など”嫌な景観”としてネガティブに捉えられがちな景観をテクノスケープとして定義し,既存のデザイン手法から考察することでこれを解釈している. 本書で述べられている,テクノスケープの価値は形而上学的と形而下学的な評価に分かれるという点...
この本は,空を覆う高速道路の高架橋や工業地帯の工場など”嫌な景観”としてネガティブに捉えられがちな景観をテクノスケープとして定義し,既存のデザイン手法から考察することでこれを解釈している. 本書で述べられている,テクノスケープの価値は形而上学的と形而下学的な評価に分かれるという点が興味深かった.現代ではもはや工場からモダニズムを感じることは少ない.その一方で,工場の構造物そのもののカタチが面白いといった感じ方をすることはある.これはテクノスケープが内包していた近代化や経済成長といった意味合いが現代では薄れ,純粋にモノの造形に対して目を向けるようになったからではないかと解釈できた. テクノスケープの面白い点は,設計者の美的意図が介在しないモノを景観として評価していることだと感じる.見る側の主観に評価が委ねられるからこそ,幅広い知識を必要とされるということを再認識させられる1冊であった.
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