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大本営が震えた日 の商品レビュー

3.8

27件のお客様レビュー

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2013/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昭和16年12月。戦争を決意してから、ハワイ、マレー作戦を秘密裏に進める日本軍。中国に墜落した飛行機の「作戦計画」回収物語。真珠湾に向かう秘密部隊。マレー半島への輸送船。奇襲に全てを賭けた日本の手に汗を握る緊迫の日々。大本営が震える危機の連続だったようです。日本軍部の薄氷を踏む思いでの開戦を迎える様子がよく分かります。実に詳細な調査の成果です。

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2012/12/06

太平洋戦争開戦直前の情報秘匿。というかよくバレなかったものだ。 日本軍の戦記ものは、どうしても負け戦になってグダグダになったものが多いが、これはいわば、ちゃんと動いている日本軍である。 大したものだという気もするし、空恐ろしい官僚機構でもあるし、暗号書簡で情報伝達して、万一の時...

太平洋戦争開戦直前の情報秘匿。というかよくバレなかったものだ。 日本軍の戦記ものは、どうしても負け戦になってグダグダになったものが多いが、これはいわば、ちゃんと動いている日本軍である。 大したものだという気もするし、空恐ろしい官僚機構でもあるし、暗号書簡で情報伝達して、万一の時はそれの秘匿のために死ねって、戦国時代の隠密じゃないんだしさ・・・ とも思う。

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2012/07/14

大本営。よく聞くようで、よく知らない言葉。調べると、天皇直属の最高機関のことで、陸軍や海軍もその下部組織になるとのこと。 昭和16年12月8日、日本はアメリカと開戦を決意する。その始まりの真珠湾奇襲のために、日本大本営は多くの極秘工作をすすめていた。 まだ戦争をしないことをア...

大本営。よく聞くようで、よく知らない言葉。調べると、天皇直属の最高機関のことで、陸軍や海軍もその下部組織になるとのこと。 昭和16年12月8日、日本はアメリカと開戦を決意する。その始まりの真珠湾奇襲のために、日本大本営は多くの極秘工作をすすめていた。 まだ戦争をしないことをアピールするために、開戦直前に豪華客船「竜田丸」をアメリカに向けて出発させたり、日本艦隊が未だ日本にあるようなニセ無線を流す。軍隊がタイ国を通過する許可を開戦日前日の23時に交渉する。真珠湾へ向かう艦隊が発見されないような航路の開拓。等々。それらの作戦は綿密で、12月8日に向けて必須な積み上げだ。でも、細部については運任せ、現場任せな部分が多い。しかも、個々の作戦はどれも成功するという前提。深刻な立案のようで、かなり楽観的。さらに、開戦という大目標が極秘なので、これら小作戦の目的や目標を全員にはっきりと示すことができない。現代のビジネス本なら意思統一のできていない最悪の組織だとバッサリ切り捨てるだろう。でも、これが世界戦争を直前に控えた日本大本営なのだ。 なんとなく、暗闇で般若心経を米粒に書いている職人をイメージする。吹けば飛ぶような米粒に必死の形相で情熱を込めていたニッポン。いかにも緻密な作業好きな日本人らしい。でも、悲しいかな世界戦争は芸術ではなく、物量が焦点なんだよな・・・。

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2012/04/13

昭和16年12月1日、台北から飛び立った旅客機(上海号)が仙頭上空で通信を絶つ。これには開戦の指示書が持ち込まれており、敵に渡れば今後の戦局に大きく揺るがすものとなる。大本営は必死に捜索するが敵に渡ったかどうか判明しない。同時にハワイ奇襲攻撃の艦隊も千島列島の択捉島、単冠湾に大艦...

昭和16年12月1日、台北から飛び立った旅客機(上海号)が仙頭上空で通信を絶つ。これには開戦の指示書が持ち込まれており、敵に渡れば今後の戦局に大きく揺るがすものとなる。大本営は必死に捜索するが敵に渡ったかどうか判明しない。同時にハワイ奇襲攻撃の艦隊も千島列島の択捉島、単冠湾に大艦隊が集結。これも秘密裏にハワイ、真珠湾を目指す。またマレー半島を落とすべく陸上舞台はも秘密裏にマレー半島を目指す。いずれも薄氷を履むが如く進んでいく。日本に先に手を出させるべく、アメリカも日本を追い詰めてくる。

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2012/02/01

本当に真珠湾作戦が連合国側に傍受されていなかったのか? 本書にもハル長官の「最初に日本から軍事行動を起こさせたい」という発言がある。 日本〜ハワイの超長距離を大船団が発見されずに辿り着いたというのも奇跡以上のものが。 事実はどちらか?

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2011/01/02

おもしろい!読み応えありました!! 真珠湾攻撃前夜の物語。 海軍・陸軍・諜報部その全てが危ない綱渡りをした上での奇跡のような成功だったことがよく分かる。暗号解読が遅れて宣戦布告が間に合わなかったその1点だけが失敗だったんだなと。 戦争を賛美するわけではなく、日本人が世界相手に凄い...

おもしろい!読み応えありました!! 真珠湾攻撃前夜の物語。 海軍・陸軍・諜報部その全てが危ない綱渡りをした上での奇跡のような成功だったことがよく分かる。暗号解読が遅れて宣戦布告が間に合わなかったその1点だけが失敗だったんだなと。 戦争を賛美するわけではなく、日本人が世界相手に凄いことやったのはよくわかる。(つか今の日本も政治家がこんだけ死ぬ気でやればもっとましな国になるんでね?) どの章もスリルとサスペンスで全編山場です。 というかほんと吉村先生凄すぎる!!

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2010/11/23

親父から貰った本。 「太平洋戦争のことって、よく知らないんだよな~。」という思いが、 手に取った動機です。 本書にて描かれている時期は、 奇襲作戦等の機密情報を載せた日本民間機、「上海号」の失踪から、 マレー半島上陸/真珠湾攻撃に至るまで。 内容は、情報収集/作戦隠...

親父から貰った本。 「太平洋戦争のことって、よく知らないんだよな~。」という思いが、 手に取った動機です。 本書にて描かれている時期は、 奇襲作戦等の機密情報を載せた日本民間機、「上海号」の失踪から、 マレー半島上陸/真珠湾攻撃に至るまで。 内容は、情報収集/作戦隠蔽に関わる人々の行動と事実、といったところでしょうか。 作戦隠蔽に苦心した、大本営の苦慮がヒシヒシと伝わる作品です。 「上海号」にて見つかった大量の中国政府の偽札。 「タイ軍人に変装して奇襲する」といった作戦。 それぞれのエピソードからは、なりふり構わず戦争に勝とうとする、 日本軍の必死さが伝わってきます。 敗戦という結末を知っているからでしょうか。 読んだ後には、虚しさだけが残りました。

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