サド侯爵夫人・わが友ヒットラー の商品レビュー
女性ばかりの「サド侯爵夫人」と男性ばかりの「わが友ヒットラー」の2作が収録。 女性ばかりが出ているのに冷たく理性的な印象で、大きな時間を扱い、「法」や「社会」なかで美学や愛が語られる「サド」に対し、 男性の「友情」「愛情」「死」が表立って語られる「ヒットラー」。 「サド」と「ヒッ...
女性ばかりの「サド侯爵夫人」と男性ばかりの「わが友ヒットラー」の2作が収録。 女性ばかりが出ているのに冷たく理性的な印象で、大きな時間を扱い、「法」や「社会」なかで美学や愛が語られる「サド」に対し、 男性の「友情」「愛情」「死」が表立って語られる「ヒットラー」。 「サド」と「ヒットラー」は登場人物の面では女、男で対になっているが、心理の面では反対になっている。
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不思議だ。何がって、なぜ、最後の最後でルネはアルフォンスに会わず 追い返してしまったのか。いや、そこが不思議なのではなく、全てがルネの仮説であり、事実ではないにも関わらず真相を確かめずに終幕するのがわからない。最後の最後まで話題の中心であるサド侯爵は不在で、女の井戸端会議的な調子で終わってしまうところが滑稽だと思う。 再読の余地があるな。
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戯曲に挑戦。こういうものなんだ。 頭の中に舞台を思い描いて読んでいました。 『サド侯爵夫人』。罪を犯した夫の出所を待ち続けたにも関わらず、妻が最後の最後で夫を、見放す。どこでその気持ちの変化があったのか? 女同士の大胆な会話は、共感できるところあり。 『わが友ヒットラー』。ヒット...
戯曲に挑戦。こういうものなんだ。 頭の中に舞台を思い描いて読んでいました。 『サド侯爵夫人』。罪を犯した夫の出所を待ち続けたにも関わらず、妻が最後の最後で夫を、見放す。どこでその気持ちの変化があったのか? 女同士の大胆な会話は、共感できるところあり。 『わが友ヒットラー』。ヒットラーが独裁者となる直前の過程が描かれている。 2幕目が面白い。ヒットラーを自分の友人だと戯曲に挑戦。こういうものなんだ。 頭の中に舞台を思い描いて読んでいました。 『サド侯爵夫人』。罪を犯した夫の出所を待ち続けたにも関わらず、妻が最後の最後で夫を、見放す。どこでその気持ちの変化があったのか? 女同士の大胆な会話は、共感できるところあり。 『我が友ヒットラー』。独裁者となる直前のヒットラー。周りにいる部下が本当はどう思っているのか。戯曲に挑戦。こういうものなんだ。 頭の中に舞台を思い描いて読んでいました。 『サド侯爵夫人』。罪を犯した夫の出所を待ち続けたにも関わらず、妻が最後の最後で夫を、見放す。どこでその気持ちの変化があったのか? 女同士の大胆な会話は、共感できるところあり。 『我が友ヒットラー』。 独裁者となる直前のヒットラーの冷酷さが、たまらない。
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舞台鑑賞。 あれほど献身的に尽くしたルネが見捨てるのは何故か悩む。最後に小間使いの台詞で登場するアルフォンソは、これまで語られていた美男子からは程遠く、ぶくぶくの歯の汚い中年(老年?)男性。頻繁に面会に行っていたルネはその変貌を当然知っていたはず。とすると彼女は自分がいつまでも美しい事を見せつけに行っていたのではないかと思ったりする。そしてずっと待っていると希望を与え続け最後の最後に突き放したのだ。本来の彼女の清純さと貞淑さを踏み躙った侯爵に対する遠大な復讐か。
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「サド侯爵夫人」舞台鑑賞の予習で読む。 あまりト書きがなくて、読みやすい戯曲。 サド侯爵は不在の中、女性6人で進むストーリー。 場所は同じだけれど、2度、時間が変わって、都合3回の話。 女同士の口げんか、のようなことを作者があとがきに書いているけど、本当にその通り。 極端な話、...
「サド侯爵夫人」舞台鑑賞の予習で読む。 あまりト書きがなくて、読みやすい戯曲。 サド侯爵は不在の中、女性6人で進むストーリー。 場所は同じだけれど、2度、時間が変わって、都合3回の話。 女同士の口げんか、のようなことを作者があとがきに書いているけど、本当にその通り。 極端な話、サド侯爵の身近な女たちの日常で、彼が会話のネタになっている時を3回抜き出している感じ。 そうだな~演出しようと思えば、思い切りおばちゃんの井戸端会議風にもできちゃいそうな、そんな感じでした。 でも、三島由紀夫が、だからこそ豪華な衣装を着せた、と言っていたかな。
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蜷川幸雄舞台の予習&復習に。 台詞の言葉のもつ重みが舞台にあるならば、 台詞の言葉のもつ深みが本の中にあると思う。両方楽しめる。
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男と女、其々に同じ性でないと分かり合えない世界があって、本書では相反する世界を色々な面で対比させながら描いている。 どちらの小説も実在の人物を使っているが、作者が重きを置いているのはその異様な世界観だけで、人物には無関心なのが面白い。 サド侯爵夫人では女性だらけ、わが友ヒッ...
男と女、其々に同じ性でないと分かり合えない世界があって、本書では相反する世界を色々な面で対比させながら描いている。 どちらの小説も実在の人物を使っているが、作者が重きを置いているのはその異様な世界観だけで、人物には無関心なのが面白い。 サド侯爵夫人では女性だらけ、わが友ヒットラーでは男性だらけ。蜷川さんの舞台でこの両方の演目でやっていてすごくよかった。
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作者円熟期の戯曲。この人の本で、戯曲を文字で追う楽しさを憶えた。テンポよい節回しとアイロニカルな内容にタイトル。一つの芸術はかくある。
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女ばかりの世界と男ばかりの世界。前者も後者も盲目的にあるものと在ろうとする者が出て来るが、オチによって中身が決定的に違っている。
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ヒットラーが政権を掌握する過程で行った、極右と極左を一掃する粛清前夜と当日を描く(わが友ヒットラー)。 ミシマダブルを見る前に予習として。 能弁に語るヒットラーと、ただただヒットラーに友情を一方的に抱く、単純な突撃隊隊長のエルンスト・レーム。 本を読んだ時よりも、舞台の方がヒットラーの弱さ幼さを感じた。演出の妙だよね。
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