私の絵日記 の商品レビュー
ああ、もっと読んでみたい日記だった。 最後のつげ義春さんの文章も良かった。 (最近購入した早川義夫さんの本の表紙絵が藤原マキさんの絵だった事に驚く。この本にもその絵が掲載されている。)
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なるほど、つげ義春の奥さんの作品に納得。価値感の重なり合いに仲の良さが偲ばれる。戦後間もない時代の様子は、私の知る時代とあまりにかけ離れていている。ほんの僅かな年月なのに。
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著者は唐十郎氏が主宰するアングラ劇団「状況劇場」の元女優。そして漫画家・つげ義春の奥さん。 1999年逝去。この絵日記は1980年代初めのつげ家の暮らしをほのぼのとしたタッチで描いている。子供のこと、つげ氏のこと、毎日がたんたんと過ぎていく景色の中で、つつましく、けなげに生きてい...
著者は唐十郎氏が主宰するアングラ劇団「状況劇場」の元女優。そして漫画家・つげ義春の奥さん。 1999年逝去。この絵日記は1980年代初めのつげ家の暮らしをほのぼのとしたタッチで描いている。子供のこと、つげ氏のこと、毎日がたんたんと過ぎていく景色の中で、つつましく、けなげに生きていく一家の生活が語られていく。 夫婦喧嘩、つげ氏の精神的な病などにも触れているが、みじんの暗さもない。絵も素朴なタッチで味がある。最もこの絵日記を書いた目的は、“子供に残してあげるモノ”ということであったらしい。後半に納められた「思い出エッセイ」「藤原マキの懐かしい風景」のタッチはつげ義春ばりの精密さもあり、村の集会所に間借りし、もらい湯をしなければ生きていけない幼い頃の極貧の暗い生活の中でも、「希望」をもった子供らしい明るさを、そこに見ることができる。 『ねじ式』『李さん一家』『チーコ』など、つげ氏の初期の作品群の中に奥さんとおぼしき女性が出てくる作品がいくつかある。また当時住んでいた団地の風景が描写されている作品もあり、比較して読むのも面白いだろう。つげ義春ファンにはオススメの一冊である。
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つげ義春の妻でアングラ劇の女優であった藤原マキの日記。 肩を寄せあうように産み育て慎ましい日常を送る芸術家夫婦。 二月十七日 晴れのちくもり 寒 正助と私のおはなし 正「カーチャンのポンポンに入る前は、ボクはどこにいたの」 私「いなかったのよ」 正「石ころだったの」 私「うん、そんなもんだったよ」 正「どの石がボクの石かわかんなかったの」 私「うん」 正「カーチャンのポンポンでネンネしてる時、電気ついてた?だけどその石がどうしてカーチャンのポンポンに入ったんだろう」 私「トーチャンがカーチャンにプレゼントしてくれたのよ」 正「フーン、だけどどこから歩いてきたんだろう」
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つげ義春さんの奥さんの書いた絵日記。1980年代の調布での生活。息子は4才。味のある独特の絵と素朴な文章で生活が淡々と描かれている。視点がとてもあたたかく切ない。途中からオトーサン(夫)が精神を病んでしまい、マキさんの精神状態も不安定に。夫婦喧嘩をしたり子供とお散歩したり、家事を...
つげ義春さんの奥さんの書いた絵日記。1980年代の調布での生活。息子は4才。味のある独特の絵と素朴な文章で生活が淡々と描かれている。視点がとてもあたたかく切ない。途中からオトーサン(夫)が精神を病んでしまい、マキさんの精神状態も不安定に。夫婦喧嘩をしたり子供とお散歩したり、家事をしたり、何気ない生活の記録だけどとても惹きつけられ胸に迫るものがあった。
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つげ義春の奥さんの絵日記。しょっちゅう家族で風邪を引いていて、大丈夫なのかなー、て心配になったり、それでも家族ってのの芯はあって、いい本だったなぁ、と。そして、夫婦であまりにも顔が似ていて、そしてもちろん、子供の正助くんも似ていて、家族って、そういうもんだよねー、なんてことも思っ...
つげ義春の奥さんの絵日記。しょっちゅう家族で風邪を引いていて、大丈夫なのかなー、て心配になったり、それでも家族ってのの芯はあって、いい本だったなぁ、と。そして、夫婦であまりにも顔が似ていて、そしてもちろん、子供の正助くんも似ていて、家族って、そういうもんだよねー、なんてことも思ったり。(13/4/3)
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早川義夫の本のカバーイラストがこの人のものだった、と本屋で知り、購入。 つげ義春の不安神経症、本人の病気、というバックグラウンドがあり、寂しさ、情けなさ、悔しさ、華やかさへの憧れ、やるせなさ、などなどが煮凝りのようになっているはずだが、あくまでも絵も文章も、優しい。 いい女だ。
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再読。 奥付を見ると2003年1月20日初版とあるので8年前の発行。もっと前に読んだような記憶だった。早川義夫の「僕は本屋のおやじさん」(この本は「就職しないで生きる法」というシリーズものの一冊と記憶。最近、また再発行されたよう)の表紙の絵が良かったので、当時、すぐに購読。幼いこ...
再読。 奥付を見ると2003年1月20日初版とあるので8年前の発行。もっと前に読んだような記憶だった。早川義夫の「僕は本屋のおやじさん」(この本は「就職しないで生きる法」というシリーズものの一冊と記憶。最近、また再発行されたよう)の表紙の絵が良かったので、当時、すぐに購読。幼いころの借り湯の絵がつらい。役者を続けたかったんだろうなと思うばかり。つげ義春はクロールが得意と書いてあったので「海辺の叙景」を思い出す。それほどつげの漫画を熱心に読まなかったが、「李さん一家」が好きだ。最近は映画化されて「つげの漫画」は若い人にもよく知られていると思う。 以前この本を読んだ時、巻末の文が非常に気になっていたので再読してみると、違う印象を持ち、安心した。
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読み終わった時に浮かんだ言葉は「痛切」。痛々しく、切ない、という意味での痛切です。著者の絵そのものは、つげ義春と原田泰治を足して二で割ったような素朴な味わいです。最初、そんな感じの表紙になんとなく心惹かれて買ってしまった本でした。1月4日から始まる日記は、読み進めるにつれて「オ...
読み終わった時に浮かんだ言葉は「痛切」。痛々しく、切ない、という意味での痛切です。著者の絵そのものは、つげ義春と原田泰治を足して二で割ったような素朴な味わいです。最初、そんな感じの表紙になんとなく心惹かれて買ってしまった本でした。1月4日から始まる日記は、読み進めるにつれて「オトウサン」とのけんかや病気の話が多くなりだんだん暗くなってくる。そんな中で4月28日の日記がせつない。最後にオトウサンことつげ義春の語り下ろしがおさめられている。
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著者は,漫画家つげ義春氏の妻.つげ家での日常を綴った絵日記.素朴な絵柄と文章による家庭風景の描写に,たまらなく懐かしい感情を呼び起こされた.著者はすでに他界されており,巻末のつげ氏の述懐が涙を誘います.
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