国境 の商品レビュー

黒川博行(著者)

2017/12/13

黒川博行（くろかわ ひろゆき ）

「疫病神」コンビこと、建設コンサルタントの二宮と二蝶会幹部の桑原が北朝鮮に飛んだ第二弾。平壌に降り立ったふたりだが、そこには想像以上に厳しい現実と監視が待っていた。桑原のキャラが前作よりパワーアップして笑う、北朝鮮の情勢興味深く、旅行してる感覚。ドタバタも面白い。後半、帰国してから若干ややこしくなるが、ラストはいいね。

2015/07/29

桑原、二宮コンビが海外進出。
北朝鮮を舞台に繰り広げられるジェットコースターな展開が面白い。
秘密主義の北朝鮮のことを詳しく描写されているがよく調べられているなぁと感心。

人と人のつながり、やくざ、詐欺師、堅気、いろんな人が出てきて、金で動くものもいれば、義で動くものもいる。
意外と海外の方が義理堅い。

凸凹コンビだけどなんとなく心のなかでは通じ合ってるんじゃ？と思わせつつも、やっぱり無理か～なんて思わずつぶやいてしまう。

ぶっとい文庫本でしたが、一気読みでした！
モヤモヤした気分をスカッとさせたい人にオススメです。

2015/07/19

前半から、中盤にかけての北朝鮮国内で、趙を探すくだりは、なかなか面白かった。
実際に、北朝鮮国内の映像などは、ニュースなどで流れることがないので、書いてあることが本当かどうかはわからないが、それなりに信ぴょう性のある描写。
二宮、桑原の名コンビぶりもあって、なかなかに面白い。
だが、話の後半、北朝鮮から帰ってくると、暴力団の金絡みの奪い合いみたいな話になってしまったのが残念。

2015/05/28

やっぱり桑原はヒーローなんだなってのを痛感した。文庫本800ページを感じさせないスピードある展開で最後まで一気に読んだ。とにかく二宮と桑原の掛け合いが最高で、北朝鮮に行っても全く鈍らない。かつ北朝鮮の情勢を上手に盛り込んでる意欲作。ドラマ版を観てしまったので二宮が濱田岳、桑原が北村一輝として脳裏に浮かんでしまい大失敗。

2015/03/05

疫病神の続編。結構長かった。北朝鮮の描写は本当は過酷なんだろうけど、それをガイドのお爺さんの魅力で、悲惨すぎるものになって居ないのが良かった。バランスのとれた作品。

2014/11/29

これはすごい。北朝鮮から大阪、神戸、奈良へ走りまくりのハードボイルド。そして終盤までのどんでん返し。ラストはほろっとくる。
疫病神シリーズでこの本の新刊だけが書店で見つからず、アマゾンなどでは中古でもプレミアがついて手が出せなかったが、つい最近、某電気店内の書籍コーナーで見つけた。と思ったら近々文藝春秋から出版されるらしい。

2014/10/07

侠気の男・桑原と腐れ縁の二宮が、詐欺師を追って北朝鮮と関西を舞台に暴れまわる任侠小説（ってそんなジャンルあるのかな？）。
前作を読んでいないので、最初は二人のキャラがつかめず混乱したが、密入国で北朝鮮に乗り込むあたりから俄然面白くなってくる。事件の詳しい背景設定なんかはあまり気にせずどんどん読み進めるのが正解。

立ち回り、刃傷沙汰のシーンが多く、映像だったら受け付けないところだが小説なので大丈夫だった。

2014/08/11

イケイケやくざ桑原さんの男気を
どーーしても、息子に知って欲しい私は、
「なぁ～～、読んでみぃって！←（読後はしばらく関西弁が抜けない…。）
絶対、惚れてまうええ男がおるんやて！」
と、
しつこく薦めたのだが
普段、本なぞ読まぬ彼には、
「誰がっ、そんな辞書みたいに分厚い本読むかっ！」
と、見向きもされなかった。

くぅ～～っ！！
なんてもったいない。
こんなにええ男、滅多におらへんのにぃ～っ。

と、嘆きつつ、ふと気がついた。
私は図書館でこの本を目にした時、
（わぁっ♪こんな長い間、桑原さんと一緒におれるんか。
こら、読書中は世界一の幸せもんやな。）
と、夢見心地であった。
ちっさい地球儀の様な本の中心で暴れまくる桑原さんさえいれば、
どんな世界も面白いだろう、という確信があったからだ。

…がっ。
今回彼らが赴いた地は、本当に恐ろしい国であった。
二蝶会（桑原所属の組）の若頭をハメた詐欺師を追って
（今回も偶々、共通の敵を追う羽目になった主人公二宮と共に）北朝鮮へと渡った二人。

あのイケイケ桑原さんの道理なぞ、全く通らぬ不自由の国、北朝鮮の現状は想像を絶するほど恐ろしく、
だが、
それでも
「きっちり役目を果たすまで帰れるかいっ！！」
と、
まるで生死の境目であるような国境を越え、
死の国へと突入しながらも
男気、という長刀を眩いばかりに発光させて、
「生」への道を迷わず爆走！

ほんとに、ほんとに、リアルに惚れ惚れしてしまう男の姿は、
胸を打つラストを読み終えた後も、しばらく目に焼きついて離れない。

映像、として記憶にきっちり残ってしまう稀な小説であった。

2014/01/13

建設コンサルト 二宮と極道 桑原の疫病神シリーズ第２弾。
2001年の作品。
830ページもある大長編で休日を費やして一気読み。面白かった。

暴力団を騙した詐欺師を追って北朝鮮に行くところから始まる。
とにかく北朝鮮の場面が衝撃的で怖い。
現在は人々の生活はよくなっているのだろうか。
外国人の旅行の様子はこの本に書かれているのととさほど変化がないようだ。
日本に帰ってきてからも危ない目に次々と合う二宮だが、日本というだけで安心して読めた。
ラストは泣かせる。
(図書館)

2013/12/13

最　高。今年読んだ全ての本の中で確実にtop3に入る作品。前作「疫病神」は面白いながらも、話が少しややこしかったのが難だったが、この作品はそれがないうえ面白さはさらに凝縮されていた。北朝鮮編が特にスリリング！二宮と桑原の会話は相変わらず最高の掛け合いで、ニヤニヤしっぱなしだった。笑