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敵討 の商品レビュー

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18件のお客様レビュー

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「敵討ち」は江戸から…

「敵討ち」は江戸から明治に入ると一転して殺人罪になる。この時代の流れについていけない人びとを描く。

文庫OFF

2026/03/20

仇を討つのは美徳か、悪か。 近代国家になる過程で、人の意識や考え方、人々の空気を変えるのは非常に難しい。急速に変わりゆく国の中で生き様を貫き通した覚悟とは??

Posted byブクログ

2026/01/04

吉村昭の中篇時代小説集『敵討』を読みました。 吉村昭の作品を読むのは、6年半くらい前に読了した『破獄』以来なので久しぶりですね。 -----story------------- 賞賛された美風が、明治には殺人罪に……ドラマチックな敵討を描く歴史中篇二篇。美しき犯罪。 惨殺され...

吉村昭の中篇時代小説集『敵討』を読みました。 吉村昭の作品を読むのは、6年半くらい前に読了した『破獄』以来なので久しぶりですね。 -----story------------- 賞賛された美風が、明治には殺人罪に……ドラマチックな敵討を描く歴史中篇二篇。美しき犯罪。 惨殺された父母の仇を討つ――しかし、ときは明治時代。美風として賞賛された敵討は、一転して殺人罪とされるようになっていた……新時代を迎えた日本人の複雑な心情を描く「最後の仇討」。 父と伯父を殺した男は、権勢を誇る幕臣の手先として暗躍していた……幕末の政争が交錯する探索行を緊迫した筆致で綴る「敵討」。 歴史の流れに翻弄された敵討の人間模様を丹念に描く二篇を収録。 ----------------------- 2001年(平成13年)に刊行された作品です。  ■敵討  ■最後の仇討  ■あとがき  ■解説 野口武彦 明治時代に入り、法治国家を目指す政府の方針で、江戸時代に美風として賞賛されていた敵討は、一転、殺人罪とされるようになった……新時代を迎えた日本人の複雑な心情を描く「最後の仇討」、、、 老中水野忠邦、その手足となって辣腕をふるった鳥居耀蔵による天保の改革を背景に、幕末の政争、そしてそれによる社会情勢の変遷を克明に浮び上らせる「敵討」……対になる2篇を収録。 明治時代に入り、法治国家を目指す政府の方針で、江戸時代に美風として賞賛されていた敵討は、一転、殺人罪とされるようになった……仇討という制度の終焉を描いた中篇2作を収録した短篇集、、、 父と伯父を殺された若者が長い年月をかけて仇を追う過程で、天保改革の闇や幕末政治の混乱が自然と姿を現す……新時代を迎えた日本人の複雑な心情を描く『敵討』、 明治13年の実際に起きた「臼井六郎仇討事件」をもとに、仇討禁止後の時代に本懐を遂げた男の姿を描く……老中水野忠邦、その手足となって辣腕をふるった鳥居耀蔵による天保の改革を背景に、幕末の政争、そしてそれによる社会情勢の変遷を克明に浮び上らせ、法治国家となった明治では彼の行為は犯罪だが、人々の心にはまだ江戸の価値観が残っており、そのズレが物語の余韻を深くする『最後の仇討』、 史料に基づく淡々とした筆致が、個人の復讐劇の背後にある社会の変化を静かに浮かび上がらせる作品でした……どちらの作品も派手さはないのですが、制度が変わるとはどういうことか? 人々の正義はどこに宿るのか? そんな問いが静かに残る、吉村昭作品らしい、事実の積み重ねが効いた1冊でしたね。 『最後の仇討』は、『遺恨あり 明治十三年 最後の仇討』として主演・藤原竜也でテレビ朝日系列でドラマ化されたようですね……機会があれば観たいですね。

Posted byブクログ

2025/02/15

▼久しぶりに吉村昭さんを読みました。相変わらず、地味で硬派でコリコリしていて、エンタメにイキきらない独特の語り口が一種オモシロイ。森鴎外を読んでいる気分にちょっとなります。 ▼確か、江戸時代の(明治大正もあった)、「かたきうち」の実話を歴史小説として描いていらっしゃる。そこでは...

▼久しぶりに吉村昭さんを読みました。相変わらず、地味で硬派でコリコリしていて、エンタメにイキきらない独特の語り口が一種オモシロイ。森鴎外を読んでいる気分にちょっとなります。 ▼確か、江戸時代の(明治大正もあった)、「かたきうち」の実話を歴史小説として描いていらっしゃる。そこではエンタメ性やヒロイズムは徹底的に排除されています。実にハードボイルド。ひとをころす、というしんどい肉体作業。長年かけて敵討ちをする精神的疲弊感。などなどがビシビシと容赦なく描かれて。それでいて、ちゃんと小説になっている。面白く読ませる。独特の背筋の伸びる持ち味、悪くないです。

Posted byブクログ

2025/01/30

一作目「仇討」 天保九年からの幕末期。叔父と父親を殺害された熊倉伝十郎。藩に許可を得ての作法通りに臨んだ仇討。 二作目「最後の仇討」 慶應四年から明治十三年という幕末から維新年間。周囲の反対を避け少年期から惨殺された父母のために密かに抱いた臼井六郎の仇討の道程。 約35年間の違...

一作目「仇討」 天保九年からの幕末期。叔父と父親を殺害された熊倉伝十郎。藩に許可を得ての作法通りに臨んだ仇討。 二作目「最後の仇討」 慶應四年から明治十三年という幕末から維新年間。周囲の反対を避け少年期から惨殺された父母のために密かに抱いた臼井六郎の仇討の道程。 約35年間の違いのある二件の仇討。 社会や法が変化しても葛藤や挫折を繰り返し仇討というものに臨む日本人の変わらない姿があった。日本人が長い江戸期に積んできた美徳というものは、一瞬一瞬に訪れる社会や法の変化では変えられない根強いもののように感じた。 さすが吉村昭と感服させられるような、歴史的事実をまざまざと感じられ、考えさせられる一冊。

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2025/07/10

「ぜひ読んでもらいたい。」と貸してもらうが、時代ものは慣れていないので少し読めない気もしているが、チャレンジして読んでみよっと。 最初は、ただ慣れない時代小説に苦戦。 無になって読んでみようと、必要以上に理解することを諦めて読んでみた。 淡々と事実が書き込まれているのに、その事...

「ぜひ読んでもらいたい。」と貸してもらうが、時代ものは慣れていないので少し読めない気もしているが、チャレンジして読んでみよっと。 最初は、ただ慣れない時代小説に苦戦。 無になって読んでみようと、必要以上に理解することを諦めて読んでみた。 淡々と事実が書き込まれているのに、その事実が辛い。 敵討… そのシステム?が侍魂が、恐ろしいとおもってしまう。 時代によって価値観ざにが全然違うんだなーと、読み終わってから、なんとも、いえない気持ちになった。

Posted byブクログ

2021/11/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「日本史上最後の仇討はいつだったと思いますか?」と訊かれたら、歴史好きならわくわくするだろう。明治13年12月17日、臼井六郎という青年が幕末に秋月藩の内部抗争で殺された両親の仇を討ち果たしたのが最後だといわれている。   六郎の父・臼井亘理は佐幕派であったが、国内の情勢を鑑みて勤皇派に転じて藩士たちの怒りを買い、干城隊という一派に寝込みを襲われて妻ともども惨殺された。当時六郎は11歳。成人するまで仇討への思いを胸に秘め、やがて上京して幕末の剣豪・山岡鉄舟に師事しながら両親殺害の実行犯である一瀬直久と萩谷伝之進の行方を捜し求め、ついに一瀬が東京で裁判所判事になっていることを突き止める。同郷の人々が集まる旧藩主・黒田家の屋敷での会合で偶然一瀬に出くわした六郎は、隠し持っていた短刀で彼を刺殺して本懐を遂げる。  すでに廃刀令・仇討禁止令が出て久しく、六郎の行為は殺人罪として裁かれるものであったが、江戸の気風を色濃く残す世間の人々は六郎の仇討をあっぱれと称賛した。近代化を推し進める法治国家として殺人を赦すことはできないが、両親を殺された六郎の心情も察するに余りある。法と世論の間で揺れ動いた裁判官が下した判決は…。  この小説はほとんどセリフもなく、ただ史実を淡々と述べていく。その抑制の利いた文体がより六郎の無念を際立たせ、ひたすら親の仇を討つために生きてきた彼の人生の悲しさ、虚しさも浮き上がらせる。同時に江戸から明治へ、時代が変わっても容易に変わることのない日本人の美風、世間の人々の心の有り様にも考えさせられる。 「最後の仇討」は2011年に「遺恨あり」という題でドラマ化され、テレビ朝日で単発のスペシャル時代劇として放送された。かなり淡々としている原作にすばらしい脚色が加わり物語が立体化され、主演の藤原竜也はじめキャストの心のこもった演技によって数ある時代劇の中でも屈指の名作となっている。放送文化基金賞を受賞し、DVD化もされているため、今でも容易に視聴することができる。  一瀬を討った後も母の仇・萩谷の厳罰を求め、六郎は執拗に両親の仇を討とうとするが、それは目的を遂げた後に訪れる心の空白をより大きくする。生きる目的を失った六郎が川原で号泣するシーンは必見。また、一瀬にも家族がいること、萩谷の無残な最期、六郎自身も殺人者になってしまった悲しみを丁寧に描き、いつまでも深い余韻を残す。  2018年のTBSドラマ「アンナチュラル」に「殺す奴は殺される覚悟をするべきだ」というセリフがあるが、連鎖の危険性をはらむ復讐の本質を端的に言い当てていて、この「最後の仇討」にも当てはまると思う。

Posted byブクログ

2015/06/20

江戸時代には賞賛された仇打ちが、明治に法治国家になって禁じられていた。法に従い服役した後、平凡な生活を送り静かに死んだ主人公や彼の周りの人に罪の気配は感じられない。2015.6.20

Posted byブクログ

2014/09/19

武士の美風であり称賛の対象だった敵討が、明治維新によってただの殺人になってしまった時代の狭間で行われた旧秋月藩士の敵討は、2011年に藤原竜也主演で 「遺恨あり」としてドラマ化されたのを見てずっと印象に残っていた。伊予松山藩士の敵討はちょうど安政の大獄の頃で、社会情勢が敵討事情に...

武士の美風であり称賛の対象だった敵討が、明治維新によってただの殺人になってしまった時代の狭間で行われた旧秋月藩士の敵討は、2011年に藤原竜也主演で 「遺恨あり」としてドラマ化されたのを見てずっと印象に残っていた。伊予松山藩士の敵討はちょうど安政の大獄の頃で、社会情勢が敵討事情に大きく関わってきて 終始ハラハラさせられる。途中で時代小説読んでるような気分になったけど、これ実話なんですよねー。敵討は個人的な復讐ではなく名誉の問題であるだけに、本懐 を遂げるまでのシビアな現実や苦悩も淡々と描写される。

Posted byブクログ

2013/10/19

表題の「敵討」及び「最後の敵討」を収録している。 どちらも大変印象深い作品であり、さすがドラマ化された作品だけある。 吉村作品のよいところは、全てが全てハッピーエンドではないということ。本2作品の中で敵討を果たした人物は、敵討を果たしたあと何事もなく人生を終えているわけでない。 ...

表題の「敵討」及び「最後の敵討」を収録している。 どちらも大変印象深い作品であり、さすがドラマ化された作品だけある。 吉村作品のよいところは、全てが全てハッピーエンドではないということ。本2作品の中で敵討を果たした人物は、敵討を果たしたあと何事もなく人生を終えているわけでない。 例えば「最後の敵討」では、主人公が監獄から出たあと出獄祝いの宴に参加するが、その時そこにいた大物が演舞を行った人物の師匠によって殺されてしまうという事件が起こる。一方「敵討」では、敵討の助太刀役をした人物は、他藩に召し抱えられることなく、吉原の商店の店主としてその生涯を終えている。 その時は一躍脚光を浴びるが、人々の興味関心が薄れると、あっという間にスポットライトは当たらなくなってしまう。元の通りごく普通の一般人に戻る。それはまるで真っ暗な舞台上でスポットライトを浴びながら演技をする役者のようである。そのような、役者にスポットライトがあたっていないところまでしっかりと目を当てている吉村作品は素晴らしい。特に本作は、そのような人生の深みを感じることができる作品である。

Posted byブクログ