人魚の涙 天使の翼 の商品レビュー
極めて映画的な小説。 一切挿絵はないのに色彩や質感の描写が多く生き生きしているので情景が目に浮かぶ。 表現がキラキラとファンタジー感溢れる側面とデリケートで現実的な側面を併せ持っており、不安定な感じで進む。 エコーだけが確固たる自分を持っているように見え、どんなに容姿が美しくて輝...
極めて映画的な小説。 一切挿絵はないのに色彩や質感の描写が多く生き生きしているので情景が目に浮かぶ。 表現がキラキラとファンタジー感溢れる側面とデリケートで現実的な側面を併せ持っており、不安定な感じで進む。 エコーだけが確固たる自分を持っているように見え、どんなに容姿が美しくて輝いて見える人間でもエコーの周りの人間は皆精神的に不安定に描かれている気がする。 エコーはずっと女神のような母の影に隠れて羨んで生きているように見えるけれど、エコーからキラキラして見える人間が皆エコーのような強さと優しさを持っているわけではない。 いちいち表現が綺麗で個人的にはかなり好きな作品。詩的な文章が多いがなぜかふわふわしたおとぎ話のようにはならず、そこはかとなくジャンクでギラギラしたネオン街を思わせる。 心に残るフレーズが多く、何度も何度も読み返している
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短編集と思いきやそれぞれ話が繋がっていて一つの物語になっている。 筆者らしい繊細で切ない、痛々しささえ感じる文章
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『ひかりのあめ』を読んだ後、同著者を図書館で探して目についたもの。ひかりのあめほどの読了後の感覚はないものの、相変わらず表紙との連動感が素晴らしい。表紙に惚れたら読んでみて、と言える。そのくらい似合う。
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父は完璧で美しい母を「天使」と呼ぶ。わたしには、どうしたら母にふさわしい娘になれるのか、さっぱりわからない。 小鬼みたいな顔立ちのわたしが得意なのは、万引きとキスと踊りだけ。 あの夏──父が癌に冒され、母は父の看病で忙しく、私は誰にも触れられなくなってからずいぶんたち、夜は腕をし...
父は完璧で美しい母を「天使」と呼ぶ。わたしには、どうしたら母にふさわしい娘になれるのか、さっぱりわからない。 小鬼みたいな顔立ちのわたしが得意なのは、万引きとキスと踊りだけ。 あの夏──父が癌に冒され、母は父の看病で忙しく、私は誰にも触れられなくなってからずいぶんたち、夜は腕をしゃぶって眠りにつき、この世を去る男の娘ではなく、その男を救えない天使の娘ではなく、海の娘に、人魚になりたいと願った夏。 わたしはひとりの少年と知り合った。わたしの物言わぬ友人。命の守護者。決して名前を言わぬ、背中にぼろぼろの翼をくっつけた少年に。 孤独感と劣等感にさいなまれ、いつも自分以外の何者かになりたいと願っていた少女エコーが、海岸で出会った少年を探し続け、その過ぎる歳月の内でたくさんの愛を学んでゆく姿は時に痛々しく、切なく、だからこそうつくしい。 視点と語り手を変えた短編が全10編でひとつの物語に。 外出した時に目に飛び込んでくるさまざまな女の人の姿に、あんな風に背が高くなりたい。つやつやの肌の、綺麗な足の女の子になりたいと思うエコー。 彼女のように、今の自分と違う子になれたら…と願ったことのあるすべての女の子のための物語。
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- ネタバレ
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得意なのは、万引きとキスと踊りだけ。 短編連作集なんだけど、そのすべてが痛みを伴う。 愛情と、それ故の傷。傷と、それを埋める愛。 病んでるときには止めた方が良いかも。
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不思議な感じのする物語。トラウマやコンプレックスを抱えた少女の成長なのかな?妖精のような母親。猛烈な「私を見て」というアピールからくる暴走。ヒリヒリする痛みを抱えながら、寄り添ってみたり、傷ついてみたり。でも、読後は妙にさらっとしている。
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複数の視点から書かれているけど、相変わらずきらきらした物語。 女の子の気持ちの繊細さの描き方がとても素敵です。
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高校の図書館に行った時に偶然見つけて、この本をきっかけにリアブロックさんのファンになった。もう何年も前に読んだもので今更になり手に入れて、読むのは二回目になる。やっぱりこの本はリアブロックさんの他の作品以上に理解に苦しむ。それは年のせいかなとも思うので、またもう少し先に読み直した...
高校の図書館に行った時に偶然見つけて、この本をきっかけにリアブロックさんのファンになった。もう何年も前に読んだもので今更になり手に入れて、読むのは二回目になる。やっぱりこの本はリアブロックさんの他の作品以上に理解に苦しむ。それは年のせいかなとも思うので、またもう少し先に読み直したい。それでも、ひとつひとつの章がそれぞれ美しくて引き込まれて、やっぱりリアブロックさんの書かれる文章は愛しいと思う。
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得意なのは、万引きとキスと踊りだけ。 短編連作集なんだけど、そのすべてが痛みを伴う。 愛情と、それ故の傷。傷と、それを埋める愛。 病んでるときには止めた方が良いかも。
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