人魚の涙 天使の翼 の商品レビュー

フランチェスカ・リア・ブロック(著者),金原瑞人(訳者),小川美紀(訳者)

2009/10/04

エコーの母親はまるで天使のように美しかった。母が手を触れれば植物は一層綺麗に咲き誇り、傷ついた体は癒される。不思議な力を持った美しい母を父親は崇拝していた。一方エコーは自分が全く母親に似ていないことに対して劣等感を持っていた。そんなエコーが様々な人との出会いを通して"本当の自分"を探す物語。なんだかとっても幻想的で独特な雰囲気が全体に漂っています。たくさんの登場人物がみんな、どこかで繋がっているというのも面白かった。

2009/10/04

天使のように美しい母、天使のような癒しの手を持つ母。父は母しか見えていない。その母に比べて娘のわたしは劣等感の塊になるしかなかった。主人公の少女、エコーが出会った人々は、みなどこか傷を負っていた。登場人物ひとりひとりの名前が意味を持った物語。

2009/10/04

いつも思うんだけど、この作家の作品の表紙はすごく可愛いですね。今までの作品の中では『妖精たちの愛とセックス』に近いかなぁ。話の軸となる主人公がいて、それに関わってくる人達が主人公の短編がつづられているという点では。天使のようなお母さんを持ってしまったエコー。エコーの側から見た短編も素晴らしいんだけど、お母さんの側から書いた短編がより深みを出してるような気がする。ウィーツィー・バットにもあるんだけど、お母さんとお父さんの出会う話ってのはロマンチックでいいですね。愛を感じます。