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経済大転換 の商品レビュー

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2017/02/15

『セーフティーネットの政治経済学』『長期停滞』(ともにちくま新書)の続編で、3部作の完結編となる本です。 著者の基本的なスタンスは前著から一貫しており、本書でも小泉政権下における竹中平蔵の経済政策に対して舌鋒鋭く批判をおこなっています。とくに不良債権問題に対しては、銀行に対する...

『セーフティーネットの政治経済学』『長期停滞』(ともにちくま新書)の続編で、3部作の完結編となる本です。 著者の基本的なスタンスは前著から一貫しており、本書でも小泉政権下における竹中平蔵の経済政策に対して舌鋒鋭く批判をおこなっています。とくに不良債権問題に対しては、銀行に対する十分な引当金を積むことのないまま弥縫策に終始していても、繰り返し損失が表面化することになり、そのたびに貸し渋りや貸し剥がしがおこなわれ、デフレ不況から脱することはできないと著者は言います。その上で、十分な引当金によって信用収縮に歯止めをかけることが、デフレ脱却へのもっとも有効な道筋だというシナリオが提示されています。 本書のサブタイトルになっている「反デフレ・反バブルの政策学」という言葉に引っかかりを覚える読者もいるかもしれませんが、年金問題や高齢化問題といった日本が直面しているさまざまな課題に対する適切な政策をおこなうことが、経済の世界においても確かな信用をもたらすことになるという著者の主張が、このタイトルには込められているように思います。

Posted byブクログ

2014/10/30

[ 内容 ] イラク戦争以後、アメリカの一国決定主義がますます突出し、世界は「分裂と不安定の時代」に入っている。 一方、経済状況をみると、当分の間、世界同時デフレから抜け出せそうにない。 それに苛立つかのように、日本国内ではバブル待望論が絶えないが、アメリカの景気頼みの日本経済回...

[ 内容 ] イラク戦争以後、アメリカの一国決定主義がますます突出し、世界は「分裂と不安定の時代」に入っている。 一方、経済状況をみると、当分の間、世界同時デフレから抜け出せそうにない。 それに苛立つかのように、日本国内ではバブル待望論が絶えないが、アメリカの景気頼みの日本経済回復シナリオは非常に危うい。 むしろ地方へとデフレが波及し、さらに深刻化していくおそれがある。 もはや古い時代の発想は通用しない。 思考および政策の大転換が必要だ。 日本経済の位相を確かな目でとらえる、『セーフティーネットの政治経済学』『長期停滞』に続く、三部作の完結篇。 [ 目次 ] 序章 分裂の時代へ 第1章 バブルをつなぐ経済 第2章 「グローバルスタンダード」がもたらすデフレ圧力―市場と制度のフィードバック関係 第3章 不良債権と企業再生 第4章 財政崩壊と増税の悪循環 第5章 日本型インナーシティ問題と地方分権 終章 反デフレ・反バブルの政策へ [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ