立原道造詩集 の商品レビュー
ヒヤシンスハウスも見に行きました。 丹下健三の先輩だったということと、24歳の若さで亡くなった美しい青年という背景を背に読んでみましたが、戦後の詩歌はあまりに後世の人たちの讃え方との乖離を感じてしまってサブカル臭がしてしまう。 「いつそインキと紙が」「僕は三文詩人に」などは怒りを...
ヒヤシンスハウスも見に行きました。 丹下健三の先輩だったということと、24歳の若さで亡くなった美しい青年という背景を背に読んでみましたが、戦後の詩歌はあまりに後世の人たちの讃え方との乖離を感じてしまってサブカル臭がしてしまう。 「いつそインキと紙が」「僕は三文詩人に」などは怒りを基に個人の想いを感じたが、自然比喩に私的な夢想悲劇を織り交ぜられたものは好きではない。 それでも時折詩集は手に取ってしまう。
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道造の、1文字の余白は、そこに風を容易に受け入れ、通過させる。解説にあったこの一文にすべて詰まっていると思う。 パステルカラーのような詩は、徐々に重くなっていく内容でも軽やかなままだった。 師が堀辰雄とのことで、納得した。
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文ストで知った詩人、立原道造。どんなふうなのかなと思って手に取りました(ミーハーですいません)。作品全体に一抹の寂寥を含んだ風が吹き渡っているような印象を受けました。見えるのは長閑な山や林、美しい小川といった童話めいた風景。緑の匂い、花の香り、鳥の囀り、小川のせせらぎを風が連れて...
文ストで知った詩人、立原道造。どんなふうなのかなと思って手に取りました(ミーハーですいません)。作品全体に一抹の寂寥を含んだ風が吹き渡っているような印象を受けました。見えるのは長閑な山や林、美しい小川といった童話めいた風景。緑の匂い、花の香り、鳥の囀り、小川のせせらぎを風が連れてきて、ふっと去っていく。訪れた沈黙に隠れている死の影。終わった恋、流れた愛の残り香が移ろう季節に載って消えていく。「いつそインキと紙が」は詩人故の苦しさが滲んでいるように思えます。言葉を必要とし、言葉を愛し、言葉を連ねて作品を作る。言葉をなくしていっそ詩という夢も望みも思いきれたらいいのに。そんな彼の苦悩があるように感じました。
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3/29は立原道造忌 24歳という若さでこの世を去った立原道造。 その詩的世界を網羅する約130篇を収録した一冊を。
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絵本作家でエッセイストの友人がいるのですが、彼女が、だいぶ前ですが、自分の好きな作家とその作品をとりあげた本を出したのですが、その本の中で紹介されていて、真っ先に買った本です。 (他は森茉莉とかも真似して読みました。彼女の好みは私たちの年代にしては独特なんです) あらためて読んでみると、24歳8か月の生涯で、これだけの作品を残しているのは偉業だと思いました。 この永遠に若き詩人がもっと長生きしていたら、このあと一体どんな作品を残したのだろうかと思いました。 「浅き春に寄せて」 「Ⅵ朝に」 「Ⅹ夢みたものは」 「傷ついて、小さい獣のやうに」 「雨の言葉」 「草に寝て」 「唄」 「やつと欲しいものが」などが特によかったです。 「やつと欲しいものが」 やつと欲しいものがわかりだした 平和と清潔とがいりようなのだ おしやべりよ つぶやきよ お前たちはとほくに行け これから精出して 僕は 青空に 秩序を積み上げるのだ (後略)
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◆きっかけ 『7つ目の絵の具』でいせひでこさんが立原道造さんのことを「夢のように甘く透明な色彩と音と光のようなことばをまき散らし、七色の色えんぴつで詩を描いたこの人は、...p114」と表現しており、一体どんな詩なのだろうと思って。2016/08/12
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立原えりかさんがお好きだというので、購入できる詩集を探していたら、これを見つけた 全体的に淡く、春の夜によみたい雰囲気 道造が夭折したのは24歳、私が丁度その年齢のころ、上野の立原道造記念館が休館(≒閉館)すると知った それまで積読本だったので、読み終えてからのほうが良かったの...
立原えりかさんがお好きだというので、購入できる詩集を探していたら、これを見つけた 全体的に淡く、春の夜によみたい雰囲気 道造が夭折したのは24歳、私が丁度その年齢のころ、上野の立原道造記念館が休館(≒閉館)すると知った それまで積読本だったので、読み終えてからのほうが良かったのだけれど、不思議な縁を感じて記念館に先行訪問 道造が建築家でもあること、病に苦しみながら恋をしていたこと、色鉛筆を好んだこと、かわいらしい字を書くこと、色色なことが感じられた それから読んだので、全体的に甘い感傷が多いようなのだけれど、なんだか私も彼にあいたくなってしまった
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立原道造の詩は少しだけ読んだことがあり、図書館等で良さそうな本を探しているんですが 量が膨大でどれがいいのやら。 淡々とした、美しくも物悲しい詩が大好きです。
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定期的に読み返したくなる。言葉選びが好き。「小さな墓石の上に」「春が来たなら」辺りが個人的にツボだった
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詩を読んだのは本当に久しぶりのことだったが、たまには読む必要があることを再認した。 詩の言葉とは非‐日常の言葉だ。私は日々の生活に使用する日常の言葉によって、世界(あるいは世界の感覚)が十全に表現されていると感じているが、詩の言葉がその日常の言葉を離れてしっくりくるのは、世界が日...
詩を読んだのは本当に久しぶりのことだったが、たまには読む必要があることを再認した。 詩の言葉とは非‐日常の言葉だ。私は日々の生活に使用する日常の言葉によって、世界(あるいは世界の感覚)が十全に表現されていると感じているが、詩の言葉がその日常の言葉を離れてしっくりくるのは、世界が日常の言葉の平板さでは捉えられないことの証左だと思う。そしてさらに驚きなのは、そうした世界を再発見するのもまた言葉だということだ。詩を読むということは世界を生きなおすこと、また言葉の豊かさに触れ、その可能性の深さを感じることであり、つまりは感覚の訓練なのだ。
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