数量化革命 の商品レビュー
ヨーロッパがどのように事物を数量化してきたのか?時計、遠近法、楽譜、複式簿記など様々な数量化に成功し効率的に物事を捉え社会に普及させていった。 物事の捉え方や数値での把握、図形の尺度など様々な解釈を積み重ね数量化革命に成功することが出来た。
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考えながら一気に読み進めることができた。 数量化することで、ものごとを分けて捉えることができる、レゴブロックのように再構築もしやくなる、予測もしやすくなる、とメリットは様々ある。ヨーロッパはそこに先んじて気づき、実装し、世界の支配に成功した。 その代表格が絵画であり、音楽であり...
考えながら一気に読み進めることができた。 数量化することで、ものごとを分けて捉えることができる、レゴブロックのように再構築もしやくなる、予測もしやすくなる、とメリットは様々ある。ヨーロッパはそこに先んじて気づき、実装し、世界の支配に成功した。 その代表格が絵画であり、音楽であり、簿記であると筆者は述べる。視座も含めてとても面白く読めた。ただ東洋的な価値観は押されっぱなしになってきたのだよなあとも思った。 なお、この構図は今もなお続いている。数量化を強力に押し進めた結果が、0-1のデジタルの世界なのだろう。アメリカのプラットフォーマーの影響力は絶大で、世界中に浸透している。デジタル経済の行き過ぎも指摘されるいま、バランサーとしての東洋的な価値観が出てくるとよいのではないか。
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[ 内容 ] ヨーロッパ帝国主義が比類なき成功をおさめたのはなぜか? 理由のひとつは、科学革命に先立つ中世・ルネサンス期に、人々の世界観や思考様式が、宗教的なものから普遍的・効率的なものに変化していたことだと著者は言う。 数字、機械時計から楽譜、遠近法まで、幅広い分野に目配りしながら、そうした変化をもたらした数量化・視覚化という革命を跡づけてゆく西欧精神史。 [ 目次 ] 第1部 数量化という革命―汎測量術(パントメトリー)の誕生(数量化するということ;「敬うべきモデル」―旧来の世界像;「数量化」の加速 ほか) 第2部 視覚化―革命の十分条件(視覚化するということ;音楽;絵画 ほか) 第3部 エピローグ(「新しいモデル」) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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時々理屈抜きで気になる本がある。例えば私にとってそれは『リスク』や『人類が知っていることすべての短い歴史』だ。本書にも同じ感覚を持っていた。なんだろう、題名と装丁が私好みである。フィーリングといえばよいだろうか。 肝心の内容も面白い。言い方は悪いが中世までは野蛮とされていた西ヨ...
時々理屈抜きで気になる本がある。例えば私にとってそれは『リスク』や『人類が知っていることすべての短い歴史』だ。本書にも同じ感覚を持っていた。なんだろう、題名と装丁が私好みである。フィーリングといえばよいだろうか。 肝心の内容も面白い。言い方は悪いが中世までは野蛮とされていた西ヨーロッパ地域が、文化的希薄さを逆手にインド・アラビア数字を取り入れて数量化により飛躍を遂げていく様が叙述されており興味深い。 暦、機械時計、地図、貨幣、楽譜、遠近法、絵画、複式簿記と、ありとあらゆるものを数量化・視覚化可視化していく貪欲さは、当時抱えていた東洋や中東に対するコンプレックスからなのだろう。 章ごとの散漫さが多少あり、体系的に理解するには骨が折れるが、題材は非常にチャレンジングで面白い。
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西ヨーロッパの帝国主義が世界を席巻し得たのは、事物を数量的に 把握する世界観が広まったこと=数量化によるものとし、様々な ジャンルにおいてその数量化がどのように進んでいったかを記述 している。 遠近法によって絵画内の空間が等質化したのと同じようなことが 音楽や地図・海図、数学や...
西ヨーロッパの帝国主義が世界を席巻し得たのは、事物を数量的に 把握する世界観が広まったこと=数量化によるものとし、様々な ジャンルにおいてその数量化がどのように進んでいったかを記述 している。 遠近法によって絵画内の空間が等質化したのと同じようなことが 音楽や地図・海図、数学や簿記(!)などにおいても起こっていたと いうのは実に面白い。 ただあまりに取り扱う内容が多く、それぞれを記載するだけで終わり その先まで踏み込めていないという印象は否めないかな。
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ヨーロッパ帝国主義が世界の覇権を握った理由を中世・ルネッサンス期に人々の世界観や思考様式の変化に求める本。 西欧史、西欧精神史といった内容。 物事を厳格に観測しようとしたら数値化が必要になってくるが、数量化という概念が発達したのは宗教と商売からというのが面白い。 とくに宗教は妨...
ヨーロッパ帝国主義が世界の覇権を握った理由を中世・ルネッサンス期に人々の世界観や思考様式の変化に求める本。 西欧史、西欧精神史といった内容。 物事を厳格に観測しようとしたら数値化が必要になってくるが、数量化という概念が発達したのは宗教と商売からというのが面白い。 とくに宗教は妨げともなってたりするし、論理的な考え方がゆえに大問題になってたりと影響は大きかったようだ。 儀式がゆえに正確な時間が求められ、数学的な正確さと今までとの整合性のどちらをとるかといった葛藤が起きる思考様式的背景は興味深い。 日本なんて暦の調整はうるう月、ある年だけ一ヶ月多くなるとかでしたから大きな違いを感じる。 筆者は大きな変換点、数量化革命の十分条件を「可視化」としている。 単なる数値化は世界のいたるところで程度の差はあれ存在していたが、 目に見えないものを見えるようにする、まさに神の視点を手にする行為ともいえる可視化、そして可視化による数量化の概念がさらに広まり世界は変わる。その変化はまさに革命と呼ぶに相応しいものと思われる。 西欧史、人類史の見方の一つとしては抑えておきたい考え方と思うが、主題が多くの人々の考え方の変遷をあつかうものであり、扱う範囲も広く、理解が難しいと感じるものが多かった。
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130421中央図書館 原題はThe Measure of Reality。中世にスコラ哲学でその萌芽を見てはいたが、13世紀中ごろに、西ヨーロッパは数量化と視覚化の技法を急激に定着させていった。そのアウトプットが、時計、地図、数学、音楽、絵画(遠近法)に発散し、それぞれが相ま...
130421中央図書館 原題はThe Measure of Reality。中世にスコラ哲学でその萌芽を見てはいたが、13世紀中ごろに、西ヨーロッパは数量化と視覚化の技法を急激に定着させていった。そのアウトプットが、時計、地図、数学、音楽、絵画(遠近法)に発散し、それぞれが相まって、能率の悪い「定性的記述と創造」を超えて現実世界を記述、統御するパワーに転化していったのだ。という内容。 邦題は「数量化」だったので、もう少し「数学基礎論と計測の再結合のきっかけ・・」といった数学基礎的な解説本かと思ったが、内容はほぼルネッサンス技術史のエッセンスに近い。 第1部 数量化という革命−−汎測量術(パントメトリー)の誕生 第1章 数量化するということ 第2章 「敬うべきモデル」−−旧来の世界像 第3章 「数量化」の加速 第4章 時間−−機械時計と暦 第5章 空間−−地図・海図と天文学 第6章 数学 第2部 視覚化−−革命の十分条件 第7章 視覚化するということ 第8章 音楽 第9章 絵画 第10章 簿記 第3部 エピローグ 第11章 「新しいモデル」
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西洋社会の世界進出は16世紀の大航海時代に始まるが、その背景には数量化して考える思考の変化があったという内容。その例として、機械時計、海図、音楽、絵画(遠近法)、複式簿記をあげ、1300年の前後100年間に発展したとしている。欲を言えば、こうした活動がイスラムや中国などの他の社会...
西洋社会の世界進出は16世紀の大航海時代に始まるが、その背景には数量化して考える思考の変化があったという内容。その例として、機械時計、海図、音楽、絵画(遠近法)、複式簿記をあげ、1300年の前後100年間に発展したとしている。欲を言えば、こうした活動がイスラムや中国などの他の社会ではどうだったのかを合わせて説明してくれれば、西洋社会が優位に立った要因として、より説得力があると思った。 ・西ヨーロッパでは、500〜1000年の間、計算盤が使われた形跡がない。イスラム時代のスペインで学んだフランスの修道士ジェルベールが10世紀後半に計算盤を復活させた。 ・11世紀にグイード・ダレッツォが譜表を考案した。 ・1200年頃、スコラ学者は文献の本文を章に分けて、章ごとにタイトルを付け、欄外見出しや相互参照システム、引用文献の一覧表示を付け始めた。 ・1250年から1350年の間に、機械時計と大砲がつくられ、時間と空間の数量的な概念が進んだ。ポルトラノ海図、遠近法、複式簿記もこの時期かこの直後につくられた。 ・1270年代に機械時計が発明された。 ・現存する最古のポルトラノ海図は1296年につくられた。 ・プトレマイオスの「地理学」の写本は、1400年頃にフィレンツェに到着した。この中には、緯度と経度の格子を幾何学的に正しく描くための方法が書かれていた。これが絵画の遠近法に用いられた。 ・インド・アラビア数字は15世紀後半から使われ始め、1600年までには広く普及した。 ・16世紀はコペルニクスとメルカトルが活躍した時代。
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数量化こそヨーロッパが世界の覇者たり得た要因である、というよりも、ヨーロッパにおける数量化の歴史、くらいの内容しかないように思える。 ヨーロッパが他地域よりも発展した理由を数量化に求めるなら、他地域の数量化についても言及・比較する必要があるのでは?
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スゴ本ブログで紹介されていて面白そうだったので購入。なるほど、これはスゴ本というのにふさわしい。本書は人類にまだ数量化という概念がなかった時代からスタートし、人類がさまざまな、物事を数を通して観察すること、すなわち数量化することに成功して行く歴史を紹介する。 特に面白かったのは、...
スゴ本ブログで紹介されていて面白そうだったので購入。なるほど、これはスゴ本というのにふさわしい。本書は人類にまだ数量化という概念がなかった時代からスタートし、人類がさまざまな、物事を数を通して観察すること、すなわち数量化することに成功して行く歴史を紹介する。 特に面白かったのは、簿記の発明を紹介した10章。文明が発展するにつれて商売がうまれ、貨幣が用いられるようになる。商人たちは自らの商売について貨幣で記録する必要が生じ、その手段として今日の複式簿記の原型となるものが編み出される。本書を読んで改めて現代の社会において、複式簿記の果たす役割の重さを感じた。複式簿記の発明がなければ現代のような会社というものすら成り立たなかったのではないだろうかとすら思ってしまう。複式簿記の発明というのは、人類にとって間違いなく革命的なインパクトをもたらしたと思う。
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