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橋のない川(第3部) の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2024/02/29

真なる健康とは、残酷な現実に堪えることではなく、打ち破ることこそが健康の証明となり得るのだと説いてくれた。 人を悪いと思う前に、仕組みが悪いのでは無いかと思える視野を与えられた。 個人の赤恥なら堪えられるが、村を侮辱される恥は飲み込めば消え入りそうなほど悔しくなる。飲めないか...

真なる健康とは、残酷な現実に堪えることではなく、打ち破ることこそが健康の証明となり得るのだと説いてくれた。 人を悪いと思う前に、仕組みが悪いのでは無いかと思える視野を与えられた。 個人の赤恥なら堪えられるが、村を侮辱される恥は飲み込めば消え入りそうなほど悔しくなる。飲めないから恥を吐いて暴れる。 事件があったので、あっという間に読めた。

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2023/06/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 第三部は大正7年、大正8年の話。住井すゑ「橋のない川(三)」、昭38.3刊行、516頁。大阪の米屋で働く誠太郎に、店主安井徳三郎から娘あさ子の養子にとの話が。大正7年6月5日、21歳になった誠太郎に徴兵検査が。誠太郎は10人の内1人だけ甲種合格。同じ立派な体格の志村清一は母かねから兵隊逃れの御守(身内の33歳の女性の陰毛3本)を身につけ乙種w。孝二は学校を卒業して志村国八の家で仕事を。井野の七重とはお互いを意識。そんな中、大正8年正月、8年前手を握り合った、いわくつきのあの杉本まちえから年賀状が。

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2018/12/17

主人公の二人が徐々に成長していく。彼らの世界も広がっていくに従って、子供の頃の純粋さから深い思考へと考え方も成長していく。それにしても時代背景と差別の状況を淡々と誇張なく、悲劇的でも残酷史でもなく描く力量には感服。

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2013/10/05

再読です。 金持ちはどんどん金持ちになり、貧乏はそのままと言う格差。 今も昔も世の中の仕組みは変わらないのですね。。

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2013/06/24

最後に向けてぐんぐん引き込まれた。あさ子に言わせないようにしていたのは自分だったと、誠太郎が気づくところ、切なかった。近づけないでいた気持ちも、苦しめていたと気づいたときの気持ちも、つらい。

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2012/09/09

表紙裏 日露戦争で父を亡くした誠太郎の上に、やがて同じ兵役の義務が重くのしかかる。その年、大正7年―――富山県で火を噴いた米騒動は、たちまち大阪に飛び火した。群衆と警官が、竹槍隊と兵隊がもみあう激しい渦巻のまっただなかで、誠太郎が働く大阪の米屋もまた群衆にとり囲まれる。故郷小森も...

表紙裏 日露戦争で父を亡くした誠太郎の上に、やがて同じ兵役の義務が重くのしかかる。その年、大正7年―――富山県で火を噴いた米騒動は、たちまち大阪に飛び火した。群衆と警官が、竹槍隊と兵隊がもみあう激しい渦巻のまっただなかで、誠太郎が働く大阪の米屋もまた群衆にとり囲まれる。故郷小森も大阪も、さわがしい時代の波の中に過ぎてゆくこの年、親しい人々に送られて誠太郎は入営する。

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2011/01/30

大逆事件、米騒動、思想弾圧、軍備の拡張と昏い世相にすすみゆくなか、誠太郎はもちろん孝二はさまざまな苦労や悩みを背負いながら、一歩一歩思想家として生きてゆく予感がする。

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2010/05/06

浦野所有。 第二部ラストの孝二の修学旅行の続きからはじまるのかと思っていたら、いきなり数年後に話が飛んでて肩透かしを食いました。また冒頭は時事解説が中心となって話が進み、今までのシリーズとちょっと違った雰囲気に戸惑いました。 しかし気づいてみるといつも通りの「橋のない川」に戻...

浦野所有。 第二部ラストの孝二の修学旅行の続きからはじまるのかと思っていたら、いきなり数年後に話が飛んでて肩透かしを食いました。また冒頭は時事解説が中心となって話が進み、今までのシリーズとちょっと違った雰囲気に戸惑いました。 しかし気づいてみるといつも通りの「橋のない川」に戻っていて、最後まで一気に読破。とくに心に残ったのは、源吉が逮捕された理由を孝二に話すシーン。それと、米屋の嬢(いと)が自らの出自について、誠太郎に切り出したシーン。世間の勝手さが身に沁みます。

Posted byブクログ