「個人」の探求 の商品レビュー
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国語教師の「作文」という概念が日米で違うから国際人が育たないという渡辺雅子さんの話がおもしろかった。 アメリカは、まず、「文章の組み立て方のパターン」という実践形式から教えるが、日本は、「思ったまま自由に」という情緒教育からはじめる。というのである。 欧米的なものが、なんでも良いとは言えないが、自分の意見を的確に相手に伝えるために「作文」という授業があるというふうに、教師側が思わないかぎり、内向的な日本人像は変わらないのではないだろうか。 しかし、思うに、「みんな一人一人違うよ」という教育よりも「みんな同じだよ、一人じゃないよ」って思わせる日本の教育が悪いか?というとまた、違う切り口で議論し直す必要があるだろう。 編者の河合さんの文章は、はじめの16ページだけで、あとの10人の執筆者は「日本の習慣や儀礼のルーツ探求」みたいなのが多く、心理学関連の話ではなかった。
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