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さまざまな空間 の商品レビュー

4.2

8件のお客様レビュー

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2015/02/24

訳本て本当に訳者との相性なのかな。原文を読んで理解したほうがいいのだろうか。 最初のページと、「ページ」の構成がやたらと好き。こういう縛られない発想に憧れる。

Posted byブクログ

2013/04/07

エッセイというか、思索というか…。 空間について、あれこれ考える。 当たり前の事と、考えずにきた事を、ふと立ち止まって考えてみる面白さ。そうすることで感じる妙な奥深さ。 なんだかとても、贅沢な時間を過ごした気が。 小難しくなく、読んでいて不思議に気持ちいい本だった。

Posted byブクログ

2011/07/06

 パリジャンはパリしか愛さない、というのをよく耳にする。本書もさまざまな方法で空間について考察していながらも、絶対的なパリ、フランスへの愛情が伝わって来る内容だ。 冒頭では、ページの白のなかで文字を遊ばせながら、ひとつの「letter」または「character」が「ことば」にな...

 パリジャンはパリしか愛さない、というのをよく耳にする。本書もさまざまな方法で空間について考察していながらも、絶対的なパリ、フランスへの愛情が伝わって来る内容だ。 冒頭では、ページの白のなかで文字を遊ばせながら、ひとつの「letter」または「character」が「ことば」になり文章を形作っていき、やがて空間を表すようになる様をペレック独自の方法で解説する。  居る場所、育った場所、住んでいる場所をただぼんやり眺めているのではなく、観察し、書き留め、書き貯め、皮肉や遊びや愛情を込めて文章の形で浮かび上がらせる。空間とは、実は記憶や思い込みや感情で変化する、曖昧で揺るぎやすくて、実体のないものなのかも知れない、と思えてくる。なんとも洒落の利いた、パリのにおいがする本。

Posted byブクログ

2011/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本のページすら空間と見るモノの見方は、とても勉強になります。 様々なものをモノとモノとの関りや関係を考えながら見るための練習ができる本です。 身の回りの小さな空間から、宇宙規模の大スケールな空間まで、 建築を目指す人にはとても為になる一冊です。 建築をやらない方でも、 日々の生活で、何気なく見えているモノや風景に、 それぞれの空間の関わりが見えてきて、 ちょっと違った楽しみを見つけられるかもしれません。

Posted byブクログ

2009/10/04

白い部屋の中で読んでいるような印象の本だった。 装丁のせい? ページについて、国について、などなど。様々な物事について彼なりの考え方を述べている本。 割と抽象的なものが多かったような・・・まぁ、元々こういう本は抽象事物の上に感じ方を乗せていくようだからね。 どこで止めてもどこ...

白い部屋の中で読んでいるような印象の本だった。 装丁のせい? ページについて、国について、などなど。様々な物事について彼なりの考え方を述べている本。 割と抽象的なものが多かったような・・・まぁ、元々こういう本は抽象事物の上に感じ方を乗せていくようだからね。 どこで止めてもどこから読んでもいい本。 ふら、とやってきて、ひら、と去っていく本。

Posted byブクログ

2009/10/07

佇まいの良い本というものがあるように思う。例えば新潮社のクレストなどフランス折りの感じといい紙質の感じといい、しっくりとしていて、佇まいのよいという類の本であると思う。また、クノーの文体練習は捜し求めて出会った時、思わず繁々と眺めた一冊だ。立てても平らにしても様になる、そんな本に...

佇まいの良い本というものがあるように思う。例えば新潮社のクレストなどフランス折りの感じといい紙質の感じといい、しっくりとしていて、佇まいのよいという類の本であると思う。また、クノーの文体練習は捜し求めて出会った時、思わず繁々と眺めた一冊だ。立てても平らにしても様になる、そんな本には滅多に出会わないけれども。 ペレックのこの本もまた、当然のことながらその佇まいにまずほれた。常に手にして持ち歩きたいと思うような一冊だ。だからという訳ではないけれど、この本は読み終えるのに時間が掛かった。 どこから読んでも、どこを取り出してもよいような本なので、一気に通読することを本が求めていなかったということもある。それより何より一つ一つ比較的短い文章を連ねているのに、その文章を読み終えることが難しい。いつの間にか思いがふらふらと漂ってしまうのである。読む解く言葉以上に呼び起こされる思考のようなもの押し寄せてくるのである。そして何か胃下垂にでもなった人のように、すぐに気持ちが飽和してしまって先へ進めなくなるのだ。 空間というものは捉えようの無いものだ。周りを囲むことで初めて顕れたり、物を詰めてみてその存在が結果として解るというような、常に補完を前提としたもののように思う。ペレックはそのことを理解し多くの言葉を費やした。むべなるかな。思考は巡れども空間は決して手にすることが叶わぬものであるのだということを、改めて感じた本である。

Posted byブクログ

2012/03/11

ページからベッドへ。ベッドから寝室へ。寝室からアパルトマンへ。集合住宅へ。通りへ。地区へ。街へ。田舎へ。国へ。ヨーロッパへ。世界へ。そして、空間へ。ペレックの筆致は「さまざまな空間」へと軽やかに運ばれてゆく。決してあからさまではない形で喚起させる幼年期の戦争孤児としての記憶。そし...

ページからベッドへ。ベッドから寝室へ。寝室からアパルトマンへ。集合住宅へ。通りへ。地区へ。街へ。田舎へ。国へ。ヨーロッパへ。世界へ。そして、空間へ。ペレックの筆致は「さまざまな空間」へと軽やかに運ばれてゆく。決してあからさまではない形で喚起させる幼年期の戦争孤児としての記憶。そして「ひろがりゆく空虚からくっきりした断片を救いだし、どこかにわだち、なごり、あかし、あるいはしるしをいくつか残す」この書くことのエチカ。それらを決して重厚で晦渋な形ではなく、ときにユーモアも交えながら「書く」。ペレックは「空間」をこれまでとは別の仕方で見ることができることを教えてくれる。盟友レーモン・クノー『文体練習』のかたわらに。

Posted byブクログ

2009/10/04

もっと早く読んでおくべきだった。ほんとうに塩塚先生の訳は丁寧。彼の丁寧な授業を受けたことがあるからそう思うのか、それとも純粋に訳に反映されているだけなのか。今となってはもう分からん。原書はフランス語の基本語彙を押さえるのにもってこいかと。

Posted byブクログ