哀愁的東京 の商品レビュー

重松清(著者)

2009/10/04

人は皆「寂しさ」と戦いながら生きているのかもしれない。そう感じさせる本でした。
著者は重松清。
東京を舞台に、様々なストーリーが絡まりあって、切なく寂しく辛い東京を生きていく。

でも決して人生に絶望した本ではないんです。寂しいならそれでいいじゃないか、寂しいながらもみんな一生懸命生きているんだから。そう思いました。

きっとこれからもまだまだ続いていく人生、その行く先を想像してみたりする、そんなときに読んでみてください。

2009/10/07

　これが――
　僕が出会い､見送ってきた「東京」。

　生きる哀しみを引き受けたおとなのための“絵のない絵本”
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(帯より)

自分を見つけようと東京に出てきて、大人になり、自分を見つけられずにいる自分にいらだちつつも、宥めながらつきあう。何かをすり減らして生きているようなつかみどころのない哀しみを胸に抱え込む。それが大人になることだと自分に無理矢理納得させているのかもしれない。
涙が頬を伝うに任せて泣くことができたなら・・・。
心に降り積もった澱を洗い流すことができるのかもしれない。