木に学べ の商品レビュー
宮大工の著者が語る木…
宮大工の著者が語る木と道具、そして建築物について。この本は多くの若者に読んで欲しい。日本の良い文化を知るために欠かせないであろう一冊。
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20年以上前に度々奈良に行く機会があり、その時から、読まねば、と思っていた本なのに、ようやく今になって読了。 その頃読んでいたら、人生も変わっていたんじゃないだろうか、とバブル期に社会に出た世代として痛切に思う。時間に追われていた歳月を振り返る。 人生の3分の1がまだ残されている...
20年以上前に度々奈良に行く機会があり、その時から、読まねば、と思っていた本なのに、ようやく今になって読了。 その頃読んでいたら、人生も変わっていたんじゃないだろうか、とバブル期に社会に出た世代として痛切に思う。時間に追われていた歳月を振り返る。 人生の3分の1がまだ残されていると思うこととして、先ずは、奈良への2泊旅行の予約を入れた。 聞き書きをされた、塩野米松氏にも感謝。
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法隆寺、薬師寺に行きたくなった! 道具の名前や建物の構造などの専門用語がたくさん出てきて理解しづらい箇所もあったが、とにかくヒノキを使いこなした飛鳥時代の大工はすごかったのだと分かる。 関西弁の話し言葉がそのまま書かれているのでなじみのない人には読みにくいかも…?
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飛鳥時代の木造建築が1400年たった現代でも生き残ってることが何より驚愕で、当時の建築技術が相当にハイレベルだったことが伺える。道具も現代のように便利な物がなかった時代、あんなに複雑な建物を建てていた職人さんがいたのだと思うと畏敬の念を抱く。
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物事を突き詰めた職人は、自分のエリアだけではなく、世界の見え方が他の人とは違う別の視点・視座を持っているというなんだろう。 宮大工として、木のこと、建築のことについて、一般の人が思いもよらない奥深い世界の目線を持っていることは、それはそうだろう。 西岡氏がすごいのは、仏教のこと(...
物事を突き詰めた職人は、自分のエリアだけではなく、世界の見え方が他の人とは違う別の視点・視座を持っているというなんだろう。 宮大工として、木のこと、建築のことについて、一般の人が思いもよらない奥深い世界の目線を持っていることは、それはそうだろう。 西岡氏がすごいのは、仏教のこと(これは宮大工で寺社を設計・建築しているのだから、エリアの範疇化もしれないが)、経済のことなどにも宮大工の立場から批判的に語る。この本が出版されたのはバブル経済真っ盛り。西岡氏は「もうちょっと適正な利潤を追求するように改めないけませんな。飽くなき利潤追求ということは、みんな押し倒してしまうということやからね。」と、警鐘。宮大工として寺社建築と向き合い続け、建立の目的であったであろう人の幸せ・世の幸せを願うという人間の根本にたどり着いた、ということかもしれない。
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めちゃくちゃ感動しました。 最後の宮大工の棟梁と言われた、法隆寺、薬師寺宮大工棟梁の西岡常一さん。 飾らない語りの中で話される、自然へ敬いや礼儀、仏の心で建立する本当の意味とはなど、読んでいるこちらがピシッと襟を正されるという感じ。 昔堅気の偏屈爺さんという印象だけれども、人に対...
めちゃくちゃ感動しました。 最後の宮大工の棟梁と言われた、法隆寺、薬師寺宮大工棟梁の西岡常一さん。 飾らない語りの中で話される、自然へ敬いや礼儀、仏の心で建立する本当の意味とはなど、読んでいるこちらがピシッと襟を正されるという感じ。 昔堅気の偏屈爺さんという印象だけれども、人に対してはもちろん、地球上の万物全てに対して心を持って接していくことを説いてらっしゃる。 怖いけど、決して見限ることをせず木でも人でも最後まで育てることを信条とされていて。 仏教の教えとは、誰でも如来になれる、心がけ次第で誰でも仏になれる。それを学ぶ場として法隆寺が建立されたという話に本当に感銘を受けました。 建てられてから1350年を経過して未だなお、当時の姿を私たちに見せてくれている法隆寺。 どんな詳しいガイド本よりも!この本こそが法隆寺、薬師寺に行く時の最強、最良のガイドになってくれると思います。 早くこの本持って法隆寺見に行きたい!!!
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何回も再読していきたい。 今回のまとめは22ページまで 〈本から〉 鹿はヒノキが好物 日本の風土にヒノキは合ってた ヒノキのええとこはね、第一番に樹齢が長い こんなに長い耐用年数のものはヒノキ以外にはありませんわ。 わたしどもは木のクセのことを木の心やと言うとります。風をよけて...
何回も再読していきたい。 今回のまとめは22ページまで 〈本から〉 鹿はヒノキが好物 日本の風土にヒノキは合ってた ヒノキのええとこはね、第一番に樹齢が長い こんなに長い耐用年数のものはヒノキ以外にはありませんわ。 わたしどもは木のクセのことを木の心やと言うとります。風をよけて、こっちへねじろうとしているのが、神経はないけど、心があるということですな。 お釈迦様は気がついておられた。「樹恩」ということを説いておられるんですよ、ずっと大昔に。 それは木がなければ人間は滅びてしまうと。人間賢いと思っているけど一番アホやで。 自然を忘れて、自然を犠牲にしたらおしまいでっせ。(p22) 以下、続く
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奈良の法隆寺などで活躍した棟梁のインタビュー 代々受け継がれた技術と教え。残念ながら無くなっていくものがあるんだろう。 法隆寺、未来に残せるか心配になった。 学者さんとの喧嘩、なるほどと思った。梅原さんの法隆寺の本読んだけど、いろんな見方あるんだな。 確かに受け継がれた棟梁の推...
奈良の法隆寺などで活躍した棟梁のインタビュー 代々受け継がれた技術と教え。残念ながら無くなっていくものがあるんだろう。 法隆寺、未来に残せるか心配になった。 学者さんとの喧嘩、なるほどと思った。梅原さんの法隆寺の本読んだけど、いろんな見方あるんだな。 確かに受け継がれた棟梁の推測の方が納得できる。
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法隆寺金堂や薬師寺大修理の棟梁を務められた宮大工、西岡常一氏(以下、西岡棟梁)へのインタビューをまとめた本書。 西岡棟梁の仕事への取り組み方、そして厳しい中にも温かみがあるものの話し方が、奈良の祖父を思い起こさせた。 建築にそこまで関心があるわけではない、普段DIYをするわけで...
法隆寺金堂や薬師寺大修理の棟梁を務められた宮大工、西岡常一氏(以下、西岡棟梁)へのインタビューをまとめた本書。 西岡棟梁の仕事への取り組み方、そして厳しい中にも温かみがあるものの話し方が、奈良の祖父を思い起こさせた。 建築にそこまで関心があるわけではない、普段DIYをするわけでもない。しかし読書中は専門用語を理解しようと躍起になるよりも、懐かしさとずっと耳を傾けていたいという意識に浸っていた。 西岡棟梁大全といった風で、木や工具を敬う心・彼が手がけた法隆寺や薬師寺をガイドしながらの解説・宮大工としての心得が一冊に凝縮されている。 法隆寺や薬師寺のガイドは臨場感があって、訪れた頃の記憶と掲載されている伽藍図(寺院の地図)を頼りに”ツアー”に参加した。 飛鳥時代の工人の業を各所で称賛する一方で、以降の締まりのなさを嘆かれていた。 中でもバランスと機能美に優れた各寺と(個人的に今一番訪れたいと思っていた)日光東照宮を比較、日光さんを「構造よりも装飾を意識した芸者さん」とボロカス言ってらしたのが何気に衝撃的だったかも。そのせいで法隆寺が(当時)建立1350年目なのに対して(それはそれで次元が凄いのだが…)、日光さんは350年くらいで解体修理しなければならないという。 木(本書では日本の建築に適したヒノキを指す)は生えている山によって性質が変わってくることも、幾度となく語られている。 飛鳥の建築はそんな木の性質をどう有効に活かすかが考慮されており、和釘を半日かけて丁寧に打ち込むなど長く持続させる努力を怠っていないらしい。(結果千年もキープできるとは、当時の工人さん達も予想していなかったのでは…?) 「人間は偉いもんでっせ。カンでわかるんですな。コンピューターでわからんで”カン”ピューターならわかるんですからな」 「“カン”ピューター」はともかく…笑(真面目な話の中、ほんまに不意打ちやった笑↑) 彼の数ある凄い点を一つ挙げるとすれば、木の風化具合を見るだけでどの時代に修復されたのかを学者以上にピタッと当てるところ。素人目線ではあるけれど、職業柄でもよほど長いこと携わっていないと出来ないことだと思う。 学問的見地から判断しようとする学者達と度々衝突したようだが、自身が現場で感じたことを信用してあげるのが、「“カン”ピューター」の精度を上げる秘訣なのかもしれない。 「仏教は自分自身が仏様である。[中略]神も仏もみんな自分の心の中にあるちゅうことを言うてるんですわ」 信仰心の厚いお方だとインタビューを通して思っていたけど、やはりそうか。お寺を修復する宮大工だからだけではない。一緒に仕事をする職人達を束ねられたのも、自分の中の「慈悲心」を大切にしていたからこそ。 そう思うと祖父の中にもそれはあったし、(西岡棟梁がそうだったように)晩年は現役時代の分を出し切るかのように笑顔を多く見せていた。
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最後の棟梁とも言われた西岡常一氏の本。木や道具はたまた土、鉄に至るまでの造詣の深さ。法隆寺の宮大工に伝わる口伝。・住む人の心を離れ住居なし・木を買わず山を買え・木の癖組は人の心組・工人の心組は工人への思いやり・百工あれば百念あり。一つにする器量のない者は自分の不徳を知って、棟梁の...
最後の棟梁とも言われた西岡常一氏の本。木や道具はたまた土、鉄に至るまでの造詣の深さ。法隆寺の宮大工に伝わる口伝。・住む人の心を離れ住居なし・木を買わず山を買え・木の癖組は人の心組・工人の心組は工人への思いやり・百工あれば百念あり。一つにする器量のない者は自分の不徳を知って、棟梁の座をされ・諸々の技法は一日にして成らず、祖神達の得恵なり 抜粋だが何も色んな場面や人に当てはまるなあと感じました。マニアックそうな内容ながら確か新聞のどなたかの書評で紹介されていたのも納得。伝統、モノ長期に伝承していくのは大変とあらためて認識。法隆寺や薬師寺に行く人はこの本読んで行くと、楽しみ?が何倍にもなるかも。
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