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萩原朔太郎詩集 の商品レビュー

4.3

34件のお客様レビュー

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2017/02/26

あまり考えたくない時にボーっと文字だけ追っています。 学生の頃からもう何年もずっとそうやって何回も繰り返し読んできた一冊です。

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2016/02/02

【山に登る】 山の頂上にきれいな草むらがある その上でわたしたちは寝転んで居た。 眼をあげてとほい麓の方を眺めると、 いちめんにひろびろとした海の景色のやうにおもはれた。 空には風がながれてゐる おれは小石をひろつて口にあてながら、 どこといふあてもなしに ぼうぼうとした山の頂...

【山に登る】 山の頂上にきれいな草むらがある その上でわたしたちは寝転んで居た。 眼をあげてとほい麓の方を眺めると、 いちめんにひろびろとした海の景色のやうにおもはれた。 空には風がながれてゐる おれは小石をひろつて口にあてながら、 どこといふあてもなしに ぼうぼうとした山の頂上をあるいてゐた おれはいまでも、お前のことを思ってゐるのだ。 【陽春】 ああ、春は遠くからけぶって来る、 ぽっくりふくらんだ柳の芽のしたに、 やさしいくちびるをさしよせ おとめのくちびるを吸ひこみたさに 春は遠くからごむ輪のくるまにのって来る ぼんやりした景色のなかで、 白いくるまやさんの足はいそげども、 ゆくゆく車環がさかさにまわり、 しだいに梶棒が地面をはなれ出し おまけにお客様の腰がふらふらとして これではとてもあぶなそうだなと、 とんでもない時に春がまつしろの欠伸をする。

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2015/01/18

私の詩の読者にのぞむ所は、詩の表面に表はれた概念や「ことがら」ではなくして、内部の核心である感情そのものに感触してもらひたいことである。

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2013/10/02

西脇順三郎が、たった1冊だけを持ってイギリスに留学したのが『月に吠える』。そして、同時にそれは日本語での詩の可能性を西脇に悟らせた詩集でもあった。何度目かの再読(これが1番多い)だが、私にとっての日本近代詩ベスト1はやはりこれだ。タイトルは、人間を含めて生きているもののすべてが背...

西脇順三郎が、たった1冊だけを持ってイギリスに留学したのが『月に吠える』。そして、同時にそれは日本語での詩の可能性を西脇に悟らせた詩集でもあった。何度目かの再読(これが1番多い)だが、私にとっての日本近代詩ベスト1はやはりこれだ。タイトルは、人間を含めて生きているもののすべてが背負わなければならない、根源的な「生」への不安と怖れとを象徴しているだろう。ここにあるのは、寂しさや愛の渇仰や恐怖や残酷さ、あるいは本質的な孤独といった、およそ負の感情である。「人は一人一人では、いつも永久に、恐ろしい孤独である」。

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2013/06/11

心虚しくして彼の詩の世界に入ってみる 美しくて、そして孤独だ。 そんな心の情景が現れてくる。

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2013/01/29

初めて詩集というものを読んだ。それまで文学と評論 長い文章ばかりだったので自分に詩を読む心があるのか不安だった。 朔太郎さんと相性が良かったからなのか それともやはり偉大な詩人だからなのか本当に素敵な物だった。言葉の響きが耳に心地よく情景が静かに流れていくようで

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2012/10/23

まず何が良いって、岩波文庫というのが良いです。 本屋でも一際輝いています。 装丁が素晴らしすぎます。 青に、緑に、赤で、ジャンル分けされてて、見るだけで胸がキューンとします。 この本を買う時、岩波文庫棚の前にもう1人いました。 おじさんでしたが、そのおじさんにも胸が熱く...

まず何が良いって、岩波文庫というのが良いです。 本屋でも一際輝いています。 装丁が素晴らしすぎます。 青に、緑に、赤で、ジャンル分けされてて、見るだけで胸がキューンとします。 この本を買う時、岩波文庫棚の前にもう1人いました。 おじさんでしたが、そのおじさんにも胸が熱くなりました。 8月に入って、萩原朔太郎さんは急に僕の生活に入ってきました。 萩原朔太郎さん好きの方に会ったからなんですけど、 もっと早くに入って来ていてもおかしくなかったのもまた真なわけです。 なにせ、萩原朔太郎さんは前橋が生んだ大詩人だからです。 うちから車で20分くらいのとこで生まれ育った方なのですから。 でも、つい最近まで僕の生活に入ってこなかったのも、 8月に入って僕の生活に入って来たのも、 そういうもの、だったのでしょう。 そんなタイミングを大切にしたいと思います。 萩原朔太郎さんを題材にしたミュージカルを観にいきました。 caboというミュージカルユニットが演じた「朔〜saku」という作品。 それを観て一気にはまった!、、、、と言いたいところですが、 ミュージカルが始まる前に読ませてもらった『萩原朔太郎詩集』の序文の 余韻が僕をこの本に引き寄せた、と言った方が、より気持ちにしっくりきます。 その余韻は僕の中で漂い続けていたのですが、 すぐさま詩集に飛びついたわけではなく、泳がせておきました。 泳いでいるうちは、泳がせておくの方が良い、 というのが僕の経験則だったからです。 では、どういうタイミングで「よし、買おう!」となったかというと、 小説北方謙三『水滸伝』『楊令伝』『岳飛伝』です。 これらはたまらなく面白い小説なのですが、 随所にしびれるくらいかっこ良いセリフがでてきます。 例えば 「人は意味が湧き出ないところで生きるべきではない」 「心の中にある矜持。それが資格だ」 「きちんと生きたからですよ。別れる時涙が出てしまうともを持てたのは、あなたがきちんと生きたからですよ」 「できるわけがない。どうすればいいかわからない。できない、わからない。この二つが分かっていればいい」 「男としてきちんと生きれば、死は自ずからきちんとしたものになる」 などなど。 読んでいない方にとっては何のこっちゃという感じかもしれませんがw、 どうしようもなくかっこいいのです。涙するのです。 そして、これらのセリフが詩的に思えました。 説明的でない一つの文章が詩の一節のように思えたのです。 それで詩と僕が繋がりました。 すぐさま『萩原朔太郎詩集』を買いに行きました。 何だか惹き付けられた序文は、しっかり読み込みました。 詩は順番に読みつつも、開いた所を読む、という読み方もしています。 素敵な一節に溢れています。

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2012/12/22

文学関係の講義で、どの作者の作品でもいいので、一つの作品を紹介するレポートを作成しなければならなかった 読んだことがなかったのでいい機会だと思い、レポートにかこつけて読んだ 結構分厚くて、読み応えがあるのだけれど、自分に響いたのは、「さびしい人格」くらいだったので、これを紹介し...

文学関係の講義で、どの作者の作品でもいいので、一つの作品を紹介するレポートを作成しなければならなかった 読んだことがなかったのでいい機会だと思い、レポートにかこつけて読んだ 結構分厚くて、読み応えがあるのだけれど、自分に響いたのは、「さびしい人格」くらいだったので、これを紹介した 一つでも、これは自分のための作品だ、と思えるものに出あえたことは、とても貴重で嬉しいのだと心から感じた一編だった

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2014/05/08

やわらかな憂鬱にひそむ青ざめた影。 「贈物にそへて」「緑色の笛」など素敵な詩がいくつも見つかりました。 「愛憐詩篇」と「散文詩」抄は全部好きだ~。

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2013/01/12

「詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである」表紙に書かれたこの言葉が秀逸だったので購入。そうでない詩も多数収録されているけれども、孤独感が伝わってくる詩が多いです。 この詩集は弟子にあたる詩人の三好達治選ということで萩原朔太郎の各詩集からの抜粋となっています。 平...

「詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである」表紙に書かれたこの言葉が秀逸だったので購入。そうでない詩も多数収録されているけれども、孤独感が伝わってくる詩が多いです。 この詩集は弟子にあたる詩人の三好達治選ということで萩原朔太郎の各詩集からの抜粋となっています。 平易な文章で歯切れが良く、センスのある分かりやすい直喩が光る詩が多い印象です。 各所に挿入されている各詩集の序文などから、作者の詩に対する真剣な想い、人生に対する倒錯した感情を読み取る事が出来ます。

Posted byブクログ