柿の種 の商品レビュー
寺田寅彦の随筆に俳句がついたものである。昭和8年発行とあるが、関東大震災のことが盛んに出てくるので、書き溜めたものを集めたものかもしれない。東日本大震災と同様に心に残した傷が文章から感じられる。ただ、書きぶりは今学生が読むと完全なオタクであろう。その点では学生も同感するところがあ...
寺田寅彦の随筆に俳句がついたものである。昭和8年発行とあるが、関東大震災のことが盛んに出てくるので、書き溜めたものを集めたものかもしれない。東日本大震災と同様に心に残した傷が文章から感じられる。ただ、書きぶりは今学生が読むと完全なオタクであろう。その点では学生も同感するところがあるかもしれない。
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請求記号:テラダ 資料番号:010677813 寅彦は、なるべく心の忙しくないゆったりした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読んでもらいたいと言っています。
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随筆の名手、寺田寅彦が日々の生活で感じたことを書き留め、それをまとめた本。 昔の知識人に対して強い憧れを持っているのだけれど、この本は正に知識人の普段の物の見方が分かる貴重な本。ひとつひとつの着眼点にとても感銘を受けた。わびさびの世界についても少し分かるかもしれない。 友人曰...
随筆の名手、寺田寅彦が日々の生活で感じたことを書き留め、それをまとめた本。 昔の知識人に対して強い憧れを持っているのだけれど、この本は正に知識人の普段の物の見方が分かる貴重な本。ひとつひとつの着眼点にとても感銘を受けた。わびさびの世界についても少し分かるかもしれない。 友人曰く「寺田寅彦のTwitter」
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物理学者・兼・随筆家として知られる寺田寅彦の、大正末期~昭和初期にかけての随筆集。震災後再び注目を集めているとのことで読んでみた。ガラスのひびの観察の話などがあり、この時代に複雑系科学を先取りしていたことが伺える。小学校の教科書に震災のメカニズムや備えを盛り込むべきだという説には...
物理学者・兼・随筆家として知られる寺田寅彦の、大正末期~昭和初期にかけての随筆集。震災後再び注目を集めているとのことで読んでみた。ガラスのひびの観察の話などがあり、この時代に複雑系科学を先取りしていたことが伺える。小学校の教科書に震災のメカニズムや備えを盛り込むべきだという説には、ただただ納得。
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親父に薦められて、読んでよかったと思った2冊のうちの一冊。(もう一冊は『銀の匙』) 発想やものの見方が最高。知的に大興奮。ちょうさいこうです。
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のんびりまったり、お茶でも飲みながら読みたい一冊。 科学者の詩情、風流心、そして諧謔が楽しめる。 寺田寅彦を最初に読んだときは、「科学者なのに」こんなに文学的な作品が書けるのかと感心したものだけれど、考えてみれば科学と文学って別に対立するものでもないな。この人の場合、むしろ「科...
のんびりまったり、お茶でも飲みながら読みたい一冊。 科学者の詩情、風流心、そして諧謔が楽しめる。 寺田寅彦を最初に読んだときは、「科学者なのに」こんなに文学的な作品が書けるのかと感心したものだけれど、考えてみれば科学と文学って別に対立するものでもないな。この人の場合、むしろ「科学者だからこそ」の視点がよりいっそう文章に趣きを加えているように感じられる。
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いうなれば明治のTwitter ガラスの割れ方や墨の吹流しなど身近な物も日常に限りなく浸透したものを研究してきた、当時としては異端の研究者である寺田寅彦の見たこと聞いたこと思いついたこと、よしなし事を短く綴った小品達。 漱石の弟子にして物理学者の彼の発想や思想はとても面白いです...
いうなれば明治のTwitter ガラスの割れ方や墨の吹流しなど身近な物も日常に限りなく浸透したものを研究してきた、当時としては異端の研究者である寺田寅彦の見たこと聞いたこと思いついたこと、よしなし事を短く綴った小品達。 漱石の弟子にして物理学者の彼の発想や思想はとても面白いです。猫の尻尾に思いを馳せ、鳥のガラス教育の必要性を考える。 彼の見た世界を垣間見ることは非常に面白い。毎日一品ずつ、ゆっくりと噛み締めるように味わうべき作品です。
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同じ漱石門下の内田百閒に較べて物理学者だけあって文章はすっきりしているが、真面目さが勝っていて面白みに少し欠けていると感じた。
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著者から読者への願いは「なるべく心の忙しくない、ゆったりとした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読んでもらいたい」という事。ゆったりとした時間ではなかったかもしれないけれど、電車に乗るたび、一節ずつ味わわせてもらった。 それにしても、それぞれの短い文章の中に、何と多くの示唆や想い...
著者から読者への願いは「なるべく心の忙しくない、ゆったりとした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読んでもらいたい」という事。ゆったりとした時間ではなかったかもしれないけれど、電車に乗るたび、一節ずつ味わわせてもらった。 それにしても、それぞれの短い文章の中に、何と多くの示唆や想いが込められていることだろう。その世界の広さ深さはもちろんのこと、ユーモアのセンスも素晴らしい。 日常のありふれた営みや当たり前の自然の事象の中に大切なものがある。目にみえるもの見えぬもの、そのたびに立ち止まってじっくりと本質を考えてみようとする。物事の深いところまで思考する精神は、自分自身への修正や反省も忘れない。 寺田寅彦という人は、自然を、日本を、人間を、そして専門とした物理学を、こんなにも愛していた人だったのだ。
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なんとも不思議な魅力のあるエッセイ。 読んでいて、あるある!と思ってしまうこともいくつかあって、面白い。 味のある本です。
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