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晩鐘(上) の商品レビュー

4.4

16件のお客様レビュー

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2009/10/07

犯罪被害者の遺族と加害者の周囲の人々に焦点を当てた作品。 高校教師に母親を殺された真裕子、その高校教師の息子に当たる大輔を中心に物語は展開する。 大輔が最初から最後まで小学生だっていうことに違和感がありすぎるけど、大人にならざるを得ない境遇が彼をこういうふうにしてしまったというこ...

犯罪被害者の遺族と加害者の周囲の人々に焦点を当てた作品。 高校教師に母親を殺された真裕子、その高校教師の息子に当たる大輔を中心に物語は展開する。 大輔が最初から最後まで小学生だっていうことに違和感がありすぎるけど、大人にならざるを得ない境遇が彼をこういうふうにしてしまったということが哀しい。下巻に続く。

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2009/10/04

前作を知らずに読み始めた。 一人旅で大作をがっつり読もうと思って… ある殺人事件から7年後、 被害者の娘と、加害者の妻、子供たちの物語。 やりきれない結末。 でも下手なハッピーエンドより余程現実味があった。 乃南アサさんの書き方が上手すぎる…。 この7年後の物語…書いてくれ...

前作を知らずに読み始めた。 一人旅で大作をがっつり読もうと思って… ある殺人事件から7年後、 被害者の娘と、加害者の妻、子供たちの物語。 やりきれない結末。 でも下手なハッピーエンドより余程現実味があった。 乃南アサさんの書き方が上手すぎる…。 この7年後の物語…書いてくれないかなぁ。

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2009/10/04

よかった。ひとつの殺人事件がこれほどまでに影響を及ぼすんだと分かった。イライラして何をしでかすか分からないとき、この本に書いてあった事を思い出したら思いとどめれる気がした。文章も言う事はないけど、読者に深く訴えかけるものがあってとてもよいと思った。

Posted byブクログ

2009/10/04

風紋から7年。その後の続編です。未だ真裕子の傷は癒えておらず、父、姉を憎むことでなんとか精神を保っていた。そして同時に、小学5年生になった加害者の息子大輔。上巻では嫌悪する思いしか湧かなかったが・・・

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2009/10/04

各巻600ページ超、あわせて1kgにもなる長編。 殺人事件が起きると、被害者の家族、加害者の家族の生活は一変する。彼らには何の非もないのに世間の目にさらし者にされ、それから目をそらしてしまう卑怯な生き方か、まっすぐに見つめると辛酸な人生が待っている。 7年前、高校生の時にその高校...

各巻600ページ超、あわせて1kgにもなる長編。 殺人事件が起きると、被害者の家族、加害者の家族の生活は一変する。彼らには何の非もないのに世間の目にさらし者にされ、それから目をそらしてしまう卑怯な生き方か、まっすぐに見つめると辛酸な人生が待っている。 7年前、高校生の時にその高校の教師に母を殺された真裕子は母の死をひきずり、これ以上傷つことを恐れ、何も期待しないという生活をしていた。

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2009/10/07

風紋の7年後である。  かけがえのない人をもぎ取られた心の傷は癒えるのか。  殺人事件が引き起こす悲劇の連鎖。                           帯より ぜひ 『風紋』をまず先に読んで欲しい。『風紋』なくしては『晩鐘』はありえないのだから。 ...

風紋の7年後である。  かけがえのない人をもぎ取られた心の傷は癒えるのか。  殺人事件が引き起こす悲劇の連鎖。                           帯より ぜひ 『風紋』をまず先に読んで欲しい。『風紋』なくしては『晩鐘』はありえないのだから。 7年経とうが 何年経とうが 失ったものは帰らない。命はもちろん 信頼・安心・団欒 その他のいろいろ。ひとつの犯行は明らかに目に見える あるいは目に見えないほど小さな波紋を起こしいつまでもどこまでも連鎖する。事件を知っている人にだけではなく まったく知らなかった幼い者たちにまで その忌まわしい連鎖は忍び寄り 羽交い絞めにするのである。むごい、理不尽だ、と憤ろうがどうしようが。 心の中にざらざらと小砂利が入り込みずんと重くなるような小説である。それでも ときには真裕子になり またときには建部になり、そして大輔になりして読み進んだ。上下巻併せて1200ページを越える作品は 私を放すことはなかった。 救いのない辛すぎる物語であるが、ただひとつの救いは 真裕子が建部によって救われかけている ということだろう。だがしかし、この物語には建部がいるが 実際に毎日のように起こっている事件の現場には 建部はいないのだ。 加害者以外はすべて被害者だという作者の言葉がいまさらながら 胸に重い。

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