1,800円以上の注文で送料無料

天に遊ぶ の商品レビュー

3.7

16件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

硬筆で静謐な筆致が病…

硬筆で静謐な筆致が病みつきになる短編集です。現代小説。

文庫OFF

2023/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

平瀬は犬が好き嫌い言う問題ではなく、綾子がその犬とあたかも一体化したように生活していることに、深い戸惑いを覚えている 無言で自分を見下している警察官の眼の光に、私は不審者として疑われているのを感じた 私は、気持ちの赴くままに10枚を限度にした短編を書き続け、十枚以下のものも書いた ここに収録された二十一篇には、男女の不可思議な邂逅、夫婦や家族の絆、友人とのつながり、などなど、様々な人間関係が開かれていて、それを通して人生の断面を垣間見ることができる

Posted byブクログ

2022/07/30

鰭紙 同居 頭蓋骨 香奠袋 お妾さん 梅毒 西瓜 読経 サーベル 居間にて 刑事部屋 自殺ー獣医、心中―獣医 鯉のぼり 芸術家 カフェー 鶴 紅葉 偽刑事 観覧車 聖歌

Posted byブクログ

2021/03/04

21編の小さな小さな短編集。 『はて、それから⁇』と戸惑う物語も多い中、一つ一つに共感できる人間臭さ。日本人らしさ。 そして人生は『はて、あれからどうなったのだろう』と思う出来事がいつの間にか流れ続けているものなのかもしれないと感じた。

Posted byブクログ

2021/01/08

新潮社編集部の依頼を受けて、著者【吉村 昭】が原稿用紙10枚以内で書き溜めた21編の超短編集です。作品の登場人物は著者自身か、その分身と窺えるものが多く、取材先での体験から得た、人間の細やかな心理描写を鋭く突く生々しさがあります。病魔に倒れる前の著者が、高揚した気分を愉しみながら...

新潮社編集部の依頼を受けて、著者【吉村 昭】が原稿用紙10枚以内で書き溜めた21編の超短編集です。作品の登場人物は著者自身か、その分身と窺えるものが多く、取材先での体験から得た、人間の細やかな心理描写を鋭く突く生々しさがあります。病魔に倒れる前の著者が、高揚した気分を愉しみながら書き綴ったという、人間ドラマのある局面を切り取って描いた読み応えある作品集です。

Posted byブクログ

2020/09/07

・9/5 読了.この人の短編集は初めて読んだけどエピソードの終わらせ方やまとめ方が簡潔で歯切れがいい.でも怖い話かもって思って読んでて身構えちゃうのは過去に読んだ作品の印象のせいかも.

Posted byブクログ

2019/03/05

一編がわずか8ページほど。10分で読める短いお話ばかり。どれもたいへん興味深く、強く胸に迫り、何とも言えない、しみじみとした気持ちが残る。 明治時代の大津事件の犯人の子孫を取材したときの、こぼれ話。とても興味深く読み、さいごは涙がこぼれた。 作家の葬式にあらわれる香典泥棒ばあ...

一編がわずか8ページほど。10分で読める短いお話ばかり。どれもたいへん興味深く、強く胸に迫り、何とも言えない、しみじみとした気持ちが残る。 明治時代の大津事件の犯人の子孫を取材したときの、こぼれ話。とても興味深く読み、さいごは涙がこぼれた。 作家の葬式にあらわれる香典泥棒ばあさんの話。ちょっとホッとする。 著者の遠い親戚を襲った過去の悲劇。哀れでしみじみ。 下町の近所のひとびとの思い出。 犬と人間の絆。生命の重さ。 妻子を捨てて年上の女に走った、作家志望の男の末路。 などなど、多種多様な人びとの、生々しい人生模様にお腹いっぱい、胸もいっぱいになった。 フィクションの体裁だけれど、実際にあったことをもとにしているのは著者の長編と同じと思われます。短かくても切れ味バツグン、胸を殴られるよう。短いからこそ、書かれてないことを想像してしまい、余韻が深まるのかも。 吉村昭は、短編も、凄い。

Posted byブクログ

2018/09/18

原稿用紙10枚(4000字?)以内の珠玉の短編集。 ここまで短いのに、物語が成立していて、うならされたりちょっとほろ苦かったり。 名人芸ですね。

Posted byブクログ

2016/01/11

初めて読む吉村昭の短編集。しかも通常より短い。なんでも10日ほど考えてたら浮かんでくるらしい。小説家も作曲家みたいなものか。どの作品も結末がうまい。2016.1.11

Posted byブクログ

2013/06/03

とても安心して読める文章です。安定感があります。好きです。超短編ですが、ほんの小さなエピソードをこんな風に描けるのはすごいなあ…。

Posted byブクログ