ワン・テイスト(上) の商品レビュー
若い頃に一読してると思うのだけれど,ほぼ印象に残ってなかった。ウィルバーの思想の形成過程を本人がコンパクトに解説するという側面と,粗大領域の中で観照者であることの個人的な記録というおそらく『グレース&グリッド』(未読)以外にはない要素が相まって,ウィルバー理解にとってとても有用...
若い頃に一読してると思うのだけれど,ほぼ印象に残ってなかった。ウィルバーの思想の形成過程を本人がコンパクトに解説するという側面と,粗大領域の中で観照者であることの個人的な記録というおそらく『グレース&グリッド』(未読)以外にはない要素が相まって,ウィルバー理解にとってとても有用な著作だった。 この頃(1997年)から既に,現在まで続くビジネスを含む社会への関心と,継続的なプラクティスの重要性が説かれていることに改めて気付いた。学生だった当時はその辺にとんと興味がなく,ウィルバーの「世俗化」についていけないと感じたものだが,25年経ってようやく,という感じ。天才は常に先を行っている。
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ウィルバーの日記という形の本だが、彼自身によるウィルバーの世界への良き入門書だ。彼の基本的な思想が、日常の活動や瞑想実践への言及のなかに散りばめられ努力なしに興味をもって読める。日記を読み進むうちに彼の統合的アプローチの意味を再確認するだろう。 ウィルバーの他書にない、この本の...
ウィルバーの日記という形の本だが、彼自身によるウィルバーの世界への良き入門書だ。彼の基本的な思想が、日常の活動や瞑想実践への言及のなかに散りばめられ努力なしに興味をもって読める。日記を読み進むうちに彼の統合的アプローチの意味を再確認するだろう。 ウィルバーの他書にない、この本の魅力の一つは、彼自身の瞑想体験が、かなり詳細に語られていることだ。さらに興味深い点の一つは、アメリカの精神状況へのラディカルな批判が随所に見られること。全体として、ウィルバーを取り巻く交友関係や内面世界に触れつつ、しかも彼の統合的ヴィジョンがコンパクトに語られており、興味尽きない。彼が私たちにもたらした成果の意味の重大さを再認識させてくれる。
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