紙葉の家 の商品レビュー
まずその分厚さに慄く 贅沢な戯れというか…縦横無尽に行き交う言葉たち… 視覚から文字が泳いでいくみたいな… ある意味、内容よりもこの演出の妙を感じるのが本好きにはたまらないかも
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ある孤独な老人の死後、発見された大量の文書に書かれていた奇妙な家の記録。それを読み解きながらだんだん狂っていくひとりの男。海外のホラー小説好きの人たちがこの小説を薦めていたので図書館で借りてみたが、カウンターにこの本が出てきた瞬間これはヤバイと直感した。中を開いたら、もっとヤバか...
ある孤独な老人の死後、発見された大量の文書に書かれていた奇妙な家の記録。それを読み解きながらだんだん狂っていくひとりの男。海外のホラー小説好きの人たちがこの小説を薦めていたので図書館で借りてみたが、カウンターにこの本が出てきた瞬間これはヤバイと直感した。中を開いたら、もっとヤバかった。複雑なメタ構造の作品であり、POVものの活字版みたいな小説でもある。さらにおびただしい量の注釈と、とんでもないレイアウトの連続で真夜中に読んでいたら自分も狂いそうになった。これを翻訳して出版した人たちのこだわりと執念まで伝わってきた。没入すると危険です!
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分厚さにげんなりするかと思いきや、読み始めたらするすると読み終わってしまった。ネイヴィッドソンが購入した郊外の居心地の良い(はずだった)家に纏わる考察と、その紙葉を見つけ出してしまったジョニーの話。『ネイヴィッドソン記録』の粗筋を追うだけでも読み応えあり。巻末に「索引」がついてい...
分厚さにげんなりするかと思いきや、読み始めたらするすると読み終わってしまった。ネイヴィッドソンが購入した郊外の居心地の良い(はずだった)家に纏わる考察と、その紙葉を見つけ出してしまったジョニーの話。『ネイヴィッドソン記録』の粗筋を追うだけでも読み応えあり。巻末に「索引」がついているのが非小説めいているが、その中に本文中には一切出てこない単語がクレジットされているのはいかにも小説めいている。
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装丁はすっきりだが、中を開くと読み難いくらいに文字が縦横無尽に詰まっている。 ある不思議な家に引っ越したカメラマンが映した画像について書かれたある老人の評論を、ある青年が見つけて読む、という3重の入れ子構造に加え、注釈として薬物中毒の青年の幻覚だか現実だか解らない話が注釈に書かれ...
装丁はすっきりだが、中を開くと読み難いくらいに文字が縦横無尽に詰まっている。 ある不思議な家に引っ越したカメラマンが映した画像について書かれたある老人の評論を、ある青年が見つけて読む、という3重の入れ子構造に加え、注釈として薬物中毒の青年の幻覚だか現実だか解らない話が注釈に書かれていて、とにかく読んでいて混乱しそうになる。 POVのホラー映画が好きな人はこの小説も好きだと思う。 ただし、とにかく超長編なので読むのに時間がかかる。 個人的には一気読み推奨なので、2、3日ほど読書に没頭できる時に読むのをお勧めします。
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奇書。かの有名な「ネイヴィッドソン記録」の話。知らない人は先に調べておいてもいいのかも。 初めの100ページくらいまでよくわからなかったけれども、段々と加速していくホラー感が良かった。 この値段はどうなの、と思ったけど訳の大変さを考えると仕方ないな……と。 本当に自信のある人は買...
奇書。かの有名な「ネイヴィッドソン記録」の話。知らない人は先に調べておいてもいいのかも。 初めの100ページくらいまでよくわからなかったけれども、段々と加速していくホラー感が良かった。 この値段はどうなの、と思ったけど訳の大変さを考えると仕方ないな……と。 本当に自信のある人は買って、興味本位の人はまずは図書館で借りることをお勧めします。そもそも流通数が少ないし。
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こんなに本が怖いと思ったことはない。部屋の片隅に存在しているということだけで背筋に冷たいものが走る。 ページの空白が怖くてめくれない。 自ら行間にミッチリ言葉を押し込め、字が揺れないようにしながら前に進む。 暗闇を僅かなヘッドライトの灯りを頼りに。 なんのために執拗に註釈があるの...
こんなに本が怖いと思ったことはない。部屋の片隅に存在しているということだけで背筋に冷たいものが走る。 ページの空白が怖くてめくれない。 自ら行間にミッチリ言葉を押し込め、字が揺れないようにしながら前に進む。 暗闇を僅かなヘッドライトの灯りを頼りに。 なんのために執拗に註釈があるのか、何かの手がかりかもとのめり込むよいに食い入る。 だけど、読み終えてしまうとふつっと感情が落ち着く。まるで暗闇の探検からリビングに這い出したように。 数日のち、目があの本を探す。結局、暗闇の探検へと降りて行ってしまう。更に下へと。
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怖いよ~。 パラノイア的。ペダンティック。メタホラー・・・一言じゃあとても言い表せない。まさに「奇書」・・・なんだけど、やっぱり中心にあるのはホラーだよ。読んでいて、揺さぶられる感情は「怖さ」なんだよね。得体のしれないものに触れてしまった時の。抜け出せない迷宮に入りこんでしまっ...
怖いよ~。 パラノイア的。ペダンティック。メタホラー・・・一言じゃあとても言い表せない。まさに「奇書」・・・なんだけど、やっぱり中心にあるのはホラーだよ。読んでいて、揺さぶられる感情は「怖さ」なんだよね。得体のしれないものに触れてしまった時の。抜け出せない迷宮に入りこんでしまったような読書体験そのものが、怖いです。現実と虚構の境目をどこに置いたらいいのか、眩惑させられてしまう。ブルブル。怖いよー。 読んでいて思い出したのが、 引き合いによく出されるけど、低予算B級ホラー映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」、コンラッドの「闇の奥」、ミヒャエル・エンデ「鏡の中の鏡-迷宮」・・・かな。
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奇書というから、読みにくいことだけがウリかと思っていたが意外に内容があって驚いた。 訳のせいか頭に入りにくいと感じたけれど、 やたら長い注釈がページのど真中を貫き、鏡文字になったり、空白や塗潰し、音符を読み、本を左右上下斜めに回しながら読むようになればもう何も気にならない。 鏡を...
奇書というから、読みにくいことだけがウリかと思っていたが意外に内容があって驚いた。 訳のせいか頭に入りにくいと感じたけれど、 やたら長い注釈がページのど真中を貫き、鏡文字になったり、空白や塗潰し、音符を読み、本を左右上下斜めに回しながら読むようになればもう何も気にならない。 鏡を持ちながら読む楽しさで☆☆☆
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感想・・・これは難しいなぁ。まず、読んでいるとわかるが、『家』の文字だけが青くその異常さを際立たせている。中には、文字が斜めになっているページもあれば、文字が重なっているもの、1ページにビッシリ書かれているのもあればスカスカのページもある・・・とにかく異色な本でした。ストーリーは...
感想・・・これは難しいなぁ。まず、読んでいるとわかるが、『家』の文字だけが青くその異常さを際立たせている。中には、文字が斜めになっているページもあれば、文字が重なっているもの、1ページにビッシリ書かれているのもあればスカスカのページもある・・・とにかく異色な本でした。ストーリーはホラーで『家』が舞台。レイアウトが面白いので、読んでいて楽しめると思います。
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次第に拡大していく内側は何の暗喩なんでしょう。果てしなく広がる暗闇に怪物が生まれたのか、それとも怪物の存在が際限なく増殖する暗闇を生んだのか。内側の物語と外側の物語が平行して語られ、やがてメビウスの輪のように繋がり、いつまでも循環し続け、終わりは訪れない。
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