世界は密室でできている。 の商品レビュー
今まで読んだことない…
今まで読んだことないタイプの小説でした。勢いあって、一気に読めました。
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舞城王太郎が描く青春…
舞城王太郎が描く青春小説。舞城作品にしてはややライトな印象があるが、面白さはいささかも衰えていない。
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テンポの良い小説。最…
テンポの良い小説。最初から最後まで一気に読んでしまった。殺人事件がとても軽いノリで書かれている。ルンババによるトリック解説のところでは「そんなあほな」と思ったりもした。その一方で最後のシーンでは、切なくもあり、さわやかでもあった。全体的に妙な作家さんだなと思った。
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青春エンタ。この本の…
青春エンタ。この本の構成の主成分はそれだ。ミステリの要素はあるが、あくまでおまけ的。それよりも、登場人物たちの世界が重要である。友情、恋愛、学業などなど。青春時代に悩みはつきもの。しかし、主人公たちはその有り余るエネルギーを持って悩みを打破していくのだ。燻っている諸君。一読あれ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
えー、何。めっちゃいい! 最近舞城ばかり読んでいる。 全然飽きない。 なんかもう、心があたたかくなる。 誰かのために勇気をふりしぼって戦うのが大好きで、自分もそうしたかったから書くし、って違国日記で槙生が言うシーンが大好きなのですがもうその気持ち。 タイトル通り密室だらけ。 涼ちゃんが閉じ込められた部屋。 エドワード・ホッパーの事件。 谷口家。 井上家。 榎が泣いたホテル。 椿の警察車両。 4つの部屋と1つの隙間。 もう一度ルンババの家。 エキセントリックな女の子を常識のある男の子が助ける、という構図が大好きすぎる。 でもラノベではないのよね。 ラノベが何か知らんけど。全然読まないから。 女の子を記号化し、決して記号の役割から逸脱した行動をとらせない、のがラノベというか舞城以外の小説なのかな? トラウマがあるのなら必ず持ち続けなくてはいけないし、解消されるのならそれなりの理由が必要、というか。 そんな人間いないのにね。 もっとふらふらふわふわしてて、いろんな側面が予想外のタイミングで現れる。 だから舞城の書く話は大好き。信頼できる。 胸くそ悪い事件と展開の間に滲む、人の優しさ。 もうものすごく夢中なのに、売ってない! 重版してほしい。せめて図書館に置いてください。全部揃えて。 イラストも自分で描いているのすごい。 三郎のロウの字が朗らかの三朗。 たいていのミステリはグロくないけど、 舞城のミステリはグロくて気持ち悪くて臭くて見てられなくて、死が重い。 命が軽く扱われているようで、そうでない。 これは三郎が書いたとわかって読むから、前2作と対比しながら読むといいのかな。 近い時期にまとめて読んだので、前作と前々作の三郎の経験や妄想のどこから影響されてるか見つけられて変な感じ。 たとえば家族を失ったさみしさを、 守れなかった後悔を、 こんなふうに解消したかった。 ゆるしたかった。乗り越えたかった。 という三郎の希望なんだとしたら、最後のとこは綺麗なんじゃなくてやっぱ悲しいかも。 この本だけで読んだら良い終わり方だったけど、 前作を思い出したら悲しくなるという。 変な読書体験。 わたしの視点はどこにあるんだろう、っていう。 斬新すぎる入れ子構造。
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簡単にどんどん人が死んでいく謎解きも本当?そんなのでいいの?と思ってるうちにどんどん突き進んでいく.舞城王太郎の真骨頂.
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最初は、中坊のくだらない会話メイン? つまんないかもと思っていたけど。 読み終わってみると結構シリアス。 みんな、何かしら拘束されるか、無意識に自分自身を閉じ込めて、密室で生きているんだよってことなのかな。 助けてくれる人さえいれば、世界も密室ではなくなる。
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何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。 最初の一文からセンスいいと思う。 今まで読んだ舞城王太郎作品で一番読みやすい。 内容的にも爽やかで、舞城作品デビューにおすすめかも。
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どうでもいいよとばかりに解決されていく密室トリック。それでもルンババは密室に没頭していて、友紀夫は全然興味ないようで。結局、友紀夫は密室を解くのが怖かったのかもしれない。ルンババも、密室を解いているようで、それは密室を作るためだったのかもしれない。榎は姉が死んでから人が変わったよ...
どうでもいいよとばかりに解決されていく密室トリック。それでもルンババは密室に没頭していて、友紀夫は全然興味ないようで。結局、友紀夫は密室を解くのが怖かったのかもしれない。ルンババも、密室を解いているようで、それは密室を作るためだったのかもしれない。榎は姉が死んでから人が変わったようにまともになってしまった。でも、榎は最初から姉のまともな部分を一手に引き受けていたのだから、まともになったくらいで魅力を失ったりしない。椿は最終的に自分の望んでいたものが再生だったと気づいたから、光緒との別れを選択した。そんなのは悲しすぎる。不倫相手から嬲り殺されるだけでは足りず、恋人からの復讐にさえも耐え忍ばなければならなかったのだから。再生したのは三郎なのだろうか。それとも榎なのだろうか。家族愛は家族なしで成り立つものなんだって、そう主張せざるをえないのではないか。
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この器用な文体! 人をからかっているように思えるほど軽く、やや突飛で、最初から最後まで絶妙なバランスで続けられるその文体。 ちょっとくらいなら、やれなくはないんだろうけど、ストーリーや展開として魅力を持たせながら、他のキャラクターを引き立たせながら、状況を伝えながら……と、実に...
この器用な文体! 人をからかっているように思えるほど軽く、やや突飛で、最初から最後まで絶妙なバランスで続けられるその文体。 ちょっとくらいなら、やれなくはないんだろうけど、ストーリーや展開として魅力を持たせながら、他のキャラクターを引き立たせながら、状況を伝えながら……と、実にコントロールされている。 なんかこう……冷凍マグロを武器にして戦場に立っているみたいな文体だと思った。 一発くらいやれなくはないんだろうけど、みたいな。 初舞城王太郎でした。
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