世界は密室でできている。 の商品レビュー
この頃まではメフィスト賞は順に読んでいて、「煙か土か食い物」を読んだ興奮は久しぶりのものだった。キターッとか思ったもんね。三島賞かなにかの選考で賛否両論というか激しく非難されていたけれど、こんな猥雑で美しい世界もないのになぁ。グロテスクって美術様式の言葉だよ。現在発行時に読む数少...
この頃まではメフィスト賞は順に読んでいて、「煙か土か食い物」を読んだ興奮は久しぶりのものだった。キターッとか思ったもんね。三島賞かなにかの選考で賛否両論というか激しく非難されていたけれど、こんな猥雑で美しい世界もないのになぁ。グロテスクって美術様式の言葉だよ。現在発行時に読む数少ない現役作家さんですが、乙女選択的にこれ。女子はこれ絶対好きだと思う。「愛だろ、愛」のこの的確なツキ具合が、他の饒舌な俺小説と違う。
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○2008/03/07 人がかなり死んでる割にはずいぶん軽かった。初舞城。このテンポ、以外と中毒性があるかもしれない。自分の中で好きか嫌いかはまだはっきりしないんだけれども。 「見つけた!」「何を!」「理想の結婚相手!な訳ねえやろ!」爆笑。 タイトルの割にトリック云々よりも人に...
○2008/03/07 人がかなり死んでる割にはずいぶん軽かった。初舞城。このテンポ、以外と中毒性があるかもしれない。自分の中で好きか嫌いかはまだはっきりしないんだけれども。 「見つけた!」「何を!」「理想の結婚相手!な訳ねえやろ!」爆笑。 タイトルの割にトリック云々よりも人に重点を置いてる。密室がキーではあるんだろうけど。 でも、ルンババはじめ登場人物があんまり現実っぽくなかったのでフィクションの域から出なかった。トリックものってどれもそういう感じ。
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わけなく爽快でわけがわからん程えぐく、わけも知れない魅力があって、わけなどどうでもよく面白い舞城作品のうち、マニアックさと大衆性との折り合いが一番上手くいった作品ではないかと。まぁ上手くいってこれなんだけど。何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向か...
わけなく爽快でわけがわからん程えぐく、わけも知れない魅力があって、わけなどどうでもよく面白い舞城作品のうち、マニアックさと大衆性との折り合いが一番上手くいった作品ではないかと。まぁ上手くいってこれなんだけど。何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった―― 冒頭からこれ。でも、いくら暴力にあふれていようと下品で粗暴でチープだとしても、舞城が書いているのはいつも愛のはなしだ。
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由紀夫とその親友である名探偵ルンババが追う事件とは。「密室の謎なんて、密室の中に閉じ込めときゃいいんだって」 舞城作品中では実はいちばん好き。ルンババも由紀夫も好きだ。しかし、他の作品とのリンクが読めん・・・。
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再読。初めて読んだ舞城王太郎作品。いろいろビックリして楽しかった。やっぱりおもしろい。そしてちょっと悲しい。挿絵もすごく好き。 2007.8.10 再読 2015.2.23
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<「何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。」―煙になれなかった「涼ちゃん」が死んで二年。十五歳になった「僕」と十四歳の名探偵「ルンババ」が行く東京への修学旅行は僕たちの“世界と密室”をめぐる冒険の始...
<「何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。」―煙になれなかった「涼ちゃん」が死んで二年。十五歳になった「僕」と十四歳の名探偵「ルンババ」が行く東京への修学旅行は僕たちの“世界と密室”をめぐる冒険の始まりだった!『煙か土か食い物』の舞城王太郎が講談社ノベルス二十周年に捧げる極上の新青春エンタ。もう誰も王太郎を止められない。> 王太郎が書き伝え続けるのは愛だ。THE愛。久しぶりに衝撃のある作品だった。切なくて笑えて心温まるほんとにいとおしい。舞城作品の中ではダントツに読みやすいので、入門に最適。
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頭脳明晰でもなく容姿に優れているでもなく、ただ笑いを日常に散りばめたい主人公の必死さが可愛らしい。登場人物たちはみんなわが道を行くような人たちで、そんな彼らの言葉のかけあいが楽しめる。必要なところだけ選んでいるような内容は、読み手を疲れさせない。
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『好き好き大好き…』が今まで一番って思ってたけどこっち!ミステリーかと思いきや青春もの。他の作品よりストレートに訴え、表現されてラストも泣いたけどどこかさっぱりとしてる。ますます舞城さんすきに。
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「何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。」―煙になれなかった「涼ちゃん」が死んで二年。十五歳になった「僕」と十四歳の名探偵「ルンババ」が行く東京への修学旅行は僕たちの“世界と密室”をめぐる冒険の始ま...
「何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそう言うのでどうやら僕は煙であるようだった。」―煙になれなかった「涼ちゃん」が死んで二年。十五歳になった「僕」と十四歳の名探偵「ルンババ」が行く東京への修学旅行は僕たちの“世界と密室”をめぐる冒険の始まりだった
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筆者はとにかく頭が良すぎる。この人のどの本を読んでもそう思う。ノンストップで吹っ飛ぶような軽い文体だけど、底に流れる考えはしっかりしてて、結構ロマンチック。簡単に人が死んでピンチも愛もそこらへんに転がってる。いい意味で枠外。
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