大衆の反逆 の商品レビュー
私の最も好きな思想家…
私の最も好きな思想家の一人です。現代社会では大衆批判はタブーとなっていますが、その大衆の危険性を徹底的に追究した作品です。特に興味深いのは、専門家ら(自称)知識人をも「大衆」とみなす視点です。現代は高度大衆時代と言われておりますが、その危険性を見事に予言した作品と言えます。現代だ...
私の最も好きな思想家の一人です。現代社会では大衆批判はタブーとなっていますが、その大衆の危険性を徹底的に追究した作品です。特に興味深いのは、専門家ら(自称)知識人をも「大衆」とみなす視点です。現代は高度大衆時代と言われておりますが、その危険性を見事に予言した作品と言えます。現代だけでなく、おそらく将来にわたっても「廃れない」古典中の古典と言えると私は断言します。
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名著。書かれた時代ゆ…
名著。書かれた時代ゆえの限界もありますが、今でも使えます。
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■■レジェメ■■ 1)一言でこの本を言うなら? 2)本書のキーワード 『生』『大衆的な人』『貴族的な人』 3)要約 1)時代と生き方の変化 2)大衆的な人ばかりになって大変 3)科学者は始末が悪い 4)感想 – 1)表面的 2)自分の中で反応した知識 3)自分に落...
■■レジェメ■■ 1)一言でこの本を言うなら? 2)本書のキーワード 『生』『大衆的な人』『貴族的な人』 3)要約 1)時代と生き方の変化 2)大衆的な人ばかりになって大変 3)科学者は始末が悪い 4)感想 – 1)表面的 2)自分の中で反応した知識 3)自分に落とし込んで見る 4)アクションプランにつながるかんがえ ■一言で表すなら? 曇った生き方をする『大衆的な人』が、社会大半をしめ主人公となった と分析した本。 ■本書キーワード ○3つある。『生』『大衆的な人』『貴族的な人』である これらを理解することが大事だと思って、どんな意味で使われているのかをまとめてみた。 1)貴族的な人|自分自身と闘いながら、自己を律して能動的に動く人。自己を高めたり貫くことに人生を賭ける人。 『生』を感じている人。少数派になった。(私の主観では)岡本太郎的。 2)大衆的な人|みんなと同じが良くて、自分が生まれる前からあったことは当たり前の自然で、 他人に権利を要求する。一方自分に要求することはなく、当たり前だから有り難みを分からず施しを享受する 慢心した坊っちゃんであり、自分が享受するメリットにしか興味がない人のこと。 多数派であり現代日本人的でもある。『生』を感じていない人々。(私の主観では)ニーチェのいう末人的でもある。 3)生|今ここではないどこかに到達したいと願う、心からの感情。行動的の源泉であり、自分を突き動かすもの。 ■要約 ○ピックアップする主張は3点ある。1)時代と生き方の変化 2)大半が大衆的な人になって大変 3)科学者始末が悪い である。 1)時代と生き方の変化 ●20世紀前半から現代まで続いている、科学技術の発達で、事実を見れば満ち足りた黄金時代を過ごしている。 ●それに基づいた我々の時代は、すべての過去の時代よりも豊かであるという、うぬぼれでがありますと。過去全体を無視し、古典的、規範的な時代を認めず、自分が、すべての過去の時代よりも優れている新しい生であるとも主張している。 2)大衆的な人ばかりになって大変 ●いい時代の一方で、どこか自分を突き動かすような欲求、実感が無く、漫然と過ごしている大衆的な人が多なりましたと。 ●特に強い想いのない大衆的な人が、社会の舵取りをする世の中になってしまったから、さあ大変。 ○これまではたくさんの暴君もいたけれど、哲学思想を持った李世民のような、貴族的な考えの人が世の中を動かしていたと状況が変わった。 大変だ。と嘆いている。 3)科学者は始末が悪い ●極度に細分化と専門特化した科学技術の現代では、一番権力を持っているのは、実は科学者だといっている。 ●科学者は人の言うことを最も聞かないし、少し専門を外れたことは何も知らないくせに知ってるふうな顔をするという始末の悪い人間と述べている。
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メモ→ https://twitter.com/nobushiromasaki/status/1616173827498872832?s=46&t=5curN9nOVM8M_agdxq2j4A
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オルテガの名は聞き及びながら今まで読んでこなかった一冊。安倍、トランプのありようをみているとまさに「文明の一切の原理に興味がない」ものが社会の主導権を握っているというオルテガの主張が今を行われているかのように感じる。そしてヨーロッパ大陸の諸国民を一丸として一大国家を建設する」とい...
オルテガの名は聞き及びながら今まで読んでこなかった一冊。安倍、トランプのありようをみているとまさに「文明の一切の原理に興味がない」ものが社会の主導権を握っているというオルテガの主張が今を行われているかのように感じる。そしてヨーロッパ大陸の諸国民を一丸として一大国家を建設する」という現在のEUの姿とその矛盾が思い起こされる。オルテガは1930年にこれを書き、その後にヒットラーがドイツを興隆させ再び戦争を引き起こすわずか1年前だったことが、これから私と子供達が住む世界の未来を暗示させている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
NHKの100分で名著という番組で紹介されていたので手に取った。 ノブレス・オブリージュ。高貴であることには義務が伴う。現代においては過去に比べたらまるで貴族のような生活をしているのかもしれないが、使命感が欠落しているとの指摘による警告。王政において存在した支配者層と被支配者層の構造が崩壊したことによって、野放しになったかつての隷属する側だった大半の人々が、指針を失いまるで原始人のように欲求のみに忠実に暴れまわるようになる時代が訪れるだろうと予測していた。 これぞまさに昨今のSNSにおける炎上を見れば明白になる。誰しもが自身の信ずるところの正義に寄って濁流のように翻弄し撹乱している。 かといって大衆自体を否定するというわけではない。人々が寄り集まり、広場で言葉を用いて、より良い集団になるために協議する。その行為自体は太古の都市(ポリス)が成り立った歴史的事実を見れば否定できない とのこと。 オルデガが本書で最たる脅威として挙げたのは大衆による「反逆」という部分であると思う。隷属的な営みから解放されて勝ち取られた自由をどう扱うのか、という点において啓発しているのだと受け取った。 何より、現代において享受している様々な道具・機械・サービスも全て、過去において自身すら想像だに出来ない知性ある人々の恒久的な努力によって、生きながらえられていることを忘れてはいけないのだと心に留めるべきことだ。 しかして本書においてその「知性」においても言及されていたことが印象に残る。知性、あるいは専門性に特化し過ぎるあまり、社会的行為、倫理観などが育たない以上、それもまた前述した「原始」性を発現しうることになる。 後半には没落したヨーロッパに妥当する存在を求め彷徨う世界を憂いでいるように見えたが、勝手な憶測ではあるが第二、第三の存在が現れては消えていくことを延々と繰り返すのではないだろうか。それこそが人間の営み、あるいは社会的な動物の営みに他ならないように思った。 だからこそ、ノブレス・オブリージュの精神が必要になるのかもしれない。望み高くあるのであれば使命を果たさなければならない。常に「より良さ」を求めるのであれば苦痛を伴うに違いないのだ。 なんだか進撃の巨人にも繋がる哲学な気がする。
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大衆の連帯は加速している・・・ ネットやスマホの存在で、大衆は見えない形で連帯している。選挙やデモや集会でしか反逆できなかったオルテガの時代とはずいぶんちがう。そして無自覚であれば、容易にそのような、ネットやスマホの大衆の連帯に巻き込まれてしまいかねない。くだらないネットニュース...
大衆の連帯は加速している・・・ ネットやスマホの存在で、大衆は見えない形で連帯している。選挙やデモや集会でしか反逆できなかったオルテガの時代とはずいぶんちがう。そして無自覚であれば、容易にそのような、ネットやスマホの大衆の連帯に巻き込まれてしまいかねない。くだらないネットニュースにくだらないコメント合戦・・・距離をおいて高潔にあることが求められているのだろう。ということは、ここなるレビューもまた大衆的ということか。自虐。
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現代がうまくいかんのは、大衆が身勝手やからやあ!という主張はよくわかりましたが、全体的にとっちらかっていて読みにくい。でもところどころ刺激的な文書がならぶ。
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内田樹先生が度々引用されている御本なのでいつかは読んでみなくてはと本棚に用意してあった一冊。立憲主義の破壊に扉を開いた参院選前に読んだというのも何かのお導きなのだろう。いや、俺が求めていたのか? 国家って様々な形があって、生き物みたいにうごめいているもんなんだなぁ~と思った。立憲...
内田樹先生が度々引用されている御本なのでいつかは読んでみなくてはと本棚に用意してあった一冊。立憲主義の破壊に扉を開いた参院選前に読んだというのも何かのお導きなのだろう。いや、俺が求めていたのか? 国家って様々な形があって、生き物みたいにうごめいているもんなんだなぁ~と思った。立憲主義や民主主義って言っても、ある政治形態に名前をつけただけで、実際に営まれている政治過程は複雑怪奇でよくわからない。 僕らが国家の構成要素だということは、否定しがたい事実だけれども、階層性の論理から言うと階層下位にある国民は、階層上位にある国家の活動を制御しようがないのだろうな、とふと思った。 それは、決してあきらめとか自棄とかではなくて、だからこそ、精一杯生きていきたいなぁ~という希望を含んだ気持ちです。
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大衆の中にいると、大多数のうちの1人という安心感から、自分を疑わなくなる。 議論から逃げ、暴力やクーデターに走ろうとする。 自分の中の知性を磨くことこそが重要。 ってことかな? 難解でした。
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