翔ぶが如く 新装版(六) の商品レビュー
大久保は地方の士族勢…
大久保は地方の士族勢力に対して密偵を放つ。密偵は徳川幕府においても幕末の井伊政権下で行なわれたのみだ。大久保の目指す中央集権国家の姿が浮かび上がる。
文庫OFF
「飛ぶが如く」6巻。 表紙のテイストが違うのは、2002年発売の新装版だからです。5巻のテイストは1980年だったかな初刷。 まるまる1巻使って神風連の乱と、乱前後の周辺不平士族について。 勝ち馬に乗れなかった人々の鬱屈の高まり昂り。その中でも、行動に移すか口舌だけかで容赦なく...
「飛ぶが如く」6巻。 表紙のテイストが違うのは、2002年発売の新装版だからです。5巻のテイストは1980年だったかな初刷。 まるまる1巻使って神風連の乱と、乱前後の周辺不平士族について。 勝ち馬に乗れなかった人々の鬱屈の高まり昂り。その中でも、行動に移すか口舌だけかで容赦なく切り捨てていると思います。ただ、彼らが抱えていた思想はどうあれテロリストであった、という見方はぶれていないのか。 川路利良像というものを、どんな風にとらえたらよいものか。 「飛ぶが如く」の「走狗」の「だんドーン」の。それぞれが当然ながら、違う描かれ方をしているので、小説の読者として最大公約数みたいなものを、どうやってすり寄せていけばいいのかしら。「るろ剣」はまあいいか。脇役だしな。 余談ですが、福地桜痴・末広鉄腸はこの時代の政論家だったということを知りました。「文スト」で登場した時はどの時代か分からずに視聴。ここで初めて知ることができました。こういうところで知識が繋がるのは楽しい。調べればすぐにわかることですが、思いがけない驚きと喜びは、読書の楽しみの一つです。
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神風連の乱までのストーリー あっけなさが伝わるようにこのシーンは数10ページで完結してしまったが… ここまできたのでなんとか読み切りたいが、勉強になると思いつつ少し単調… 坂の上の雲で出てくる児玉源三郎や乃木希典とか出てきたのがおっ!ってなったくらい
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神風連の林桜園は、徹底的な攘夷論者の神道家。外国人と戦い勝って、その後どのような国を作るかは考えず、戦いそのものに意義を見出だした。師弟は、横井小楠、吉田松陰、大村益次郎、真木和泉、宮部鼎蔵(新撰組により殺害)、河上彦斎(るろうに剣心主人公のモデル)など。政治は神事より劣るものと...
神風連の林桜園は、徹底的な攘夷論者の神道家。外国人と戦い勝って、その後どのような国を作るかは考えず、戦いそのものに意義を見出だした。師弟は、横井小楠、吉田松陰、大村益次郎、真木和泉、宮部鼎蔵(新撰組により殺害)、河上彦斎(るろうに剣心主人公のモデル)など。政治は神事より劣るものとし、政治に走る師弟を否定した。「兵は怒なり」負け続けようともゲリラ戦をひたすら続け、経費がかさんで侵略国は和議を言ってくるという思想。また西洋は火(銃火器)を使うから、日本は水で応戦しろと説いた。これの解釈に弟子は困った266 萩の乱首謀者前原一誠は、反乱首謀者の器量が無く、スパイにやられ、政府に命乞いをして過ごしていた。その時ノイローゼになり「全身震動、頭浮クガ如ク、飛ブガ如ク」と日記に書いた。こちらは「飛ブガ如ク」である286 廃仏毀釈で十津川ではほとんどの寺が壊され、仏像が川に流された303 神風連の奇妙さは、自他を殺すという暴力そのものが神聖だということ。このような不思議な団体が出来上がるというのは、民族的性格と民族文化に根ざしているのかもしれない。日本人の病理的性格の一端をあざやかにのぞかせている。325 神風連の乱では、熊本鎮台司令官種田政明が自宅で殺された。その妾、小勝も受難し傷を負った。彼女は命がらがら逃げて東京の両親に電報を打った。 「ダンナハイケナイ ワタシハテキズ」 これを新聞が取り上げ、流行語になった
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「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終...
「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終的に西南戦争に至ったのね、と。しかし、旧支配層の武士は既得権益を取り上げられ、庶民は税金やら兵役やら負担が激増した、この明治維新という大改革が、よく破綻・瓦解しなかったものだという、新たな疑問が湧いてきた。
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※2008.7.12購入 2008.7.14読書開始 2008.8.25読了 2017.5.6売却@Book Off
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「翔ぶが如く(6)」(司馬遼太郎)を読んだ。 『要するに、神風連ノ乱は日本における思想現象のなかで、思想が暴発したという点では明治後最初のものであった。』(本文より) と言われてもなあ。そもそも「神風連ノ乱」そのものを知らずにこれまで私は生きてきたのだよ。 西郷どんいまだ動かず
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本筋を見失うほどの、余談のオンパレード(しかも重複多い)。 もちろんスピード感などまったくなく、唯一神風連の乱の描写だけは多少なりともスリリングだった。 変わらない構造に辟易。 しかし、これは、それぞれが独立したコラムなのだ、と思うようになってから、遅滞がなくなった。 また、...
本筋を見失うほどの、余談のオンパレード(しかも重複多い)。 もちろんスピード感などまったくなく、唯一神風連の乱の描写だけは多少なりともスリリングだった。 変わらない構造に辟易。 しかし、これは、それぞれが独立したコラムなのだ、と思うようになってから、遅滞がなくなった。 また、もともと西郷の人格に興味があり手に取ったが、読み進むに連れて、本当にえらいのは大久保だったのではないか、と思うようになってきた。 彼の沈黙と実行、忍耐はなみではない。
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この第六巻は西南戦争の勃発する1年前の明治9年が描かれているが、前半は地方官会議や島津久光について書かれている。後半は太政官への不平不満を抱く士族たちが、ついに立ち上がり熊本で「神風連の乱」が爆発する。
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