天切り松 闇がたり(第3巻) の商品レビュー
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大正義賊の目細の安吉一家の活躍を描く痛快人情シリーズ、堂々の完結! シベリアの戦役で父親を失った息子とその母のために説教寅がひと肌脱ぐ表題作他、全6編を収録。 (アマゾンより引用) 短編集。 最後の話が良かったなぁ…(;ω;)
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天切り松三巻。個人的には「道化の恋文」が一番新鮮でぐっときました。若々しい実直な想いが不器用ながらも芯を通した言葉で綴られて、胸の中になにかドスンと太い芯を立てられた感じ。第六夜の「銀次蔭盃」が残す物悲しい読後感は、同時に沸き起こる「胸を張らねば」という気持ちに支えられます。「啖...
天切り松三巻。個人的には「道化の恋文」が一番新鮮でぐっときました。若々しい実直な想いが不器用ながらも芯を通した言葉で綴られて、胸の中になにかドスンと太い芯を立てられた感じ。第六夜の「銀次蔭盃」が残す物悲しい読後感は、同時に沸き起こる「胸を張らねば」という気持ちに支えられます。「啖呵を切る」という事がどう言うことかと実感する名作。
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天切り松闇語りシリーズ3.いやもうほんと、これが人間の想像力から紡ぎだされる物語だなんて浅田さんほんと天才。日本人でよかった。ほかのどんな言語でも訳じゃ伝わるまい。 初湯千両(説教寅)/共犯者(書生常)/宵待草(振袖おこん×竹久夢二!)/大楠公の太刀(黄不動の栄治×森鴎外!)/道化の恋人(松蔵と康太郎と、仁太×永井荷風)/銀次蔭盃(目細の安、松蔵、銀次) いやあどれも。映画になりそう。寅弥は二百三高地の生き残りかぁ。常の百面相も、すごいね、ほんと、まさか!一人5役とはね。竹久夢二もでてきちゃったなぁ。こういう実在のひとが想像の肉付けでもって現れるところが、このシリーズのおっきな魅力のひとつだとおもう。永井先生はかなり随所に出てくるし。小龍景光の話なんてもう、豪華すぎて大仕事すぎて。1編の短編とは思えない読み応えだった。小龍の一世一代の張りには泣いた。そして、仁太も新しく登場。彼もこれから出てきそうだな。青春の恋バナかとおもいきや、なんのなんの。「オワラヒクダサイ イツマデモ」の文字を見てまた涙溢れた。銀次もやっと、でてきたとおもったけど、どうやら、これが最後だろうなあ。さいごに、安吉の心が通じてよかったな。それにしても典獄の下衆ぶりは胸糞わるい!よくぞ取り返した安!ほんとに銀次一家の物語は、どこをどう切り取っても胸に沁みる情ってもんが零れてくるよね。それをまた天切り松のとっつあんの名調子で聞けるんだもの! 5巻まであと2冊、まだまだドップリ読み進めます!
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天切り松闇がたりシリーズ3作目。 天切り松の江戸っ子口調の語りが堪らない。傍で実際に語られている気分に浸れる。「共犯者」のような終始痛快な話もあれば、「宵待草」のような思わずホロリと涙が零れるような話もあって、3作目にしても、飽きも来ず、もっともっと読みたくなる。泣いて、笑って...
天切り松闇がたりシリーズ3作目。 天切り松の江戸っ子口調の語りが堪らない。傍で実際に語られている気分に浸れる。「共犯者」のような終始痛快な話もあれば、「宵待草」のような思わずホロリと涙が零れるような話もあって、3作目にしても、飽きも来ず、もっともっと読みたくなる。泣いて、笑って、、、、というフレーズが本当にピッタリな作品。
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http://ameblo.jp/tc-tama/entry-10527142364.html (Ameba日記)
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このシリーズが終わってしまうことにも涙。 こんな粋な男衆がいれば現代も捨てたもんじゃないのに…。 作品の紹介 「江戸っ子の初湯は千両。せめて値千金の初語り、ブタバコの湯銭がわりに聞いておくんない」大正義賊の活躍を描く痛快人情譚。
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天切り松シリーズは泣かせもあるし、肩の力抜いて読めるしで、浅田作品の連作では一番好きです。年に一回ずつくらいは読み直してます。オススメ!
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どんな破れかぶれの人生だって、人間畳の上で死ぬもんだ! 天切り松シリーズのなかで、いつも読み返してしまう「共犯者」が収録されています。常次郎が百面相の極み芸をみせつける!あまりの見事さに親分さえも気味悪そう!そんな安吉親分がとてもかわいい。軽快で好き!タイトルにもなっている「初湯...
どんな破れかぶれの人生だって、人間畳の上で死ぬもんだ! 天切り松シリーズのなかで、いつも読み返してしまう「共犯者」が収録されています。常次郎が百面相の極み芸をみせつける!あまりの見事さに親分さえも気味悪そう!そんな安吉親分がとてもかわいい。軽快で好き!タイトルにもなっている「初湯千両」は寅弥兄の説教潭。これまた男気あふれるお話です。
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面白いですね〜 登場人物の描き方が抜群ですね〜 それに、時代背景も踏まえている感じで 現代の問題も関係しているようにも思います〜
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浅田 次郎の【天切り松 闇がたり】の第三巻を読んだ。 この【天切り松 闇がたり】シリーズは僕の大好きなシリーズである。まず装丁がいい。この装丁を揃え たいが為に単行本で買っているくらいだ。 そして次に僕の心をくすぶるのがそれぞれの巻のキャッチである。 第1巻 《殿下閣下...
浅田 次郎の【天切り松 闇がたり】の第三巻を読んだ。 この【天切り松 闇がたり】シリーズは僕の大好きなシリーズである。まず装丁がいい。この装丁を揃え たいが為に単行本で買っているくらいだ。 そして次に僕の心をくすぶるのがそれぞれの巻のキャッチである。 第1巻 《殿下閣下もかまいやしねえ。盗られて困らぬ天下のお宝、一切合財ちょうだいしようじゃねえか!粋で いなせな怪盗たちが意地と見栄とに命をかける―。古今無双の大正ピカレスクロマン。》 第2巻 《男てえのは理屈じゃねえ。おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ、俺ァ男だと、てめえに言 いきかせて生きるもんだ。アール・ヌーボーの闇の底、江戸ッ子義賊が駆け抜ける―。天衣無縫の大正ピ カレスクロマン。》 第3巻 《「江戸っ子の初湯は千両。せめて値千金の初語り、ブタバコの湯銭がわりに聞いておくんない」大正義 賊の活躍を描く痛快人情譚。》 なんて粋でいなせなんだろうか。男心をグッと引き寄せるコピーである。 このコピーを読んでわかるかもしれないが、物語は大正時代の大泥棒の話だ。 主人公の「天切り松」こと村田松蔵が、「天下の大泥棒・目細の安」一家の生き字引としてこの平成の時 代に、古き良き時代の語り草を警察に協力して留置所にいる小悪党どもに「粋な悪党」とはいかなるもの かを聞かせて諭すという展開である。 ちなみに闇がたりとは、泥棒たちが闇夜に交わす目の前六尺にしか届かぬ特殊な会話方法のことである。 全編を通して、松蔵の発する言葉は粋な江戸言葉でこれがなんとも言えず気持ちよい。 浅田次郎の真骨頂といえる「愛と涙の人情物語」がぎっしり満載なのだ。それ以上の説明のしようがな い。こればかりは何も言わずに読んでくれ、状態なのだ。 目細の安一家が天下の大泥棒、または義賊と呼ばれるには訳がある。それを天切り松の言葉を借りて説明 してみるとこういう事だ。 「俺ァたしかにてめえらが破廉恥漢と馬鹿にする盗ッ人にァちげえねえが、どっこい銭金まみれの盗みな んざ、七十年の盗ッ人稼業、ただの一度だってしたためしはねえ。いってえ何のために、親から貰った体 を張り、命を的にヤマを踏むか、てめえらも金玉ぶら下げた男ならば、よおっく考えてみやがれ。銭金は 命の次に大事なものだってか。冗談はよせ。銭金よりも命よりも大事なものァ、この世にいくらだってあ らあ。長え人生、それをひとっつずつ見っけて、懐に収っていけ。いいな、ぬかるんじゃあねえぞ」 つまり、大事なのは命よりも銭金よりも「心意気」だということなのだ。 今日明日を食うためにする盗みなんざ下衆のやるとこだ。これが目細一家の心意気である。 粋な男達の愛と涙の人情絵巻。これを読まずして粋を語ることなどできはしない僕のバイブルである。 第三巻の感想というよりは、天切り松シリーズの感想みたくなってしまったが、なんせテーマが「粋」で ある。これについて語るには時間がいくらあっても足りない僕の永遠のテーマだ。
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