1,800円以上の注文で送料無料

春になったら苺を摘みに の商品レビュー

3.7

42件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2025/01/05

作者による外国渡航でのエピソードとそれに対する作者の考えを綴っている。まるで価値観(人との関わり、政治、ルールなど)が違う人達と交流は人の懐を大きく広げてくれると感じます。旅行ではなく気になる外国に住んで地元の人達との交流がしたいと強く感じます。確かにニューヨークにはあまり行きた...

作者による外国渡航でのエピソードとそれに対する作者の考えを綴っている。まるで価値観(人との関わり、政治、ルールなど)が違う人達と交流は人の懐を大きく広げてくれると感じます。旅行ではなく気になる外国に住んで地元の人達との交流がしたいと強く感じます。確かにニューヨークにはあまり行きたくないが、英国やトロントでの穏やかな生活を体験してみたいです。具体的に考えると行く手を阻むのはやはり言語習得、纏まった時間、お金でしょうけど。

Posted byブクログ

2023/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 「春になったら苺を摘みに」(2002.2)、いいタイトルです。梨木香歩さん、イギリスのカレッジで学生時代を。そのとき下宿でお世話になったウェスト夫人。卒業後も何度か訪問されてるそうです。そこで交流した沢山の人たち。異なった文化背景を持つ人たちとの交流が、梨木さんの文学の幅と深さに関係しているように思えます。イギリスでの出来事を中心に綴ったエッセイ集です。

Posted byブクログ

2022/10/27

エッセイだと思うんだけど、物語を読んでいるみたいで面白かった。イギリスのウェスト夫人の家で下宿してる時の話が中心。このウェスト夫人がアガサ・クリスティのミス・マープルにどうしても重なってしまう。お茶目で話好き、世話好き、面白い、でも芯が強い人。私は読んでてすごく好感を持てた。 ...

エッセイだと思うんだけど、物語を読んでいるみたいで面白かった。イギリスのウェスト夫人の家で下宿してる時の話が中心。このウェスト夫人がアガサ・クリスティのミス・マープルにどうしても重なってしまう。お茶目で話好き、世話好き、面白い、でも芯が強い人。私は読んでてすごく好感を持てた。 途中で人種差別(黒人、アジア系の差別の話) 、女性の権利の話(これは女性が女性を侮辱して問題になったという話)が出てきて考えさせられた。とくに戦時中、アメリカなどで日本人が受けた扱いの話が印象に残った。テレビで観て知ってはいたけど、改めて酷い扱いをされた人の話を読むと、悲しくなりなんか落ち込んでしまう。でも、日本人も同じ事を外国の人にしてるし…、と思うと堂々巡りになってしまう。この本は20年ぐらい前に書かれてるけど、こういう問題はこれから先も続くんだろうと思う。 Kとウェスト夫人の友情が羨ましい。年の差もあると思うんだけど気が合うんだろうな。遠い国にいるのにずっと友情が続いてる。素晴らしい。

Posted byブクログ

2022/01/05

とても素敵なエッセイだった。文章の流れが、途中で違う話になったりするのがまるで著者の思考や記憶の流れのままを辿っているようで、そうだよなあ、人って思い出の中に自分の感じたこと考えたことを不定期に挟み込みながら思い出を形作るよなあと実感した。 分かり合えないことを受け入れる。ちょう...

とても素敵なエッセイだった。文章の流れが、途中で違う話になったりするのがまるで著者の思考や記憶の流れのままを辿っているようで、そうだよなあ、人って思い出の中に自分の感じたこと考えたことを不定期に挟み込みながら思い出を形作るよなあと実感した。 分かり合えないことを受け入れる。ちょうどブレイディみかこさんのエンパシーの本も読んでいる最中で、それに通じるものを感じた。 そして大好きなイギリスの情景を読んで、とてもイギリスが恋しくなった。 この著者さんは小説よりもエッセイの方が好みだ。

Posted byブクログ

2019/12/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本当に大好きで宝物みたいな本で、中学生くらいのときに初めて読んだのだけれど読み返しすぎて角がぼろぼろになっている。 疲れて心がふらふらしてきたときに読むと、すっと霧が晴れて進むべき方向が見えてきて、ああこっちだった、この方向目指してまた飛んでくのだというような気分になる。 繊細でしなやかな、どこまでもニュートラルであろうとする感性。知性。シンパシーへのアンテナ。 多文化共生という概念も限界が理解されるようになったけれど、今でこそウエスト夫人の極めて個人的な「理解はできないが、受け容れる」戦い、梨木さんのどこまでも想いを馳せていく力が、静かな輝きを放っていると思う。それは誰にでもできることでもなく、限界もあって、大きな打ち寄せる波にあらがう一粒の砂みたいな小さなものかもしれないけど、もうこれしかできない、という気がする。 「わたしたちは、本当は、みな」 ずっと大好きな言葉だけど、今は子供の頃ほど無邪気に唱えることができない。でも、そうでしょう、そのはずでしょう、という思いはやはりある。それを信じなくては、何事も開かれないのだから。 この状況から救ってくれるメシアは現れない。でも「どこまでも巻き込まれていこう、と意思する権利」はある。日常を内省的に深く生き抜くこと、相反するベクトルを豊かな調和のうちに保とうとすること。自分の意思と思考で歩いていきたいと思いつつ、どこまでできるのかしらと悩む。こんな風に、と思って15年以上もたって、まだ私はこんなに浅い。

Posted byブクログ

2018/03/18

列車の良い席を予約したのに車掌に最下等の席を案内され、2度抗議しても受け入れられなかったという理不尽な目にあった主人公が、波だった気持ちを引きずりながらも本当はどう感じたのか?憤慨?屈辱?そんな表面的なものに惑わされずにいよう。本当に感じたのは…と車掌に話しかける場面。 「あなた...

列車の良い席を予約したのに車掌に最下等の席を案内され、2度抗議しても受け入れられなかったという理不尽な目にあった主人公が、波だった気持ちを引きずりながらも本当はどう感じたのか?憤慨?屈辱?そんな表面的なものに惑わされずにいよう。本当に感じたのは…と車掌に話しかける場面。 「あなたが私の言う事を信じて下さらなかったあの時。私は本当に悲しかった。」トーンを落としゆっくり話しかけた。 怒りの感情や攻撃的な気持ちの昂りに任せて相手に皮肉や辛辣な言葉をかける事が多い日常の中、自分の気持ちを抑えるのではなく、見つめて濾過して選別し、1番重要な場所を伝える技術が素晴らしいと思った。

Posted byブクログ

2016/03/08

世界にたくさんいる人たちのそれぞれの人生を考えさせられたというか,感想が表現しにくい。けど,外国に出るんだったら,その前に読んでおきたい本だと思う。

Posted byブクログ

2015/02/23

著者の英国時代を書いたエッセイでした。異国での生活を通して少し悔しい事も書いてありましたが、全編を通して異国で暮らしたからこその感性のようなものを感じられて、最後はとても暖かい気持ちになりました。受け入れる、ということの難しさ。それは自国にいる方が気付きにくい事なのかもしれません...

著者の英国時代を書いたエッセイでした。異国での生活を通して少し悔しい事も書いてありましたが、全編を通して異国で暮らしたからこその感性のようなものを感じられて、最後はとても暖かい気持ちになりました。受け入れる、ということの難しさ。それは自国にいる方が気付きにくい事なのかもしれません。梨木さんの本は何作か読んで作風の違いに驚いたりもしましたが、それもなぜか納得できるような気もしました☆

Posted byブクログ

2015/02/10

チクリチクリと、いたる所でいろんな批判してて、読んでてイヤな気分になる。げんなりする。何様? ☆1.5

Posted byブクログ

2012/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

梨木香歩さんのエッセイは好き。 私のフランス人の友人にウェスト夫人に似た人がいて、彼女のことを思い出しながら読んだ。 さらにイギリスを旅行したときのことが思い出されよかった。

Posted byブクログ