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アウグスティヌスの愛の概念 の商品レビュー

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2011/07/19

「自己と隣人と世界に対し自らの魂をどう位置づけるか? ヤスパースとハイデガーの影響を受け、のちの思想的展開にみられるものを胚胎する幻のデビュー作。」(帯より)政治哲学的著作によって、あるいはアイヒマン裁判によって、もしかしたらハイデガー、フッサールやヤスパースとの関りによって知ら...

「自己と隣人と世界に対し自らの魂をどう位置づけるか? ヤスパースとハイデガーの影響を受け、のちの思想的展開にみられるものを胚胎する幻のデビュー作。」(帯より)政治哲学的著作によって、あるいはアイヒマン裁判によって、もしかしたらハイデガー、フッサールやヤスパースとの関りによって知られる、ユダヤ人女性ハンナ・アーレント。本書『アウグスティヌスの愛の概念』は、彼女が23歳のときに出版した最初の著作、原型はヤスパース指導のもとにハイデルベルク大学において完成させた博士論文。彼女がこんなに若いとき、こんなことを考えていたなんて。訳者解説には、これらの成立、出版の事情、飜訳についてなどの経緯が詳しい。訳者「あとがき」には、「本書は、難渋をもって知られるアーレントの諸著作の中でも、最も難解な部類にはいるだろう。」とありますが、ありがたいことに私には、これが最も親しく入っていくことのできた著作でした。アーレントの成熟期の政治哲学は、実は私には難解です、難解にすぎます。が、それらの基盤にこのように豊かな思索があったことを知ることができた、これは私にとっては幸福なことでした。どのように魅力的な、若い女子学生であったのか……、やはりそういう余計なことも考えてしまう、そのくらい豊かな著書です。1929年にドイツで刊行された初版本が底本。

Posted byブクログ