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クマにあったらどうするか の商品レビュー

4.1

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

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2024/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

○「クマに会ったどうするか」 姉崎さんのすすめる一〇力条。 (まず予防のために) 一 ペットボトルを歩きながら押してベコベコ鳴らす。 二 または、木を細い棒で縦に叩いて音を立てる。 (もしもクマに出会ったら) 三 背中を見せて走って逃げない。 四 大声を出す。 五 じっと立っているだけでもよい。その場合、身体を大きく揺り動かさない。 六 腰を抜かしてもよいから動かない。 七 にらめっこで根くらべ。 八 子連れグマに出会ったら子グマを見ないで親だけを見ながら静かに後ずさり。(その前に母グマからのバーンと地面を叩く警戒音に気をつけていて、もしもその音を聞いたら、その場をすみやかに立ち去る) 九 ベルトをヘビのように揺らしたり、釣り竿をヒューヒュー音を立てるようにしたり、柴を振りまわす。 一〇 柴を引きずって静かに離れる (尖った棒で突かない)。

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2022/12/31

名著。感情論でない現場主義のヒグマ論。生き残るための知恵もあれば、クマへの深い愛もある。その奥深さに刮目せよ。 文庫判も出ているが、最初に単行本で出会った時の感動は忘れられない。

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2022/05/09

アイヌのヒグマ猟師さんへのインタビューまとめ。 ヒグマと対峙している人ならではのコメントが興味深い。 母グマは子グマに雪の滑り台を作り遊ばせる。早春に身体を慣らすためか。親がやるから子が真似る。 大きいクマは安心。悪さをしないから大きくなれた。 クマに追われたら大声を出せ。 ク...

アイヌのヒグマ猟師さんへのインタビューまとめ。 ヒグマと対峙している人ならではのコメントが興味深い。 母グマは子グマに雪の滑り台を作り遊ばせる。早春に身体を慣らすためか。親がやるから子が真似る。 大きいクマは安心。悪さをしないから大きくなれた。 クマに追われたら大声を出せ。 クマは煙草の臭いを嫌う。ヘビも嫌う。 手負いのクマは死にものぐるいだから一番恐ろしい。 人を食べたクマは駆除するしかない。

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2019/06/13

ヒグマには、「止め足」という行動があるそうだ。ハンターがクマの足跡を追って行くと、それがふつっ、と消えてしまうことがある。ある所まで行ったら、自分の足跡をなぞって戻り、ハンターにわからないように横に逸れて逃げて行くというのだ(手負いなどの場合は、途中で待ち伏せをしていることもある...

ヒグマには、「止め足」という行動があるそうだ。ハンターがクマの足跡を追って行くと、それがふつっ、と消えてしまうことがある。ある所まで行ったら、自分の足跡をなぞって戻り、ハンターにわからないように横に逸れて逃げて行くというのだ(手負いなどの場合は、途中で待ち伏せをしていることもあるという)。非常に知恵のある動物なのだ。 この本は、単独行でヒグマを40数頭も仕留めたという著者の語りを、アイヌ関係の映像作品を多数手がけている片山龍峰という人が聞き書きしたもの。「クマが狩猟の、いや人生の師匠」と言い切る著者の貴重な体験と見識には、固唾を呑むほどの迫力がある。 さてしかし。こういう本を読むと、本を読むという行為にふと疑問を抱いてしまう。「体験」を活字で追体験して、わかったような気持ちになることに、何ほどの意味があるだろうか?

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2018/10/26

頻繁に山奥へ遊びに行くので興味がある内容だが、半分までしか読めなかった。どうしても5ページ読むと眠くなって先に進まない。 おそらくあまり編集しないで、インタビューしたまま書き起こしているので、内容が良くても文章が読みにくいのだと思う。 ・クマに会ったらダッシュせずに大声を出して威...

頻繁に山奥へ遊びに行くので興味がある内容だが、半分までしか読めなかった。どうしても5ページ読むと眠くなって先に進まない。 おそらくあまり編集しないで、インタビューしたまま書き起こしているので、内容が良くても文章が読みにくいのだと思う。 ・クマに会ったらダッシュせずに大声を出して威嚇する ・襲われたら何でもいいから口の奥に突っ込む

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2018/03/22

ゴールデンカムイに触発されて、旅先で衝動買い。 姉崎さんの強かさに脱帽。 現在、生きているアイヌの文化は存在しない。 いくら文献が残っていたって、その風習を語り継いでいる人々がいたって、昔のように暮らしを再興させることは不可能だろう。 けれど、長年培われた土着の知識は今でも生きる...

ゴールデンカムイに触発されて、旅先で衝動買い。 姉崎さんの強かさに脱帽。 現在、生きているアイヌの文化は存在しない。 いくら文献が残っていたって、その風習を語り継いでいる人々がいたって、昔のように暮らしを再興させることは不可能だろう。 けれど、長年培われた土着の知識は今でも生きるものが多いし、民俗的な信仰は、自然と共存するための合理的な考え方であったりする。 先住民の尊い文化を、現代の生き方に擦り合せるということを、もっと大きく取り上げても良いんじゃないだろうか?

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2015/04/23

いい本とはこういう本だなと思った。語り部の方も凄い人だが、この人の話を本にしたいと一念発起した聞き書きの方も偉い。

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2014/12/06

クマに遭遇した時の対処法かな?と手に取ったが、ほとんどがマタギとしての体験談やアイヌ民族とクマとの関係について書かれていた。羆の基本性質をよく知った上で、「羆は危険ではない。羆の生活圏を追い詰めていく人間が悪い」と、野生動物を守る活動もされいたそうだ。姉崎さんは2013年10月に...

クマに遭遇した時の対処法かな?と手に取ったが、ほとんどがマタギとしての体験談やアイヌ民族とクマとの関係について書かれていた。羆の基本性質をよく知った上で、「羆は危険ではない。羆の生活圏を追い詰めていく人間が悪い」と、野生動物を守る活動もされいたそうだ。姉崎さんは2013年10月に亡くなられていたそうです。御冥福をお祈り致します。

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2014/09/08

片山龍峯が姉崎等にインタビューしたのをまとめたものです。 といっても、数時間のインタビューではなく、何年かかけてじっくりと積み重ねてきた言葉と思いが詰まっています。 アイヌ民族最後の、と紹介されていますが、実は姉崎さんのお父さんは日本人です。 けれど、どちらに比重を置くかと言わ...

片山龍峯が姉崎等にインタビューしたのをまとめたものです。 といっても、数時間のインタビューではなく、何年かかけてじっくりと積み重ねてきた言葉と思いが詰まっています。 アイヌ民族最後の、と紹介されていますが、実は姉崎さんのお父さんは日本人です。 けれど、どちらに比重を置くかと言われたら自分はアイヌ人だ、と。 子どもの頃に父親を亡くした姉崎さんは、母親の故郷であるアイヌの部落で育ちます。 けれども混血であるということでいじめられたり、アイヌの風習なんかも教えてもらえなかったりしたそうです。 それを、子どもの姉崎さんはじっと周りを観察することで身に着けていきます。 後年クマハンターとして山に入ったときも、クマを観察し、クマを知ることで山を知り、山を知ることで山の恵みを受けたりするようになります。 だから彼は「クマは師匠」と言うのです。 もともと里山に棲み、草食に近い雑食のクマは、人間を恐がり人間の気配を感じるとじっと姿を隠してしまうのだそうです。 人間が知らずに歩いているほんの数メートルのところに身を隠していることも実際あるそうなんです。 でもクマは人を襲わない。人間が恐いから。 人を襲うのは、逃げるものを見て反射的に追ってしまった時か、もっと怖いのはけがをして逃げきれないので最後の力を振り絞って「やられる前にやる」時です。 数人のグループがクマと遭遇した時、クマに襲われたのは若くて元気でいちばん先に逃げた人なのだそうです。 だから、山に入るときはクマに会わないように注意する。しかし万が一逢ってしまった時は、クマの目を見てじっと動かず、できれば大きな声で威嚇すればクマの方で逃げていくそうです。 とはいえ、一度人間を襲ったことのあるクマは、実は人間は強くないと知ってしまうので、人間を恐がらず再び襲ってくるそうなのです。 クマのエサが山になくなってしまったこと。 人間がおいしいものをクマに教えてしまったこと。 など、もともと近いテリトリーで住み分けていたクマと人間が、こんなにも接触事故が増えてしまうのなら、ただクマを恐がるだけではなく、クマのことを知らなければだめなのだと思います。 そしてクマの住める場所をもう一度クマに返していくことも、考えて行かないといけないと思いました。 洋の東西を問わず子どもがクマを好きなのは、大昔人間とクマが仲よく共存していたことがあったからかもしれませんね。

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2012/12/04

クマが語っているような本。血から狩人で65年間一度もクマに傷つけられたこともない姉崎等さんは、「クマが師匠」と断言する(p14など)。山に入っていき、クマや獣の身になって考える(p171「私がいイタチだったらこんなところは歩かないでここを歩く」など)という。そうしていると、狩人は...

クマが語っているような本。血から狩人で65年間一度もクマに傷つけられたこともない姉崎等さんは、「クマが師匠」と断言する(p14など)。山に入っていき、クマや獣の身になって考える(p171「私がいイタチだったらこんなところは歩かないでここを歩く」など)という。そうしていると、狩人は獣になっていく。おそらく、自身が知らないうちにそうなってしまう。 迷信深いわけではなく(p169「真に受けない」など)とても現実的に実証的に(p127の解体など)行動する。また、映画の撮影に協力したり、そもそもこの本のために協力しているし、大学の研究に協力して自身の「読み」が正しいことを証明してもらう(p283)など、偏屈なわけでもない。 生き残るため、狩るために行動しているうちに、獣になる本。※カルロス・カスタネダとドン・ファンの対話と似ている。

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