後日の話 の商品レビュー
殺人犯となった夫が、…
殺人犯となった夫が、斬首刑直前に若妻の鼻を食い千切る。その後日の、妻の物語です。初期作品と比べて毒は更に奥へ引き、拡散しています。しかしそれは霧のように読者を包むのです。
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舞台は外国。処刑され…
舞台は外国。処刑される寸前、夫は妻の鼻を食い千切る。その後日を描いた物語です。
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冒頭で後に夫に鼻を食…
冒頭で後に夫に鼻を食いちぎられる主人公・エレナの幼少時代の様子が描かれていて、なんかエキセントリックな女の子なのかなぁ、という印象を受け、ちょっとエキセントリックな物語が展開されるのかなぁなんて思っていたのですが、夫が処刑されることについても、鼻を食いちぎられたことについても、エ...
冒頭で後に夫に鼻を食いちぎられる主人公・エレナの幼少時代の様子が描かれていて、なんかエキセントリックな女の子なのかなぁ、という印象を受け、ちょっとエキセントリックな物語が展開されるのかなぁなんて思っていたのですが、夫が処刑されることについても、鼻を食いちぎられたことについても、エレナの反応は私の想像の域を脱することはなかったので少し退屈といえば退屈でした。ただ終盤エレナがある願望を抱いたことについては、少し驚くとともに共感を覚えました。こういうところで人って自分は正気のつもりのまま静かに狂人になっていくん
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中世イタリアを舞台にした純文学。余韻の残るラストシーンと、そこに至る伏線はなかなか秀逸。芥川賞とった短編『蟹』も読んでみたいね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
舞台は17世紀、イタリアのトスカーナ地方の小都市。 刑死間際の夫ジャコモに「鼻を噛みちぎられる」妻エレナのその後が語られる。 エレナは海の底に潜んでいる巻貝のようだ。 硬い殻の中身は心優しい女性にすぎないのに、ジャコモに対する愛憎が静かに着々と螺旋を形成していく。 淡白だけど毒がある、そんな愛の小説である。
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初河野多恵子。 解説川上弘美! 死刑囚の夫に鼻をかじられた妻の話。 ものすごく上品な文章を書く人。 情景の描写が美しく、イタリアの風景は現地人が描いているような細やかさ。
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