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文章読本さん江 の商品レビュー

3.6

11件のお客様レビュー

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2019/02/26

この本を読むまで「文章読本」というジャンルを知らなかった。 文章読本とは、文章の書き方を教える本のことらしい。 古今の様々な文章読本を比較検討して、叩き切る様が痛快だった。

Posted byブクログ

2015/11/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思ったほど、面白くなかった。酔走文学部推薦図書。 谷﨑潤一郎に始まる「文章読本」と呼ばれる一連の書物を、その意図、目指す文体、引用する例などから分類し、バッサバッサと斬りまくる痛快な一冊! …と思ったのも最初のほうだけかなぁ。  谷崎、三島にはじまり、丸谷才一、井上ひさしなど錚々たる著者の主張に真っ向う切り込む姿勢は買うが、「文のわかりやすさ」を説く本多勝一の解説がくどくてわかりにくいと言う一方で、この著者もそうとうクドクドと、同じネタで各読本のアラサガシ。  引用する文例で、たいしたことない主張も立派に見えると、”虎の威を借る”とこき下ろす。いやいや、この本自体が、あまたの権威が記した本を引っ張り出し、その内容をふんだんに引用し”威を借”りまくった一冊ではないのか? と、だんだん辟易としてくる。  なんだろう、このヒトノフンドシ臭のプンプンする感じ??? そう、空想科学読本とかいうジャンルを読んだ時の感覚だ(こちらも偶然にも”読本”という文字がタイトルに付く)。 アニメやマンガのSF的な素敵な空想を、現実の理論に当てはめて、「ありえない」とか、それを実現するためには、どんな無理が生じるというのを得々と語る、あれだ。  最初は、そんな見方もあるのかと面白可笑しく読んだものだが、だんだん意味のないものというのが分かってきて、1冊目以降は一切読んでいない(タケコプターを付けたらマッハの風力で頭皮が剥がれて云々という解説のなんと意味のなかったことか)。  この本にも、そんなトンでも感がする。  途中、日本語表記法の変遷や、明治大正の子供の作文教育の歴史を語るあたりは面白い話も多いのだが、ちょっと「文章読本」を語るってところからは離れていってないか?  ま、最後には、もう一度、文章読本の話にもどり、「文は服なり」と、TPOに応じて文章も着替えれば良い、人に指図されるようなものではない、と自身の文章作法を語ってしまう。  彼女流に分類するなら、過去に文章読本が多くあるが、既存のものは役立たずの駄本だ、それゆえ私が書くことにしたという「道場破り型」の文章読本になっているのだ。  文章読本の著者はその類型によらず、名誉ある役割を担った高揚感に溢れていると喝破したように、本人の文章も、最初からウキウキと、オヤジイヂメを楽しむ「ご機嫌」な様子が横溢していて、どうにもいただけない。  かといって、冷静に語られてもなんだし、そもそも「文章読本」ってのが、その程度の価値しかない(時代が経れば猶の事)書物だってことなのかもしれない。

Posted byブクログ

2014/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

書評でよく見かける女性ライターの有名な本。もっと若い方かと思っていたが、年季の入った目利きの文芸論。 谷崎潤一郎をはじめとした作家、ジャーナリスト、学者の手による文章お作法本をメッタ切りしている痛快な逸書。文章読本自体の分析に終わらず、文士たちの、新聞記事や素人投稿文への酷評の裏にある奢りを巧みに批判する。その一方で、作文教育にある表現重視か伝達重視かの論争にも言及するなど、国語教育史としても興味深い考察がある。 文章読本の著者の文体を猿真似して書いてみせるところなど、笑えるツボがたくさん。そして突っ込みどころが苛烈。まあなんていうか、大書をものせない女性ライターによる、大御所おじさま文筆家への異議申し立てとも言うべきだろうけど。 文章は思想の包み紙、だから作家は文体をきどった技巧を施したがる、は言い得て妙。

Posted byブクログ

2011/10/31

斎藤美奈子のおちょくりが冴える1冊。やはり好きです。 学校図書館に勤めていますと、やはり作文やら何やらの様子を目にしますな。特に読書感想文とか。 そのあたりの考察は面白いモノがあると思います。 形骸化しているというか、惰性でやっているように見える読書感想文。 「無理はしなくてい...

斎藤美奈子のおちょくりが冴える1冊。やはり好きです。 学校図書館に勤めていますと、やはり作文やら何やらの様子を目にしますな。特に読書感想文とか。 そのあたりの考察は面白いモノがあると思います。 形骸化しているというか、惰性でやっているように見える読書感想文。 「無理はしなくていいですよー」などと声かけをしていますが、そこを歴史的経緯を踏まえて説明することができ…そう。何となくですが。 文体を服に喩えるのは、面白いと思いました。 分かりやすい比喩でござゐますな。

Posted byブクログ

2009/10/08

http://www.ywad.com/books/1213.html 発想が古い、とは確かにそう。 いまどき文章読本なんてだれも参照にはしないものね。 もう殆ど死んでいるジャンルを相手にずばずばやるのはちと可哀想か。

Posted byブクログ

2009/10/04

恥ずかしながら文章が上手くなりたいと思っている。 だからこういう本にふらふらと引き寄せられてしまうのだ。 まぁしかしバッサバッサと斬り捨てる斬り捨てる。 谷崎潤一郎も本多勝一も丸谷才一も…あまたある文章読本がこき下ろされまくりだもんね。小気味いいというか悪いというか。 唯一手放...

恥ずかしながら文章が上手くなりたいと思っている。 だからこういう本にふらふらと引き寄せられてしまうのだ。 まぁしかしバッサバッサと斬り捨てる斬り捨てる。 谷崎潤一郎も本多勝一も丸谷才一も…あまたある文章読本がこき下ろされまくりだもんね。小気味いいというか悪いというか。 唯一手放しで褒められていたのは橋本治だけだったかな。 要するに、好きなように書いたらいいじゃん!って事。だった。と。思う。

Posted byブクログ

2009/10/04

文章読本という、「文章についての文章」の評論である本書は、斉藤さんの他の本同様、とても辛辣な語り口。過剰かしら?と思うほど古今の文章読本に冷徹な類型化がなされる。それでもいやらしくならないのは引用の上手によるだろう。かなり多い引用が為されているが、意図に沿った過不足ない引用範囲を...

文章読本という、「文章についての文章」の評論である本書は、斉藤さんの他の本同様、とても辛辣な語り口。過剰かしら?と思うほど古今の文章読本に冷徹な類型化がなされる。それでもいやらしくならないのは引用の上手によるだろう。かなり多い引用が為されているが、意図に沿った過不足ない引用範囲を選択しているから全体のテンポが崩れない。このあたりのセンスは飛びぬけているように思う。メタ評論なぞをやろうとするならば、嫌味と皮肉をユーモアのレベルまで引き上げて、ぎりぎりの位相でうまく踊る斉藤さんのバランス感覚、文体は参考になるのでは。

Posted byブクログ

2009/10/04

これはかなり面白かったです! 超ヒットでしたv 世に溢れかえり過ぎて迷宮入りしている( 笑)「文章指南書本」をきちんと系統立ててくれている気がします。ちゃんと、それぞれの筆者たちの主張を分析していたり、その緻密な分析には舌を巻きました。

Posted byブクログ

2009/10/04

文章読本・文章指南書の書評なんですが、斎藤美奈子さんが書けばこうなっちゃうんですね〜。本の裏表紙に『斬捨御免あそばせ!』って書いてありますが、まぁ要するにそういう本なんです(笑)

Posted byブクログ

2009/10/04

漢字を追うのに必死 だいたい この人の書くものは すべて 先に読者が知っているということ前提に書いているから、この人を読んで 書いてあるもの全て読んだつもりには絶対になれないとおもうね。 したがって なんとか さらにこの人の書いたものを楽しむために 参考資料にしてある文献をあさる...

漢字を追うのに必死 だいたい この人の書くものは すべて 先に読者が知っているということ前提に書いているから、この人を読んで 書いてあるもの全て読んだつもりには絶対になれないとおもうね。 したがって なんとか さらにこの人の書いたものを楽しむために 参考資料にしてある文献をあさるという楽しみが増えるだ。一粒で二度おいしい人だ

Posted byブクログ