こちら『ランドリー新聞』編集部 の商品レビュー
『ぼくたち負け組クラブ』を読んで、作者に興味を持ち読みました。 あとがきに作者は元々教員だったと書かれていました。 だからこういう作品が書けるのか、と腑に落ちました。 授業時間でありながら教えることを全くせず、コーヒーをすすりながら新聞を読んでいるラーソン先生。彼のクラスに入っ...
『ぼくたち負け組クラブ』を読んで、作者に興味を持ち読みました。 あとがきに作者は元々教員だったと書かれていました。 だからこういう作品が書けるのか、と腑に落ちました。 授業時間でありながら教えることを全くせず、コーヒーをすすりながら新聞を読んでいるラーソン先生。彼のクラスに入った転校生のカーラは、ラーソン先生がいかによくない教師であるか記事にまとめ、新聞として教室に掲示します。 クラスの子どもたちが協力して新聞を作る様子を想像すると、微笑ましいです。 言論の自由、離婚問題などなど、いろんなことを考えるきっかけになる本だと思います。
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カーラ、ランドリーは4年生のとき引っ越しして、半年後たった現在は5年生。白いブラウスに格子のスカートを履いた目立たない女の子。 カーラの145番教室は、ラーソン先生が担任。いつも大騒ぎで保護者からはウチの子をラーソン先生のクラスにしないて欲しいと校長宛にお手紙が寄せられる。ラー...
カーラ、ランドリーは4年生のとき引っ越しして、半年後たった現在は5年生。白いブラウスに格子のスカートを履いた目立たない女の子。 カーラの145番教室は、ラーソン先生が担任。いつも大騒ぎで保護者からはウチの子をラーソン先生のクラスにしないて欲しいと校長宛にお手紙が寄せられる。ラーソン先生は新聞ばかり読んでいて授業らしい授業をしない。 カーラは10月の金曜日に誰にも言わずに『ランドリー新聞』第1号を発行して、教室に掲示した。子ども達はランドリー新聞をみんなで見ていた。ラーソン先生もよくかけている記事ばかりだと喜んで読んでいたら編集部だよりにはラーソン先生が授業をしないのに給料をもらっている事が書かれていた。 かつては3年連続で年間最優秀教師賞を貰っていたラーソン先生だが疲れてしまって、今はやさぐれている。 ランドリー新聞をきっかけにラーソン先生は、私生活は児童にとって関係がないことを考えて、反省した。そして変わろうとした。 カーラはクラスメイトの助けを借りてランドリー新聞の2号を「真実と思いやりをモットーに」として出した。(カーラは4年生の時に前の学校で新聞を出していたが、両親の離婚で心が荒れていたので、誰に対しても意地の悪い態度だった。新聞を作る姿勢も意地悪だったので、前の学校でも揉めた。今回新聞を書いて出した時それをお母さんから指摘されてカーラは反省した。2号からは態度を改めることにした。) 校長のバーンズ博士はラーソン先生を辞めさせるために、ランドリー新聞に落ち度がないか(学校新聞に載せるべきでない記事はないか)に目を光らせていた。そして、持ち込まれた物語(個人的体験談だったようだ)の「悲しみをのりこえて」を12月の9号に見つけた時、バーンズ博士はこれは、使えると考えた。 ラーソン先生は辞職の危機に直面するが、そこでとったラーソン先生の行動とは?カーラ達の機転の利いたやり方とは? 新聞とは?表現の自由とは?憲法とは?など社会科の学習に役立つ。反省してやり直す、親の離婚でダメージを受ける、自分で考えて行動するなど色んな事を考え学べる本だ。小学校高学年、中学生にぜひ読んでもらいたい。
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カーラ・ランドリーは転校前の学校で、ランドリー新聞なるものを発行してきた。事実を伝えているものの、その内容は、誰かを攻撃・批判するものも多く、大人たちの批判を買っていた。 そして、転校先の小学校でもランドリー新聞なるものを発行するのだ。 カーラのクラス担任は、授業を放棄するようは先生で、宿題も出さないし、勝手にクラスで勉強させ、本人は新聞をゆったり読んでいるような、周囲の保護者や校長達から煙たがられる存在。校長は、ラーソン先生をどうにかして辞めさせる材料はないかと狙っている。 そんな中でカーラはラーソン先生のやり方を問う記事を書いた新聞を発行。ラーソン先生を読んでショックを受け、一度は怒るものの、家で今までの自分の行動を振り返り、これではいけないと、考えを改める。 これをきっかけにラーソン先生は教室で新聞を通して、報道と表現の自由についての授業を行っていく。 一方、カーラは、母親からたとえ事実ではあっても人を傷つけ悲しませるような記事を書くことはあってはならない、と言われ、ラーソン先生の授業も相まって、自分の書いてきた新聞内容を振り返り、どのような新聞が『良心』のある新聞なのか、を考える。 ランドリー新聞は、学級新聞であったが、反響は大きく、目立たない存在だったカーラは一気に注目を集める。 そして、新聞発行にクラスから協力者も現れ、新聞のファン(大人も子どもも)も増え、カーラは編集長に、ラーソン先生が新聞における責任者となり、発行部数も増やしていく。 ところが、ある日発行された新聞を校長が読み、それを材料に、ラーソン先生を退職に追い込もうとするが、先生は、自らの退職の危機をも客観的にとらえ、授業として、アメリカの憲法でも保障されている、報道と表現の自由、についての授業を進めていくのだ。 報道と表現の自由。 事実は事実として、それを好意的にとらえるか、批判的にとらえるか、それとも中立的にとらえるのか、多方向からのアプローチがあります。 同じ事実でも、そこに新聞の『良心』が現れるのです。 ランドリー新聞のモットーは『真実と思いやり』 授業を通して新聞を作っていく子どもたちに色々な気づきが出てきてきます。 私が素晴らしいと思ったのは、この授業風景。 日本とは違って、教科書にだけ沿って授業を行うのではなく、あるテーマを先生が投げかけ、生徒同士で自由に意見を交わし、それを最後に先生がまとめていく、というスタイル。 今、日本が学校に取り入れていこうとしている『アクティブ・ラーニング』の世界がここにあります。 こういった授業を進めることにより、子どもたちは、疑問に思ったこと、意見を交わす力を自然と身につけていくことができるのだな、と感じました。 難しいテーマでも、疑問の投げかたを優しくすれば、子どもたちもそれを考えて、理解していくことができるのだ、教えてくれました。 ラーソン先生も子どもたちにとっても楽しい授業をすることで、子どもたち、そして大人たちから再び信頼を得ていくのです。 児童書ではあるけれど、読みごたえがたっぷりの面白みのある本でした。大人にもお薦めです。
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最近小学生の頃に読んだ本を読み返すのにハマっているんだけど、やっぱり心が洗われるというか、大事なことを思い出させてくれる。
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読みごたえがあった。 たしかに主軸となる内容は、アメリカの平均的な小学校で起こった、小学5年生の女の子カーラが手製の新聞を唐突に教室に貼ったことから生じた、新聞にまつわる一連の物語。つまり表紙のイメージどおり。 だが実際読んでみると意外と中身は濃い。私がそう感じたのは、この本では...
読みごたえがあった。 たしかに主軸となる内容は、アメリカの平均的な小学校で起こった、小学5年生の女の子カーラが手製の新聞を唐突に教室に貼ったことから生じた、新聞にまつわる一連の物語。つまり表紙のイメージどおり。 だが実際読んでみると意外と中身は濃い。私がそう感じたのは、この本では、カーラとラーソン先生、そしてクラスメイトの日常の姿を借りる形で、まるでアメリカの歴史がぎゅっと凝縮されているかのように物語が進んでいくから。つまりこの本には、次にあげた複数のテーマが重層的に折り込まれているから読みごたえがあるのだ。 ① カーラが発行する新聞を起点にした、ジャーナリスムのあり方について(真実の追求と取材相手の人権尊重とのバランスのとり方) ② 植民地として自由を奪われていたアメリカが、独立して築き上げてきた自由と権利の根幹をなす、出版と言論の自由について ③ 小学校では、管理教育と、児童の自主性に任せる教育とのどちらが優れているのかについて そして、強いてあげれば、もう1つ。 ④ 両親の離婚が現実になったときの、小学生にとって受け入れられる現実とそうでない現実について こうやって①②③④を書き並べたら、とても子ども向けの本には見えない。でもこれがこの本の真の姿であり、子どもの読者を子ども扱いしない、アメリカの児童書の奥深さだ。 ①と③なんか現時点でも正しく答えられる大人がいるのかどうか、心もとない限り。だが本来ならば、私たちが社会生活を送るうえで、歴々の諸先輩方が数々議論してきた論点をきちんと現代の視点で整理して、自分なりの答えを頭の中に用意しておくべき大事なテーマだ。 えっ、「今まで生きてきて、そんなことちゃんと考えたことなかった」って?まあ(私も含めて)誰でもそうだと思う。 だけどこの本では過去から現代までのアメリカでの議論のポイントを、まるで早回しの映像のように小気味よく見せてくれるから、読者は各テーマについてのヒントにその都度気づくことになる。(でも、正解が何かを考えるのはあくまで読者自身だよ。) それと、この本の表紙を見ればわかってもらえると思うけど、イラストもナイス(絵を描いたのは日本人の伊東美貴さん)。 楕円形の独特なフォルムで描かれた女の子の顔はチャーミングで目を引くし、ラーソン先生の授業の雰囲気が一目でわかる13ページのイラストは、小物などの細部が画面一杯に描きこまれた力作。 そのように、翻訳やイラストなどの日本の出版社でなされた仕事が、アメリカ生まれの原作とハーモニーを織りなし、ともすれば固くなるテーマを適度にほぐしてくれている。だからアメリカの固有名詞がいくら出てこようとも、日本の少年少女にとっても読みやすく、感情移入しやすいはず。
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ランドリーは目立たない女の子だが新聞を出すことでクラスの注目を浴びることになる。担任の先生のことを新聞上で批判した。それは事実を書いたまでのことであったが、先生の反応やおかあさんこら情報を発信する立場にある人にほ事実を伝えるだけではなく思いやりも必要だと学ぶ。そのことから先生と和...
ランドリーは目立たない女の子だが新聞を出すことでクラスの注目を浴びることになる。担任の先生のことを新聞上で批判した。それは事実を書いたまでのことであったが、先生の反応やおかあさんこら情報を発信する立場にある人にほ事実を伝えるだけではなく思いやりも必要だと学ぶ。そのことから先生と和解し、クラスのみんなの協力を得て新聞を発行することになった。 あるクラスメートが自分の記事を新聞に載せてほしいと言って持ってきた。その記事が大きな問題を起こすことになった。
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いろいろなブックリストに紹介されているのも納得の本でした。 文字として難しくはないけれど、内容をより深く感じてほしいので高学年におすすめ。
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小学校高学年向き 新聞にとって大事なことは、真実を伝えること、真実を伝えることで人を傷つけてしまう場合は思いやりを持って書かれた記事かということ。 表現の自由を考えさせられるお話です。
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タイムリーにも(というかちょっと遅いかもだけど)言論・出版の自由を扱った物語ということで、児童書だからといわずに大人も読んで得るところ多い本ではあるけれど、それが真っ向から扱われるのは後半で、前半はカーラとラーソン先生というふたりの人間の出会いと成長の物語になっていて、そこがけっ...
タイムリーにも(というかちょっと遅いかもだけど)言論・出版の自由を扱った物語ということで、児童書だからといわずに大人も読んで得るところ多い本ではあるけれど、それが真っ向から扱われるのは後半で、前半はカーラとラーソン先生というふたりの人間の出会いと成長の物語になっていて、そこがけっこう好き。 「人を怒らせるために」真実を突きつけて憂さ晴らしをしていた新聞作りが趣味の少女カーラに、子供たちを自発的に学ばせる善い指導者からいつの間にか怠惰な放任主義の教師に成り下がっていたラーソン先生。正しい気持ちが行き場を見失っているという点では共通しているこのふたりが出会ったことでラーソン先生の授業は生気を取り戻す。この「間違っているときのふたり」に思い当たるところのある大人も少なくないのではないかと。 カーラの新聞がみんなでつくる学級新聞になり、それからそれが原因である事件が起こると、ラーソン先生はトラブルをクラスの子供たちの生きた教材にしようと、危機に瀕している自身の立場も省みず奮闘する。そういう中で、言論・出版の自由を保障する有名な米国憲法の「修正第一条」が出てくるわけだけど、当事者、利害関係のある人たち、考えなければいけないこと等々、いちいち具体的に話が進んでいく書きぶりに、ともすれば理想論扱いされがちな言論の自由をめぐる日本国内での議論とは違う、地に足の着いた展開を見て新鮮だった(し、勉強になった)。最終的に言論・出版の自由を担保してるのはみんなの良心でしょ、という明るい確信が感じられるのも米国らしい。
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転入生のカーラ・ランドリーは 担任のラーソン先生がまともな授業をしてくれないことに腹をたてて、先生に対する批判を「ランドリー新聞」に書いて、教室の後ろの掲示板に貼りだした。これが1号となり、クラスメイトたちも参加して「ランドリー新聞」が発行される。 書くことの自由、新聞の公平さ、思いやり・・・新聞をつくることで成長していく。
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