人間動物園 の商品レビュー

連城三紀彦(著者)

2023/04/08

惜しい。面白そうな題材であるにも関わらずどこか凡庸で、退屈な場面が長々と続く。後半に至ると怒涛の展開を見せて目を見張るが、それに至るまでが長くて損をしている。あの鬼才もこういった作品を残していたのかと考えると少し切なくなった。

2016/04/26

なんかすごい最後でした。さすが連城マジック。2転3転はいつものことです。なんとなくおかしな感じの誘拐の真相が少しずつ明らかになっていくのは楽しめました。

2015/02/19

良かった点
前半。雪と盗聴器の檻に閉じ込められた家。行く先々に横たわる動物の死骸。何かを隠していそうな母親と隣人。ちらちらと見え隠れする外野の存在。待機するサツ官同士の不協和音。ひと癖もふた癖もある緊迫感のある設定で期待が膨らみます。

良くなかった点
ラストスパート。鬱屈したコウモリ男の心理がさっぱり分からない。警察＝国家？国会＝悪？昭和の美学なの？？期待させといて何だよそれ～って感じ。

総評
「夜よ、鼠たちのために」の孤独でぶっ飛んだ元少年に振り回されて置き去りにされた感じ。この世代にしか分からない価値があるのかなとは思うけど、緊迫と不信の後拍子抜けからの展開はプロだなと思うけど。でも「？？？」がいっぱいで消化不良！

2013/05/13

サスペンス物は、どんどん惹き込まれていくから、面白い。
途中でページを捲る手が止められなくなった。
二転三転して、それで？それで？
ってなるし、最後はまったく思いも付かない結末で。
誘拐事件の話しだけど、誰もが被害者になるのよね・・・

2011/10/18

読み進んで、以前読んだ事がある時が付いた。

読んだ本を再度借りてくる事はたまにあるが、面白かったものはそれなりの記憶がよみがえるのだが。
この本は、読んだ事がある程度の記憶なので面白くなかったのだろうと思う。
時間の無駄と思い70ページで中断。

2010/10/10

埼玉県笠井市でおきた幼女誘拐事件。
数十年ぶりの大雪のなかであらゆる都市機能は麻痺し、また被害者宅は犯人により盗聴器が仕掛けられており捜査は思うようにすすまない。
被害者宅の浴室と隣家を介した母親との筆談と鈴の音が頼りなのだ。
そんな中、母親の行動に不自然な点がみえはじめ狂言説が浮上する。
犯人の要求する一億円という身代金はユキの祖父で総理大臣候補の一億円献金疑惑の金額でもあるのだ。
盗聴波を盗聴するという異常な事態の中、疑心暗鬼に陥る人たち。
二転、三転する誘拐劇の果てにあるものは。。。

物語のほとんどが被害者宅と隣家で展開され、筆談と盗聴によって話が動いてゆくので序盤は動きが無く物足りなく感じましたが、そのぶん人の心の動きが際立っていました。
大雪という舞台も非常に効果的。

これまたすごい作品。こういう誘拐があるなんて。
「人間もまた動物なのだ」という概念。檻に閉じ込められているのは誰なのか。
『人間動物園』というタイトルから少し敬遠していたのですけど、手にとってそのタイトルのはまり具合に唸らされました。

この反転の構図の見事さ。
動きが少ないので地味な印象でしたがこの着想はすごいです。
これまた職人芸でした。

2010/09/04

記録的な大雪にあらゆる都市機能が麻痺するなか、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。被害者宅の至る所に仕掛けられた盗聴器に、一歩も身動きのとれない警察。追いつめられていく母親。そして前日から流される動物たちの血・・・。二転、三転の誘拐劇の果てにあるものとは!?連城マジック炸裂の驚愕ミステリー。「このミステリーがすごい!」2003年版・第7位。待望の文庫化!!。

2010/01/29

誘拐ものミステリ。だけどこういうタイプの、あまり見たことがなかった。発想の転換とでもいうか、意外といっちゃ意外な真相。こうくるかっ！と唸らされる。ちょっと読みにくい感じなのが難点。

2009/10/07

「造花の蜜」の作者なのでかなり期待して読みましたが、これは。。。。

おなじ誘拐ものですが、全体的にだらだらしてタイトルに固執しすぎている。言いたいことはわかるんですが、いまいちぼやけていて動機も理解しにくい。
これだけの材料でここまで書けるのはすごいと思うけど、はっきり言って面白くなかった。

2009/10/04

大雪の日に埼玉で誘拐事件。
ペットが誘拐されたと連日電話をしてきた隣の主婦が連絡。
家の中が盗聴されていると筆談で教えてもらった。
1億円疑惑の大物政治家の愛人の息子と離婚した女。孫が誘拐。
身代金が1億円。狂言の疑いが高い。
子供は愛人の息子の再婚相手が連れ出した。すべては狂言。