「満州国」見聞記 の商品レビュー
1931年9月18日、中国東北部で勃発した紛争に世界は震撼した。国際連盟は実情把握のため、リットン卿を団長とする調査団を派遣する。 日本、中国、満州、朝鮮。 一行は行く先々で昭和天皇、張学良、溥儀ら錚々たる面々と会い、また名もなき民衆の生活をまのあたりにした。 本書はもちろ...
1931年9月18日、中国東北部で勃発した紛争に世界は震撼した。国際連盟は実情把握のため、リットン卿を団長とする調査団を派遣する。 日本、中国、満州、朝鮮。 一行は行く先々で昭和天皇、張学良、溥儀ら錚々たる面々と会い、また名もなき民衆の生活をまのあたりにした。 本書はもちろん、一部抜粋である。 これまで、満州関係の著書は日本人によって書かれたものしか読んだことがなかったが、随分とまでは言わないが、やや印象を異にする。 満州はもちろんだが、当時の中国の市井の民の情景がよく分かる。 現在の日本の民主主義は満州事変に端を発すると言っても過言ではないのかな。
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2002年(底本1988年)刊行。ドイツ人によるリットン調査団随行記。◆当時の各地の雰囲気・満州事変に対する目線を伝える点で一読の価値がある。また、その範囲も中国本土に止まらず、日本、朝鮮、ソ連などにも及ぶのも買いである。
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興味深く手に取って見たが、通読すると、(個人的には)然程刺激を受けることがないものであった。とは言え、当時の接遇の様子や、当時の歴史の当事者の息遣いを生々しく感じることができるという意味では、貴重な一冊であることには変わりない。
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「満州国」見聞記だが、日本、中国、満州、朝鮮について記述が詳しい。ドイツ人の目で見た当時の各国、というより各国の人物の記述や、出来事の記述が客観的で説得力がある。日本、中国、満州、朝鮮についてはいずれか当事国の人間の記述したものばかりだからか。 5.15事件当時の日本の雰囲気の描...
「満州国」見聞記だが、日本、中国、満州、朝鮮について記述が詳しい。ドイツ人の目で見た当時の各国、というより各国の人物の記述や、出来事の記述が客観的で説得力がある。日本、中国、満州、朝鮮についてはいずれか当事国の人間の記述したものばかりだからか。 5.15事件当時の日本の雰囲気の描写は臨場感があり、日本陸軍を、そして日本の動きを作っているのが、陸軍青年将校たちになりつつあることが欧米の人たちには共通の認識であった事が、私にとっては新しい知識だった。「服して従わず」「なんとなく通ってしまう」という日本人の「失敗の本質」は当時から外の人々にはわかっていたということか。 読む価値は十分にある。
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