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ジャンプ の商品レビュー

3.5

99件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    3

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2012/10/19

リンゴを買いに行ったまま失踪してしまった彼女を捜索するお話。 恋愛に重要なのは「タイミング」「フィーリング」「ハプニング」だとよく言われるが、本作はその「タイミング」に関しての要素が強いかな。 佐藤正午作品はこの一作のみしか読んでいないが、いま小説を書かせたらNo.1の実力と言...

リンゴを買いに行ったまま失踪してしまった彼女を捜索するお話。 恋愛に重要なのは「タイミング」「フィーリング」「ハプニング」だとよく言われるが、本作はその「タイミング」に関しての要素が強いかな。 佐藤正午作品はこの一作のみしか読んでいないが、いま小説を書かせたらNo.1の実力と言っても過言ではないと思う。女性視点で読むと違和感が残るような気もするが、男の心理描写は抜群に上手い。 読んでていちいちイライラさせる主人公の優柔不断な部分は、きっと同族嫌悪なのだろう。終始、痛いところを突かれたような感じを抱えながらも、読了。

Posted byブクログ

2012/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ネタバレ注意。 呼んでいる途中からすごく気になっていたのですが、 なんでこの主人公の男は、 失踪した彼女を一生懸命探している一方で 同僚の女子とデートしていたのでしょうか。 二股ってことでは? そこがどうしても引っかかっていたのですが、 結末まで読んで、やはりそこに意味が。。。。。 いろんな意味が! 全体を振り返ってみると、1/3くらいまでは、 ものすごく、おもしろかったです。 一気に5年たってからとたんにしぼんだ。 ★5つまではいかない。

Posted byブクログ

2012/05/05

日本全国で1年間に、自分の意思で姿を消してしまう人間は、7万人以上。。。 その夜、ガールフレンドは、酩酊した僕を自分のアパートに残したまま、明日の朝食のリンゴを買いに出かけた。 「5分で戻ってくるわ」と笑顔を見せて。 しかし、彼女はそのまま姿を消してしまった。 僕は、わずかな手が...

日本全国で1年間に、自分の意思で姿を消してしまう人間は、7万人以上。。。 その夜、ガールフレンドは、酩酊した僕を自分のアパートに残したまま、明日の朝食のリンゴを買いに出かけた。 「5分で戻ってくるわ」と笑顔を見せて。 しかし、彼女はそのまま姿を消してしまった。 僕は、わずかな手がかりを元に行方を探し始めた。 これは、言ってしまえば、姿を消したのは事件性とかではなく、彼女は自分の意思で姿を消してしまってんけど、その理由が切なかった。 自分なら、こういう行動をするかどうかと問われたら、絶対にしない!!って言うか、できひんと思う。 そんな勇気ないわ。 東京ラブストーリーの最終回のリカ(鈴木保奈美)が出した行動を思い出し、切なくもあり、彼女の度胸のすごさも感じて、面白かった。 この小説の中で5年の歳月がたってるねんけど、数ヶ月の出来事を凝縮された感じに思えて、サラッと読むことができた。 これは、読む人によっては、面白い人とつまんない人と、はっきり別れるかなと思ったけど、うちは、最後が好きやったから、オモローやった。

Posted byブクログ

2012/03/28

恋人の突然の疾走。その行方を探し始めた僕。伏線の張り方が絶妙で謎解きも意外でした。文体の感じも軽やかでさりげない感じが気に入った。平凡な人生に起こり得そうな物語で好感度大でした。他の作品もよんでみたくなりました。

Posted byブクログ

2012/03/04

やめようやめようと思いつつ、ここまできたからには全作品読んでやろうかとも思いながら、それは時間つぶし以外のなにものでもないことに気付いている、そういう佐藤正午作品の一つ。 りんごを買いに行くといって失踪してしまう女性に取り残された男の話。結局人生なんてタイミングを逃せばそんなもの...

やめようやめようと思いつつ、ここまできたからには全作品読んでやろうかとも思いながら、それは時間つぶし以外のなにものでもないことに気付いている、そういう佐藤正午作品の一つ。 りんごを買いに行くといって失踪してしまう女性に取り残された男の話。結局人生なんてタイミングを逃せばそんなもの、そのタイミングはほんの些細なもの、そういうことが書いてある。だから一瞬一瞬を大切に生きよう、と思わせないところが、佐藤氏の凡庸な素晴らしさですが!

Posted byブクログ

2012/03/02

哲学的なテーマを、ありふれた恋愛ストーリーに乗せ、説明的ではなく、登場人物のキャラと日常の描写でそういうテーマを描ききっている。ものすごい力量だ。 ぼくにはどうもラストシーンは気持ち悪いのだが、それもうまい具合に問題提起して終わっているからなんだと思う。 どの登場人物に感情移入す...

哲学的なテーマを、ありふれた恋愛ストーリーに乗せ、説明的ではなく、登場人物のキャラと日常の描写でそういうテーマを描ききっている。ものすごい力量だ。 ぼくにはどうもラストシーンは気持ち悪いのだが、それもうまい具合に問題提起して終わっているからなんだと思う。 どの登場人物に感情移入するかによって物語が異なって見えてくるという多面性を仕掛けてあるのもすごい。 久々に骨太の「文学作品」を読んだ。

Posted byブクログ

2012/02/18

この作家の作品を読むのは久しぶりです。昔からわりと好きな作家の一人です。作風でいうと内容的には「平凡」な男を主人公にした「平凡」な恋愛小説が多いという印象があります。ただしこの人は小説がうまい。  どの作品の主人公も私自身に世代的に近いということもあるけど、「等身大」の男の心理...

この作家の作品を読むのは久しぶりです。昔からわりと好きな作家の一人です。作風でいうと内容的には「平凡」な男を主人公にした「平凡」な恋愛小説が多いという印象があります。ただしこの人は小説がうまい。  どの作品の主人公も私自身に世代的に近いということもあるけど、「等身大」の男の心理がうまく表現されててその辺に共感を覚えるのかなぁ。なんとなく不安定な心というか存在感というか、どこか曖昧ですっきりしない感じもするんだけど、主人公も小説自体も。でもそういうところが好きですね、この作家の小説は。  この作品は突然恋人が「失踪」してしまった男の話しです。話しの本筋としては、だから失踪した恋人探しなんですが、そういう謎解き的な部分はもちろん重要ではないですし、面白いわけでもないです。ただしその「物語」の中で描かれる、なんというか、人間関係・男女関係の微妙さ、機微、脆さ、不思議さ、これは「人生の」と言い換えてもいいんだろうけど、どうも私の語彙と表現力ではうまく言い表せないんですが(^^ゞ そういうもろもろが実にいいんですよね。うまい。  いつまでも記憶に残る、というほどの作品ではないですが、ちょっと独特の雰囲気が馴染めれば、味わい深い作品です。

Posted byブクログ

2011/10/01

リンゴを買いに行ったまま戻らない彼女を捜す、というストーリーの発想はすごい。少しずつ明かされる失踪原因が先を読みたい衝動を刺激した。

Posted byブクログ

2011/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一杯のカクテルがときには人の運命を変えることもある。 という冒頭の書き出しに惹かれてかりてみた佐藤正午の「ジャンプ」。主人公の恋人失踪といことで推理小説かと思いきやそんなことはなく。 正直、そこまで面白くもなく。話の展開が前半はダラダラと進んだので、後半で加速することを期待したのだが。後半では失踪の理由が判明して「えっ?」と少し驚いたくらいで。テーマはきっと“偶然”だったんだろうけど、もう少し“偶然”を絡めて奇想天外な結末を用意して欲しかったです。恋人が帰ってこなくても、仕事が入ってたらきっと主人公と同じように仕事に行くんだろうな、俺も。などと陳腐な感想しか残らず読了。なんか久しぶりに片山恭一*1が読みたい。

Posted byブクログ

2013/02/06

読み進むほどに謎が深まり、色々想像しながら読みました。みはるの失踪の原因の謎を解こうと外へと目を向けている三谷くんだけど、結局は自分の身近に理由があった・・・というところが興味深かった。

Posted byブクログ