家庭の医学 の商品レビュー
読むのがつらい秀作。エッセイに分類すべきか悩んだが、これは私小説の目指すべき姿であると思い、分類を小説とした。 末期癌が発見された母の死にゆく日々を、淡々とした筆致で描く娘の視点が痛々しい。 いつか自分が状況に置かれたら、きっと同じようにクリスティやホームズのような小説や、何か笑...
読むのがつらい秀作。エッセイに分類すべきか悩んだが、これは私小説の目指すべき姿であると思い、分類を小説とした。 末期癌が発見された母の死にゆく日々を、淡々とした筆致で描く娘の視点が痛々しい。 いつか自分が状況に置かれたら、きっと同じようにクリスティやホームズのような小説や、何か笑えるようなものを読みたいと思うだろう。何か死から遠く離れたものを、家族に見せたいと思うだろう。だから、今、何もない時にこういうものを読んで備えることはいいことだ。そのはずだ。そんな状況に身を置きたくはないけれど。
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