赤頭巾ちゃん気をつけて 改版 の商品レビュー
かなり面白かった。主…
かなり面白かった。主人公は日比谷の3年生で東大の入試がなくなった年で、ちょうど学校もなくなった2月のある一日を舞台として書いてある。毎月の小遣いが5000円という記述があったが、今の時価で考えるとおそらく25000円程度でありかなり裕福な家庭であると思われる。主人公がぐだぐだと悩...
かなり面白かった。主人公は日比谷の3年生で東大の入試がなくなった年で、ちょうど学校もなくなった2月のある一日を舞台として書いてある。毎月の小遣いが5000円という記述があったが、今の時価で考えるとおそらく25000円程度でありかなり裕福な家庭であると思われる。主人公がぐだぐだと悩みまくる様子が軽快に書かれている。
文庫OFF
昭和のハイソな若者の葛藤や迷いを清々しく書いた作品。今だとちょっと問題じゃないかと思う表現もあるが、そこも含めて時代を感じた。
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自分が小学生の頃母親が読んでいた本。 中村紘子さんと結婚するキッカケになったと言われてる部分、確かにありました。 ただ、読後の感想としては、何か昭和30年代後半から40年代にかけての文化史を読んでるみたい。高校生のボクのある1日(結構詰め込みすぎ)の出来事。 日比谷や東大が...
自分が小学生の頃母親が読んでいた本。 中村紘子さんと結婚するキッカケになったと言われてる部分、確かにありました。 ただ、読後の感想としては、何か昭和30年代後半から40年代にかけての文化史を読んでるみたい。高校生のボクのある1日(結構詰め込みすぎ)の出来事。 日比谷や東大が何なの?結局は当時の価値観どっぷりじゃないの?とツッコミを入れたくなる。一つ一つの文章も長くて、句読点も少ないので余計に読みにくくなる。大人が高校生を演じてる感じがイヤに鼻に付く…
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今の言葉や時事ネタで小説書いたら40年たったらこうなってるんだろうな。まあ読みはじめはちょっとわかんない。 にもかかわらず読んでいて、!っと思うところがあるってことは、人間って根本はずーっと同じってことか、根本に近いものが書かれてあるってことなのか。 ずーっと昔の人が今の若者はな...
今の言葉や時事ネタで小説書いたら40年たったらこうなってるんだろうな。まあ読みはじめはちょっとわかんない。 にもかかわらず読んでいて、!っと思うところがあるってことは、人間って根本はずーっと同じってことか、根本に近いものが書かれてあるってことなのか。 ずーっと昔の人が今の若者はなっちゃないってなげいてたみたいに、人間は同じものを抱えて生きて死んで繰り返してるんだろうな。 今じゃわかんないこの口語で思考する主人公の自分を自分たらしめるもの。 じゃあの人をあの人たらしめているものはなんだ。で、自分は。 自分だって、少なくともその、頼りないようなふけば飛ぶようなものを信じている部分があるからなんとかやっていけてる。 それはこうやって、この小説以前からも、ずーっと昔から、それこそ人間に連綿と続いていたテーマだったのかもしれない。
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「お行儀のよい優等生」の葛藤の一日。日比谷高の東大受験生の主人公だが、東大入試が中止。国公立願書締め切り一日前のはなし。 左足の親指の爪がとにかく痛い… C1193
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大学紛争によって目指していた東大入試が中止になってしまった青年の、一日を描いた小説。 恋人のようで恋人ではない幼馴染の女の子との絶好、足の怪我、飼い犬の死、そして世の中への怒りへと気持ちが高まっていく。 頂点に達する寸前で、小さい女の子(赤ずきんちゃんの絵本を買いに行くところだっ...
大学紛争によって目指していた東大入試が中止になってしまった青年の、一日を描いた小説。 恋人のようで恋人ではない幼馴染の女の子との絶好、足の怪我、飼い犬の死、そして世の中への怒りへと気持ちが高まっていく。 頂点に達する寸前で、小さい女の子(赤ずきんちゃんの絵本を買いに行くところだった)に出会ったことにより、優しい気持ちを取り戻す。幼馴染とも仲直りする。 庄司薫という名前は主人公でもあり、この作品を書くためにつけたペンネームでもある。「自伝を書く架空の作家」をでっちあげたことになる。 赤ずきんの赤は共産主義の赤であるように、いろいろな隠喩が散りばめられている気がする。文体は軽いが、なかなかに難解で深みのありそうな作品。
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受験を目前に控えた日比谷高校の男の子の話。 学生運動のさ中、東大紛争が原因で目指す東大の試験が中止となる。 進路を断たれた主人公は、自分の存在意義について考え直し始める。 友情、恋愛、性、勉学など、思春期の若者が直面する問題を乗り越えて、「社会全体の幸福の為に生きる」という...
受験を目前に控えた日比谷高校の男の子の話。 学生運動のさ中、東大紛争が原因で目指す東大の試験が中止となる。 進路を断たれた主人公は、自分の存在意義について考え直し始める。 友情、恋愛、性、勉学など、思春期の若者が直面する問題を乗り越えて、「社会全体の幸福の為に生きる」という目標を見出す。 しっかりとしたテーマ性のある内容だが、自分は読むタイミングが少し違ったのか、共感できる点が少なかった。 表面的にしか読めていないと思うので、もう一度読み返すと違った感想が持てそうな気がする。 kindleにて読了
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もっと一気に読めばよかった。 初めのあたりでぐいっと入り込んで、途中休んだら今度は何故か入り込んでいけず、友人が登場したあたりからまたぐぐいっと入り込んだという。 ひとつの文章がぎちぎちと詰まっているので、休んだことで流れを見失ったせいもある。 しかしところどころ共感できる...
もっと一気に読めばよかった。 初めのあたりでぐいっと入り込んで、途中休んだら今度は何故か入り込んでいけず、友人が登場したあたりからまたぐぐいっと入り込んだという。 ひとつの文章がぎちぎちと詰まっているので、休んだことで流れを見失ったせいもある。 しかしところどころ共感できる部分があってそこを読むのは楽しかった。 もう一度読んだ方が良さそう、今度は一気に。
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アメトーークの本好き芸人でオススメされてたので読んでみた。最近の本しか読まない自分×独特の文体という組み合わせで最初は読み進めるのに苦労したけど、ちょっとエロい話になった途端すらすらとページをめくることが出来た正直者。 物語というよりは……なんていうんだこういうの。文学? 全く手...
アメトーークの本好き芸人でオススメされてたので読んでみた。最近の本しか読まない自分×独特の文体という組み合わせで最初は読み進めるのに苦労したけど、ちょっとエロい話になった途端すらすらとページをめくることが出来た正直者。 物語というよりは……なんていうんだこういうの。文学? 全く手をつけてこなかったタイプの作品なだけにジャンル分けすら出来ない悲しみ。舌噛んで死んじゃいたい。 でも読み進めていくうちに共感を覚える文章がちらほらと出てきて。「足の親指を負傷したり受験が中止になったりしたついてないとある男子の一日」って認識が、「そんな男子と一緒になって、自分達はどう生きるべきなんだろうね」なんて事を考えさせられるようなものになってた。気付いたら薫くんと友達感覚になってたり、自然と親しみが湧いてたり。そんな作品。
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これを忘れるなんて俺としたことが。この本芥川賞とったんだけど、その年の芥川賞選評本を図書館で見つけて読んだわけ。すげえ面白かった。みんな選考委員が「これいい!」って言ってるなかで川端康成が「私にはこの小説のよさがわからない..... 私一人だけ......歳を取ったということか」...
これを忘れるなんて俺としたことが。この本芥川賞とったんだけど、その年の芥川賞選評本を図書館で見つけて読んだわけ。すげえ面白かった。みんな選考委員が「これいい!」って言ってるなかで川端康成が「私にはこの小説のよさがわからない..... 私一人だけ......歳を取ったということか」ってひたすら落ち込んでるの。まあ、それぐらい純文学としては異端なんだけど、どう異端かって言うと明るいポップソングな訳。純文学なんて暗いだけだろって思ってる人に読んで欲しいし、アマチュアの純文学ライターは、暗くすりゃいいという思い込みをなくして欲しい。
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