カウフマン、生命と宇宙を語る の商品レビュー
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―2008.03.20 副題に「複雑系からみた進化の仕組み」。著者はウィトゲンシュタインの「探求」に動かされつつ、複雑系の思考を基に、物理学をはじめとした自然科学の前提そのものを問い直し、生命科学、宇宙論、はては経済学にも新たな洞察を与えようとする。
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うっひゃー難し〜い!さほど難しい表現が使われている訳でもないのだが、専門用語がポイポイ説明なしに(わかってる前提で)出てくるので、曖昧な理解しかないと「…え?これってどういうこと言ってる?」っていつの間にか理解がついて行かなくなる。まあいいわーと読み進むと、RNAワールドとか好き...
うっひゃー難し〜い!さほど難しい表現が使われている訳でもないのだが、専門用語がポイポイ説明なしに(わかってる前提で)出てくるので、曖昧な理解しかないと「…え?これってどういうこと言ってる?」っていつの間にか理解がついて行かなくなる。まあいいわーと読み進むと、RNAワールドとか好きな話題になったりして、おぼろな理解で読み進めてしまった。 ランダムグラフの説明がすごく分かりやすくて、ビックリした!
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何度かと読もうとしては、難しくて挫折した本。 その後、宇宙論やら進化論やら、複雑系やら、いろいろ勉強したので、そろそろ行けるかと思い、再チャレンジしたが、やっぱり難しすぎて、何を言っているのだか、、、だな。 著者の前著「自己組織化と進化の論理」も難しかったが、そのはるかに...
何度かと読もうとしては、難しくて挫折した本。 その後、宇宙論やら進化論やら、複雑系やら、いろいろ勉強したので、そろそろ行けるかと思い、再チャレンジしたが、やっぱり難しすぎて、何を言っているのだか、、、だな。 著者の前著「自己組織化と進化の論理」も難しかったが、そのはるかに上をいく晦渋さ。そのわりには、結構、論旨の繰り返しも多くて、自分でも分かってないので、分かりやすく書けないんじゃないのと文句も言いたくなる。が、著者は、そのへんをあっさりと認めて、「いやいやこれはまだ『前科学』、『探求』なんですから」と開き直ってしまうから、たちが悪い。 というわけで、まともに理解することをあきらめて、パラパラとスキミングしながら、面白そうな所だけ、読んでみた。この本を読んで一番の収穫だったのが、ウィトゲンシュタインの「哲学探究」(本書の原題のinvestigationは、ここから来ている)における言語ゲームの概念がなんかすーと頭に入った事。 つまり、ウィトゲンシュタインは、言葉や概念というものが、原子論的に分解して、定義できるものでなく、ある言葉や概念は、他の言葉や概念の存在を前提として存在しており、それはコンテクストによって変化するということを言語ゲームと言っていた訳ですね。そして、その概念の相互依存関係は、なんらかの法則性によるものとはなく、なんか無償の自発的秩序みたいな形で立ち上がってくるものだということなのかー。 そう理解すると、ウィトゲンシュタインの言語ゲームって、龍樹の「一切は実在せず、一切は他の存在を前提とする相互依存関係のなかにある」という「空」の概念に近そうだな。 本書の結論部分は、8~10章ということだろうが、経済学と宇宙論について論じた9、10章は、最近の勉強の成果もあって、なんとかぼんやりとした理解の範囲にあったが、著者の専門とする生物進化に関する8章は、完全にお手上げでした。 解説で、カウフマンは、「ジュラシック・パーク」のマルカム博士のモデルという話が紹介されていて、妙に納得した。映画のなかで、マルカム博士は、カオス理論やバタフライ効果を紹介したりしていたのだが、生命の進化について、「人間がコントロールしようとしたって、生命は何らかの道を探し出すのさ」といった台詞があって、なんか、気になっていた。つまり、この台詞は非ダーウィン的な匂いがあるわけだが、本書におけるメインの主張の一つ「生命は隣接可能領域へとたえず外適応していく」というものに相当していて、あの映画もなかなかによく勉強して作られていたのだなー、と妙に感心した。
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自分のために住む世界を操作する。 問いは生の飛躍から「自律的であるためにはどのような性質を備えていなければならないか?」に変化。ー自己複製システムにかかわる。
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第1章 一般生物学への序論 第2章 生命の起源 第3章 自律体 第4章 増殖する組織体 第5章 意味論と物理学 第6章 創発と物語 第7章 非エルゴード的宇宙 第8章 生物圏の共構築を支配する法則の候補 第9章 常に革新する経済圏 第10章 共構築する宇宙
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複雑系について解説しながら、生命の進化の謎に迫っていく。かなり手強い本だけど、その内容はとてつもなく面白い!自己創出というキーワードから、生命の進化、経済の発展、さらに宇宙の進化(!)にまで言及していく。進化論に興味がある方はぜひ!
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