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戦闘妖精・雪風(改) の商品レビュー

4.4

167件のお客様レビュー

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    70

  2. 4つ

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2012/02/04

SFとして深いテーマをもった作品だと思う。 それ抜きにしても、航空アクション小説としても十分楽しめた。

Posted byブクログ

2012/09/12

2012年1月31日読了。1984年に刊行されたSF作品の2000年代の改訂版。謎の惑星「フェアリイ」より地球を攻撃しに飛来する「ジャム」の戦闘機たち。情報収集・帰還を至上目的とする高機能戦闘機「雪風」に搭乗するパイロット・深井零たちFAFのメンバーの苦悩。コミュニケート不能なジ...

2012年1月31日読了。1984年に刊行されたSF作品の2000年代の改訂版。謎の惑星「フェアリイ」より地球を攻撃しに飛来する「ジャム」の戦闘機たち。情報収集・帰還を至上目的とする高機能戦闘機「雪風」に搭乗するパイロット・深井零たちFAFのメンバーの苦悩。コミュニケート不能なジャムと闘うためには人間は情を捨て「機械化」する必要があり、戦闘機の性能向上のためにはもはや「肉体」や「経験と勘」といった人間ならではの特性すらも不要となる。繰り返し提示される人間性とは、非人間性とは何か?という問いがとてもディック的と思っていたら、著者は「日本のディック」と言われた短編SFの銘酒だったのか。絶望感と答えのない問いが心の中で膨れ上がる感覚が読み終わったあとも延々続く、とにかく刺激的なSFだ。これは面白い。

Posted byブクログ

2011/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

※隅から隅まで完全ネタバレ感想メモです※ さすが日本SF界のバイブルと呼ばれているだけのことはあった。もっと早く読め自分。 ・「人間/機械の相克」「人間/非人間」の観点から人間とは何かを紐解くSF王道のテーマ。人間がソースコードを書いて開発したコンピュータが独自に計算・発展させて出来上がる思考とはどういうものなのか?キーワードは「合目的性」 ・敵であるジャム、そして自らが開発した戦闘コンピュータ達から対等な相手として認識されていない人間という設定。自らの存在価値とは何なのか?「我思う、故に我有り」ではない。他者から認識されてこその我である。自らの存在価値を自ら疑う悲しさ。 ・簡潔な文章でたんたんと進む語り口が心地よい。硬質な空気の中、フェアリィ、シルフィード、雪風という美しい言葉が出てくるところにぐっとくる。特に冬のフェアリィの描写がたまらない。 ・FAF軍が使用している英語が、ムダを極限まで省いた非情緒的な言語へ変化していた-いわば機械化-、というくだりが非常に興味深い。オーウェル「1984年」に登場する「ニュースピーク」を思い浮かべつつ、言語が思考を規定することについて考えた。 ・ドッグファイトの緻密な描写に感動。映像でも見てみたい(再現度によるけども)。 ・「吹雪ではない、雪風だ。」 ・SF読んでキャラ萌えしたのは久しぶりかもしれない。ええ勿論零さまにです!ありがとう!心に傷を負ったクールガイには惚れざるを得ない。もしかして死んじゃったら辛いな、と思いながら読んでいたが、何と死ぬよりキツイエンディング「今までどうもありがとう」 「グッドラック」が届くのを正座待機中

Posted byブクログ

2011/09/07

初めて読んだ時は戦闘機のドッグファイトに胸踊らせたものだが、今読んでみるとまた違った面白さがある。機械と人間の関係を描く<雪風>は25年近く経った今でも色褪せない。

Posted byブクログ

2011/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

突如現れ、地球への侵攻を開始した謎の地球外異星体ジャム。 戦闘機「雪風」とともに、孤独な戦いを続ける特殊部隊所属の深井零。 彼の任務とは、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非人間的なものだった。 機械と人間の相克をテーマとしたSF作品。 人間が機械から必要とされなくなったらどうなるのか?と考えさせられます。 空戦シーンは専門用語ばかりで何が起こっているのかさっぱり理解できません…。 頭の悪そうな感想ですが…なんだかよくわかんないけど、とにかくカッコいいです!

Posted byブクログ

2011/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

神林長平『戦闘妖精・雪風<改>』読了しました。 1983年頃の作品とのことですが、古さを感じさせない世界観と雰囲気でなかなか面白く読めました。 南極に打ち込まれた杭状の超空間通路と正体不明の敵、いつ果てるとも分からない消耗戦に対して投入された一般社会に適合できなかった戦士達。 連作の短編で構成されたストーリーが、少しづつ人間の道具であるはずの『コンピュータ』を不気味に描き出していくところがなかなか圧巻でした。 敵である『ジャム』は全く正体不明なところから段々と見えてくるところがとても惹きつけられます。 続編2作を読むのが愉しみです。

Posted byブクログ

2011/07/26

実家にあったのを読み直す 奥付をみると2002年とある。中学生の時に初めて読んだ気がするので、改訂版を買い直したのだと思われる。 意外とあっさりした内容で少し拍子抜け。何となく覚えていたつもりの内容も細かいところはかなり忘れていた。 ブロークンアローを読む前に読み直しておけば...

実家にあったのを読み直す 奥付をみると2002年とある。中学生の時に初めて読んだ気がするので、改訂版を買い直したのだと思われる。 意外とあっさりした内容で少し拍子抜け。何となく覚えていたつもりの内容も細かいところはかなり忘れていた。 ブロークンアローを読む前に読み直しておけば良かった

Posted byブクログ

2011/07/19

一言で言うと「これは面白いわ」である。 心理学の講義を受講している学生が,「今,戦闘妖精雪風という本を読んでいるのですが,人間と機械の違いとはどのようなものでしょうか」というコメントを書いてきて,なんだそれはと調べて行き着いたモノ。 書評を見ると,日本オリジナルのSFである,...

一言で言うと「これは面白いわ」である。 心理学の講義を受講している学生が,「今,戦闘妖精雪風という本を読んでいるのですが,人間と機械の違いとはどのようなものでしょうか」というコメントを書いてきて,なんだそれはと調べて行き着いたモノ。 書評を見ると,日本オリジナルのSFである,とか書いてあるので,SF好きの私としては手に取らなければならない気にさせられる。 しかし,同時に,検索結果で出てきたアニメ動画を見て,なぁんだマニアックなモノなのか,という気もする。しかも戦闘機がメインに描かれているから,ミリタリー・マニアの好むような話なのかも知れぬ。 という葛藤はあったものの,SFであるというポイントを信じて読んでみた。 読むと,これは確かにSFであり,心理学である。 非人間的・機械的と言われる主人公の,なんと泥臭くて人間的であることか!機械とは何か,生きているとは何かということを,深く考えさせられる内容である。 確かに軍隊モノのマニアックな文章表現なども含まれるが,それを越えて伝わってくるものが間違いなく存在する。 森博嗣の書く理系小説にでてくるのとは,またちょっと違った意味で非人間的,非文系的な主人公の考え方を通して,人間とは何かを考えさせられる良書だと思う。

Posted byブクログ

2011/06/25

80年代始め、家庭向けのPCがマイコンと呼ばれ、電話回線で通信をしていた時代に描かれたとは思えない鋭さを持ち続ける作品。 感情を殺して戦争に臨む戦士が、逆にとても人間的に描写されている。 戦争と平和、自己と他者、人間と機械、創造者と被造物など対立する二者の中から、様々な角度から...

80年代始め、家庭向けのPCがマイコンと呼ばれ、電話回線で通信をしていた時代に描かれたとは思えない鋭さを持ち続ける作品。 感情を殺して戦争に臨む戦士が、逆にとても人間的に描写されている。 戦争と平和、自己と他者、人間と機械、創造者と被造物など対立する二者の中から、様々な角度から人間性の意味を問う。 刊行当時、本書の存在は知っていたが、手に取らなかった事が悔やまれる。

Posted byブクログ

2011/06/22

再読。 天田少尉の話やトマホークの話なんかかなり忘れていた。大事なポイントだというのに。 『敵は海賊』に比べるとそっけないくらいの淡々とした描写。 その無機質さが、作中の人間がコンピュータとジャムに対して感じる疎外感のようだと思った。

Posted byブクログ