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戦闘妖精・雪風(改) の商品レビュー

4.4

167件のお客様レビュー

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人類に必要なものは人…

人類に必要なものは人間か、機械か。結構深い話です。人間は過酷な戦いのなかで必死に機械とともに異星体と戦っていた。だが機械はそんな人間にこう告げた。「人間など必要ない。戦っているのは私たちだ。」と。

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男性に勧められただけ…

男性に勧められただけあって、戦闘機や軍隊のカタカナやアルファベットの専門用語が飛び交う馴染みのない文体でしたが、慣れてしまえば女性でも十分楽しめると思います!20年近く前に書かれたもの(ちょっとだけ加筆訂正したそう)とは到底思えないほど斬新なアイディア満載です。また、人間とは何か...

男性に勧められただけあって、戦闘機や軍隊のカタカナやアルファベットの専門用語が飛び交う馴染みのない文体でしたが、慣れてしまえば女性でも十分楽しめると思います!20年近く前に書かれたもの(ちょっとだけ加筆訂正したそう)とは到底思えないほど斬新なアイディア満載です。また、人間とは何かとか、知性を持つ機械の存在のこと、など日ごろ何とも思わないことを改めて考えさせられる話でした。フェアリー星で繰り広げられる異性体ジャムとの戦いを描いていますが、ジャムの存在が謎だらけであるのも、緊張感と不安を煽られる感じで没頭して

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非常に硬質な作品、と…

非常に硬質な作品、という印象を受けます。連作短編ですが、個人的には「フェアリイ、冬」「全系統異常なし」の2つが好きです。両短編とも、最後のワンフレーズの効きになんとも言えぬものを感じます。機械に不要とされる人間、けれど、そういう作品にありがちな「だから機械は悪い、人間性を取り戻そ...

非常に硬質な作品、という印象を受けます。連作短編ですが、個人的には「フェアリイ、冬」「全系統異常なし」の2つが好きです。両短編とも、最後のワンフレーズの効きになんとも言えぬものを感じます。機械に不要とされる人間、けれど、そういう作品にありがちな「だから機械は悪い、人間性を取り戻そう」というような安易なヒューマニズムは感じられません。その冷徹な視線は、けれど、なぜか心に響く。そんな風に思います。

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軍事、特に航空機につ…

軍事、特に航空機についての知識が無い人にはちょっと難解かもしれませんが、それでもこれはすべての人が読む価値がある名作だと思います。エンジニアリング的な緻密な描写、グレッグ・イーガンを思わせるアイデンティティ論、スタニスワフ・レムに通じる不条理感、どれをとっても一級品で、神林氏の筆...

軍事、特に航空機についての知識が無い人にはちょっと難解かもしれませんが、それでもこれはすべての人が読む価値がある名作だと思います。エンジニアリング的な緻密な描写、グレッグ・イーガンを思わせるアイデンティティ論、スタニスワフ・レムに通じる不条理感、どれをとっても一級品で、神林氏の筆力のすばらしさに圧倒されます。結構昔に書かれた作品ですが、今読んでも全く古びていません。ただ、これ連作短編の形式をとっていますが、やはりひとつの長編として再構成したほうがよかったとは思います。

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名作、雪風を、細部の…

名作、雪風を、細部の変更のみで再度世に送り出した逸品。戦闘機とパイロットの関係を、電子機器を間に挟んだカタチで、流暢に描き出す。異世界で繰り広げられる、生存競争の行く末は。そして、機械知性と人類の行く末は。いろいろなことを、考えさせられる名作です。

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文章が硬質なぶん、戦…

文章が硬質なぶん、戦闘機に色気をかんじちゃいます。

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2024/05/30

表紙やタイトルから、ミリタリー色強めのSF作品を想像していたのですが、読んでみてビックリ。それらの要素はあくまでおまけで、作品の主体は、異星体ジャムとの戦闘を通して展開される、「戦争に人間は必要なのか」という哲学的な問答。高度に発達したAIが全ての決定を下すようになった際、人間が...

表紙やタイトルから、ミリタリー色強めのSF作品を想像していたのですが、読んでみてビックリ。それらの要素はあくまでおまけで、作品の主体は、異星体ジャムとの戦闘を通して展開される、「戦争に人間は必要なのか」という哲学的な問答。高度に発達したAIが全ての決定を下すようになった際、人間が介在する意味とはなんなのかを問う展開があまりに面白く、一気に読了しました。また、自分たちが敵だと思っていたものが、実は人間を敵として認識しておらず、人間が使役する機械を敵として認識しているのでは、と思い至るまでの展開とその恐怖も凄まじかったです。名作と聞いてはいましたがこれほどとは。最高に面白かったです。 主人公のその後やジャムの正体、雪風の真意など、本作だけでは謎の部分が多いので、近いうちに続編にも手を出そうと思います。

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2023/12/24

人間性とは何か、意志とは何か、思考とは何か。ジャムの作った機会人間の存在と、ファティマの存在がかぶるのは私だけではあるまい。

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2023/11/07

正体不明のフェアリ星生命体ジャムと、それと戦うフェアリ空軍FAF、そしてFAFの主力である大型戦闘機シルフィードのお話。ジャムは人間を識別できず、機械と闘ってると思っているという設定は面白いが、最終的に人間という有機物を識別し相当に近しいやり方でコミュニケーションを取ってくるのは...

正体不明のフェアリ星生命体ジャムと、それと戦うフェアリ空軍FAF、そしてFAFの主力である大型戦闘機シルフィードのお話。ジャムは人間を識別できず、機械と闘ってると思っているという設定は面白いが、最終的に人間という有機物を識別し相当に近しいやり方でコミュニケーションを取ってくるのは違和感が強かった。ジャムはあくまで機械を標的とし、それが故に人類が予測できない致命的な攻撃を仕掛けてくるし、降伏のコミュニケーションもできないとしたほうが面白そう。またAIが人類を超克してくといったテーマも見られるが、雪風に捨てられた、とか助けられたとか判断してしまう主人公零は実はものすごく人間的。機械は人間的なロジックでは判断、思考しないことを理解しながらも雪風に人格を求めてしまっている。これは言ってしまえば自動掃除機を可愛いとペット扱いしている人と同じだ。とりあえず15年後に書かれた続編を読む。

Posted byブクログ

2023/01/31

再読。年齢が近づくと零の社会不適合者っぷりがよく分かる。同時に零の生きづらさ、雪風への執着についても、以前より理解できるような気がした。無機質な戦闘シーンが好き。

Posted byブクログ