三国志(十二の巻) の商品レビュー
英雄は死に、曹丕も趙…
英雄は死に、曹丕も趙雲も乱世の舞台から消える。物語は、最後に向けて動いている。この英雄たちの死を、北方は独特の味のある描き方をしていると思います。とても印象に残ります。
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司馬懿と諸葛亮。どち…
司馬懿と諸葛亮。どちらも、英傑死後の国を支える柱でありながら、北方三国志では、その性格は実に対照的です。司馬懿は、陰険で狡猾で冷酷。倒錯した性癖を持ち、秘めた野心がある。諸葛亮は、天才的頭脳と非凡の才をもちながら、どこか純粋でもろい部分も持つ。正反対の両者に唯一共通しているもの、...
司馬懿と諸葛亮。どちらも、英傑死後の国を支える柱でありながら、北方三国志では、その性格は実に対照的です。司馬懿は、陰険で狡猾で冷酷。倒錯した性癖を持ち、秘めた野心がある。諸葛亮は、天才的頭脳と非凡の才をもちながら、どこか純粋でもろい部分も持つ。正反対の両者に唯一共通しているもの、それは天下への志。しかし、志の裏に縫いこまれた想いは、対極。司馬懿は、司馬家のため。諸葛亮は、万民の安寧のため。利用できるものはすべて利用し、魏で着実に自らの地盤を固めていく司馬懿。わが子のように慈しんだ馬謖を失い、唯一弱音を吐け
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蜀の南中攻めに始まり…
蜀の南中攻めに始まり、趙雲の死に終わる。その間、曹丕が死ぬ。泣いて馬謖を切る。馬謖の軽率さに関しては、もう呆れて物も言えないくらいだ。読みながら、『ここで失敗しなければ、三国志は大きく変わったのに…』という悔しさにも似た感情を持っていた。それくらい、馬謖の行動は武人たる者のとる行...
蜀の南中攻めに始まり、趙雲の死に終わる。その間、曹丕が死ぬ。泣いて馬謖を切る。馬謖の軽率さに関しては、もう呆れて物も言えないくらいだ。読みながら、『ここで失敗しなければ、三国志は大きく変わったのに…』という悔しさにも似た感情を持っていた。それくらい、馬謖の行動は武人たる者のとる行動ではなく、また諸葛亮が可愛そうに感じられたのだ。史実は史実だし、変わるものでもない。そんな思いを抱かせてくれる1冊。
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馬謖の軍令違反によっ…
馬謖の軍令違反によって、孔明の計画が台無しに。ああ、なんて馬鹿なことを…。そして趙雲が病で亡くなる。完結まであとわずか!
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劉備の遺志を受け継い…
劉備の遺志を受け継いだ諸葛孔明は南中の平定を目指す。一方、魏を攻める呉だが、逆に敗れ、曹操の後を継いだ曹丕も死んでいく。蜀では趙雲も死に、と英雄がいなくなっていく中、三国志の展開は!?
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北方三国志の第12巻…
北方三国志の第12巻。蜀の運命を決すべく北伐に乗り出す孔明の誤算を描いている。
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劉備の遺志を受け継い…
劉備の遺志を受け継いだ諸葛亮は、疲弊した蜀の国力を一年で回復させ、南中の平定を目指す。呉に大敗した曹丕は、再び広陵への親征を強行する。魏の侵攻を退け、機を伺う陸遜。北方「三国志」第十二巻。
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孔明と司馬懿を中心に物語が進められていく。 三国時代の結末を知っているので、曹丕の親征の失敗が無かったら、蜀の南征が劉備の大敗の前であったらなど、もし・・を考えてしまう。 曹丕が短命であったためにいよいよ司馬懿の力が強くなってくる大国魏と、若い将軍が(小粒ながら)育ってきており、厳しい訓練で兵も精強な蜀、影が薄い呉という感じで物語が進展していく。 英雄が軒並み舞台を去った後では孔明の奮闘がかえってさみしさを誘い、物語の終焉が近い、晩秋の肌寒さの様なものを感じる。 姜維が出てきた。孔明との出会いやその評価は、後の姜維の歩みを暗示しているように感じる。 陸遜についても、有能であるが故に抱える不満や葛藤は、彼の死に様を暗示しているように読める。 次巻末の孔明の死で物語は終わるが、それ以後の事も見据えたうえで最後まで手を抜かないからこそ北方の作品は物語の続きが読みたくなる余韻を残すのだろうと思う。 街亭後の趙雲の馬謖に対する言葉(臆病さが武将にとっての優れた気質;臆病であるが故にとことん考える、天才はそんなことをしない)は自分によく当てはまる部分なので、自分のことを言われているようでちょっと嬉しい。 巻の終盤に来て、孔明が気負い(劉備の死の影)から開き直ったような印象を受け、劉備死後に漂っていた寂しく悲壮な雰囲気が和らぎ、落ち着いた優しい感じを受けるようになった。 巻末で趙雲が病死するが、残される孔明も逝く趙雲にも悲壮感はなく穏やかで晴れやかな描写になっている。 次巻の最後はどんな雰囲気で描かれるのだろうか?さみしく悲壮な最期のイメージで来ていたが、ここに来て分からなくなった。
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孔明の南征は思いの外あっさりと済んだ。 武将たちは死に際まで潔く。病気でも戦でも何しろ潔い。 寂しくもあるが、納得しながら死に向かっていく。それを見送る側も、不要な言葉はかけないのだ。最後の武将、趙雲も病に倒れる。 あと1巻を残すところ。 少し名残惜しくもあるが、残る武将もなく、...
孔明の南征は思いの外あっさりと済んだ。 武将たちは死に際まで潔く。病気でも戦でも何しろ潔い。 寂しくもあるが、納得しながら死に向かっていく。それを見送る側も、不要な言葉はかけないのだ。最後の武将、趙雲も病に倒れる。 あと1巻を残すところ。 少し名残惜しくもあるが、残る武将もなく、あとは国がどうなるかなど、山河を駆けた過去に比べると些少事に思えてしまう。
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曹丕の偉大すぎる父親に対するコンプレックスから親征を繰り返すのにはある種の可愛らしさを感じた。そんな彼に対し司馬懿がはっきりと「戦が下手です」と伝えたことに二人の表には出さない深い関係性が伝わってきて、とても良いシーンでした。魏は司馬懿がいなければ滅亡しているのではないかと思うほど人材が不足していますね。
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