物語 スペインの歴史 の商品レビュー
スペインの光と影の強い印象はキリスト教とイスラム教のせめぎ合いにより双方の文化が交じり合ったためであることを痛感させられる。しかし、レコンキスタ時代の2宗教の相互に寛容な時代は今では考えられないほど。カスティーリャ・アラゴン両国王の婚姻による国の成立、レコンキスタの完了、フェリペ...
スペインの光と影の強い印象はキリスト教とイスラム教のせめぎ合いにより双方の文化が交じり合ったためであることを痛感させられる。しかし、レコンキスタ時代の2宗教の相互に寛容な時代は今では考えられないほど。カスティーリャ・アラゴン両国王の婚姻による国の成立、レコンキスタの完了、フェリペ二世時代のレパント海戦の対トルコ勝利、無敵艦隊の対イギリス惨敗。ハプスブルグからブルボン王家への乗り換え、そして20世紀のフランコ時代と、各時代の象徴的な出来事を物語風に語ってくれ、楽しみながら読める。フェリペ二世の弟ドン・ファンがレパント海戦の英雄でありながら、英国で病気に死すこと、セルバンテスがアルジェでトルコの捕虜として辛酸を嘗め、恐ろしい拷問にも耐え抜いた強靭な人物であるなど初めて知らされた部分も多い。
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海洋帝国の黄金時代、という副題がつくだけあって、レパント海戦・無敵艦隊の周辺の話が歴史小説のように読み応えがある筆致と知識で書かれている。 また、イスラム時代やレコンキスタについても当時の生活や思想がうかがえて興味深い。 個人的にはセルバンテスが作家になる前の話を元にスペインの歴...
海洋帝国の黄金時代、という副題がつくだけあって、レパント海戦・無敵艦隊の周辺の話が歴史小説のように読み応えがある筆致と知識で書かれている。 また、イスラム時代やレコンキスタについても当時の生活や思想がうかがえて興味深い。 個人的にはセルバンテスが作家になる前の話を元にスペインの歴史がみられて面白いと感じた。引用はまた後日…
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2ヶ月ほど前にそうだスペインに行こう!!そう思って何の知識もなかった当時衝動買いした作品。作者の岩根國和さんはスペインについて造旨が深い方でこの本だけでなく他にもスペインについての書籍を多数書かれている方。本題に移るとこの本はスペインの繁栄時代までにどのような過程で栄華を勝ち取っ...
2ヶ月ほど前にそうだスペインに行こう!!そう思って何の知識もなかった当時衝動買いした作品。作者の岩根國和さんはスペインについて造旨が深い方でこの本だけでなく他にもスペインについての書籍を多数書かれている方。本題に移るとこの本はスペインの繁栄時代までにどのような過程で栄華を勝ち取ったかを書かれていた。途中で歴史の流れと脱線してスペインの各都市の地理学、失敗学、風習等も小話で説明してあり世界史を学んでなく歴史の話が難しいな、と集中力が切れそうになっても好奇心を刺激する構成になっているのがありがたかった。
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キリスト教国の雄スペインは、カスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻により成立した。八世紀以来イベリア半島を支配したイスラム勢力を逐い、一四九二年、レコンキスタを完了。余勢を駆って海外へ雄飛し、広大な領土を得て「太陽の没することなき帝国」の名をほしいままにする―。国土回復戦争の時代か...
キリスト教国の雄スペインは、カスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻により成立した。八世紀以来イベリア半島を支配したイスラム勢力を逐い、一四九二年、レコンキスタを完了。余勢を駆って海外へ雄飛し、広大な領土を得て「太陽の没することなき帝国」の名をほしいままにする―。国土回復戦争の時代から、オスマン・トルコとの死闘を制して絶頂をきわめ、宿敵イギリスに敗れて斜陽の途をたどるまでを流麗な筆致で描く。
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ウィーン旅行でハプスブルク家に関心を持ち、中野京子の「名画で読み解く」でスペインもハプスブルクと知り、さらにゴヤとスペイン宮廷に興味が湧き、本書に至る。連鎖読書でヨーロッパ遍歴中。 でもこの本、ゴヤの時代は華麗にすっ飛ばしてありました。イスラムの時代から始まり、無敵艦隊が破れた...
ウィーン旅行でハプスブルク家に関心を持ち、中野京子の「名画で読み解く」でスペインもハプスブルクと知り、さらにゴヤとスペイン宮廷に興味が湧き、本書に至る。連鎖読書でヨーロッパ遍歴中。 でもこの本、ゴヤの時代は華麗にすっ飛ばしてありました。イスラムの時代から始まり、無敵艦隊が破れた次のページはスペイン内戦。従って全体史を知るにはまったく不向き。でもスペイン通の著者が「物語あり!」と感じた時期を厳選して面白く描いているわけで、楽しい読み物になっている。 読み始めてすぐロマンチックな文章から文学者と知れる著者の筆が、セルバンテスが登場すると滑りに滑るのが微笑ましい。ドン・キホーテは私にとって、笑って読めた最初の岩波文庫で、好きだが、当のセルバンテスの人生が小説顔負けなのには驚いた。(特にアルジェ時代)。その他、フランコ時代が1975年までと意外に最近だったり、無敵艦隊が他称に過ぎず、無敵とは程遠かった実情、バスク問題の思いの外深刻なこと、いろいろと発見があった。ガレー船の戦法の説明も面白かった。鼻で刺して乗り移り、白兵戦とは。。 ゴヤ、それからガウディ、ピカソ、ダリら芸術家には別の本であたることにしよう。それから、ドン・キホーテを読み返そう。
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レパントとアルマダの2大海戦を中心としつつ、ムスリムのジブラルタル上陸からETAによるテロまでのスペイン史を物語的に描いた歴史本。 レパントの海戦が1571年、アルマダの海戦が1588年、その間が黄金時代だとすると(一般的にはもうちょっと広く言われるが・・・)、あまりにも短く、...
レパントとアルマダの2大海戦を中心としつつ、ムスリムのジブラルタル上陸からETAによるテロまでのスペイン史を物語的に描いた歴史本。 レパントの海戦が1571年、アルマダの海戦が1588年、その間が黄金時代だとすると(一般的にはもうちょっと広く言われるが・・・)、あまりにも短く、そして華々しい歴史だったと思わざるを得ない。 結果として主に中米以南に大きな影響力を残し、ハプスブルグの栄光に預かりながらも大きな汚名を着せられることにもなった、世界でも指折りの数奇な歴史であることは間違いない。 後書きにあるように、元より網羅性を追求したスペイン史ではないが、その歴史が持つ魅力は十分伝えられているのではないかと思う。完成度というか、歴史本としてきっちり完結していて、読みやすさもあり、なかなかオススメできる本だと思った。
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史実から逸脱しすぎない程度に物語化されたスペイン黄金時代の本。しっかりとした歴史を求めるには足らない部分もあるが、把握さえできれば、という場合にはオススメ。言葉選びもよく、読みやすいと感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おもしろかった!だけどアプスブルゴ終わったあとほぼボルボーンすっぽかしていきなり近代に入ったのには辟易しました。 副題が『海洋王国の黄金時代』だから仕方ないんだろうけど( ̄ω ̄;)
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スペイン旅行の予習ということで読破。歴史を勉強する感覚で、時系列で流れを追っていくかと思ったが、歴史上の重要なポイントを物語的に詳述するという色合いの方が強かった(というか、はっきりタイトルに「物語」と書いてましたね…)。いい意味では物語なので、楽しく読める。レバント海戦、セルバ...
スペイン旅行の予習ということで読破。歴史を勉強する感覚で、時系列で流れを追っていくかと思ったが、歴史上の重要なポイントを物語的に詳述するという色合いの方が強かった(というか、はっきりタイトルに「物語」と書いてましたね…)。いい意味では物語なので、楽しく読める。レバント海戦、セルバンテスの波乱万丈の人生についてはかなり詳しくなった気がする。悪い意味では、記述に濃淡があるので、スペインの歴史全体を俯瞰するという目的にはそぐわないかもしれない。ある程度、世界史の知識を持った人でスペイン史をもっと知りたいという人にはちょうどいいかもしれない。
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(2006.12.21読了)(2003.05.06購入) 副題「海洋帝国の黄金時代」 「物語 スペインの歴史」と題しているので、スペインの歴史の中で、著者の得意な分野について、興味深いトピックスを述べている。スペインに興味を持ってもらえばいいということでしょう。著者の得意分野は、...
(2006.12.21読了)(2003.05.06購入) 副題「海洋帝国の黄金時代」 「物語 スペインの歴史」と題しているので、スペインの歴史の中で、著者の得意な分野について、興味深いトピックスを述べている。スペインに興味を持ってもらえばいいということでしょう。著者の得意分野は、「ドン・キホーテ」の著者のセルバンテスなので、セルバンテスが多くの場面に登場するというか、セルバンテスの話を中心にして、本が記述されている。 ●ローマ支配(6頁) イベリア半島が、ローマの支配下に入ったのは紀元前3世紀の頃だった。 476年に西ローマ帝国が滅亡する。空白となった統治権をめぐって闘争が生じ、イベリア半島にいる他のゲルマン諸族を抑えて政治権力を握ったのが、ガリシアに定着していた西ゴート族だった。 ●モーロ人(54頁) イスラム教徒のベルベル人やアラブ人を総称してモーロ人と呼ぶ ●スペインの首都(77頁) スペインの首都はマドリッドではないかと思われるかもしれない。ところがスペインには当初、定まった首都がなかった。かの有名なコロンブスに新大陸進出の援助を約束したイサベル女王とその父君フェルナンドの時代でも、スペインは移動宮廷の形をとっていた。トレド、ブルゴス、レオン、セビーリャ、バリャドリッド等、必要に応じて転々と移動してゆくのである。 ●レパントの海戦(「大辞林」より) 1571 年ギリシャ西海岸のレパント(Lepanto)沖で、スペイン・ローマ教皇・ベネチアの連合艦隊がオスマン帝国の海軍を撃破した戦い。 塩野七生さんの「レパントの海戦」を以前に読んだのですが、すっかり忘れていました。この戦いは、スペインが主役で、セルバンテスも兵士として参加していたんです。 この戦いで、セルバンテスは「胸に二発そして左手に一発被弾した。」(148頁) 「レパント海戦後、セルバンテスと弟ロドリーゴは、不幸にしてトルコの海賊に捕えられてアルジェで捕虜生活を送る」 ●ポルトガル併合(207頁) 1580年、ポルトガルは正式にスペインに併合された ●フランコの死(279頁) 1975年にフランコは没した。危篤状態に陥りながらも生命の底力を発揮し、昏睡状態が何日も続いた。口の悪い連中からは、地獄の悪魔どもが受け取りを拒否しているので、魂の行き場がなくて死ねないのだと揶揄されたりするうち、11月20日に死亡。 著者 岩根 圀和 1945年 兵庫県生まれ 神戸市立外国語大学文学部イスパニア文学科卒業 同大学院文学研究科イスパニア文学専攻修士課程修了 神奈川大学外国語学部教授 (2007年1月16日・記) (「BOOK」データベースより)amazon キリスト教国の雄スペインは、カスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻により成立した。八世紀以来イベリア半島を支配したイスラム勢力を逐い、一四九二年、レコンキスタを完了。余勢を駆って海外へ雄飛し、広大な領土を得て「太陽の没することなき帝国」の名をほしいままにする―。国土回復戦争の時代から、オスマン・トルコとの死闘を制して絶頂をきわめ、宿敵イギリスに敗れて斜陽の途をたどるまでを流麗な筆致で描く。
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