わび の商品レビュー
わび、とは何なのだろうか。 著者自身も追及した、その跡を追った写真集。 さらに、それを追う読者。 そこで見るのは著者の考えるわび。 思うに、著者は長年使われた物や景色が、かつて真新しかったそれらが時間の中でさびれてくことを、わびと捉えているようだ。 かつて完璧だったものの一部が...
わび、とは何なのだろうか。 著者自身も追及した、その跡を追った写真集。 さらに、それを追う読者。 そこで見るのは著者の考えるわび。 思うに、著者は長年使われた物や景色が、かつて真新しかったそれらが時間の中でさびれてくことを、わびと捉えているようだ。 かつて完璧だったものの一部が乱れ、傷物になっていく。 そこに無常や万物流転を見出しているのかもしれない。 とはいえ、個人的に気に入ったのはそれとは違い、雨の風景。 暗闇の中、水溜りに響く波紋。その中央をぼんやりと青い光が照らす。 もう一枚は寺の屋根の端を雨が濡らす場面。雨樋を伝いながら流れ落ちる数々の水滴が無常観を出しているように思える。 わびの世界はまだまだ未知の世界だが、その入り口にいつか立てるのだろうか・・・?
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