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梅原猛の授業 仏教 の商品レビュー

4.3

15件のお客様レビュー

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2023/06/29

なぜ宗教が必要なのか。 みんな一度は聞いたことがある僧や寺、小説家などの身近なワードを使って、仏教や他の宗教について教えてくれる本。 それらを踏まえて、 「今は、キリスト教社会が生んだ近代文明という一神教が世界を支配している。グローバリズムの支配、露骨な資本主義の支配。 これから...

なぜ宗教が必要なのか。 みんな一度は聞いたことがある僧や寺、小説家などの身近なワードを使って、仏教や他の宗教について教えてくれる本。 それらを踏まえて、 「今は、キリスト教社会が生んだ近代文明という一神教が世界を支配している。グローバリズムの支配、露骨な資本主義の支配。 これからは、社会主義でも資本主義でもない、新しい社会のモデルを探していかなくてはならない時期ではないだろうか」 という問題提起がされている。 『カラマーゾフの兄弟』に挑戦してみたくなった。 京都で宗派ごとのお寺めぐりもしてみたい。 あと、これは勧められて読んだ本だけど、著者が国際日本文化研究センターの初代所長というのが分かって驚き。私が好きな河合隼雄もかつてそこの所長だったらしいから。

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2020/12/03

私には、過去と未来の全てが織り込まれている。歴史や科学といったもので、私は作り上げられてきたのではないか。 宮沢賢治の自然に共感する目は偉大なものだ。仏教が、体に根付いた江戸までの日本人は、もしかしたら賢治のようであったのかもしれない。 たゆまぬ努力、集中力、正言、恥を耐える、こ...

私には、過去と未来の全てが織り込まれている。歴史や科学といったもので、私は作り上げられてきたのではないか。 宮沢賢治の自然に共感する目は偉大なものだ。仏教が、体に根付いた江戸までの日本人は、もしかしたら賢治のようであったのかもしれない。 たゆまぬ努力、集中力、正言、恥を耐える、この4つがあれば、大失敗はしない。

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2018/10/09

中学生向けの授業を書籍にしたものなので、非常に平易な文章で書かれている。自利利他の精神や多神論は自分自身しっくりくる。

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2016/01/07

20160107 本題は仏教だが、他の宗教との対比やまた仏教内での比較などが、梅原先生の言葉で分かりやすく表現されており面白い。最終講義は同時多発テロが起きた10年ほど前で、ちょうどわたしも当時の生徒と同年代であったことが一層しみじみと感じ入る点である。

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2015/12/13

【読了メモ】(151213 17:30) 『梅原猛の授業 仏教』/朝日新聞社/2002 Feb 5th

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2015/11/01

中学校で行われた宗教に関する講義録。キリスト教やイスラム教などの概説や、仏教については各宗派の成立や教義の違いなど、わかりやすく解説。 著者は道徳教育の前提として宗教について学ぶことが必要であるとする。特に仏教は多様性を尊重する精神や平等性の重視等、今後の社会に必要な価値観を含...

中学校で行われた宗教に関する講義録。キリスト教やイスラム教などの概説や、仏教については各宗派の成立や教義の違いなど、わかりやすく解説。 著者は道徳教育の前提として宗教について学ぶことが必要であるとする。特に仏教は多様性を尊重する精神や平等性の重視等、今後の社会に必要な価値観を含んでいる。この点について私は共感するし、日本における宗教の流れを概観できて、よかった。

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2013/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

01年に梅原猛の京都の洛南中学における講義録を纏めたもの。洛南は綜藝種智院の伝統を引いているだけに分かりやすいながらもかなり高度な内容でした。なぜ宗教が必要か。仏教だけでなく、ドストエフスキーのカラマーゾフから引用するなど、宗教なくして道徳なし、宗教が文明文化を造ってきたとの主張は梅原猛が最後に自分も昔は無神論者だったというながら、今は仏教を信じるに至った心の動きを語り、説得力を感じました。純粋な子供達に自分の経歴を踏まえ分かりやすい思想として緊張を持って語っていることが良く伝わってくると思いました。ハンチントンの「文明の衝突」が、コソボ戦争、アフガン戦争などに繋がって行ったことも、否定的に語るのではなく、「文明の深層に宗教が与えてきた影響」の大きさを語っており、賛成できました。仏教に関しては、釈迦に始まり、龍樹、そして日本の最澄・空海、鎌倉時代の僧たちの思想を詳しく語り、良い入門書となりました。如来来(釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来)、菩薩(観音菩薩、地蔵菩薩、文殊菩薩など)、そして明王(不動明王など)の違い、そしてお経の種類・成り立ちなど(般若経、法華経、華厳経など)も整理されていて勉強になりました。

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2013/01/29

道徳とは宗教を背景にしてしか生まれ得ない。 西洋諸国ではまさにそうであろう、「汝、人を殺すことなかれ」と神に言われなければその行為の善悪が規定できない世界では。 梅原氏は日本においても道徳的価値観は仏教によって担保されていると考える。 西洋ではあくまで人が中心であって、動物植物そ...

道徳とは宗教を背景にしてしか生まれ得ない。 西洋諸国ではまさにそうであろう、「汝、人を殺すことなかれ」と神に言われなければその行為の善悪が規定できない世界では。 梅原氏は日本においても道徳的価値観は仏教によって担保されていると考える。 西洋ではあくまで人が中心であって、動物植物その他自然環境は人間の下におかれるが、仏教では動植物から石ころにいたるまですべてに仏性がありその生命の価値は平等であると考える。 あらゆる命の育みの中で人も生かされている、そうした仏教的世界観が日本人の道徳の背後にはあるのだと。 自分としては仏教そのものというよりも、仏教が日本で独自の発展を遂げた、日本古来の土着の信仰が仏教と融合したということが大きな要素となっていると感じる。

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2013/01/16

 仏教を中心に、キリスト教やイスラム教の基礎的な知識を学ぶことができる。まず「なぜ宗教が必要か?」という問いかけから本書は始まる。 「宗教がなければ、文明も道徳もない」というのが、宗教の存在意義であり宗教をないがしろにした現代は、道徳が廃れていく時代だと言える。  僕が面白い...

 仏教を中心に、キリスト教やイスラム教の基礎的な知識を学ぶことができる。まず「なぜ宗教が必要か?」という問いかけから本書は始まる。 「宗教がなければ、文明も道徳もない」というのが、宗教の存在意義であり宗教をないがしろにした現代は、道徳が廃れていく時代だと言える。  僕が面白いと思ったのは、以下の考え方だ。 1.西洋では小麦栽培を基礎としている 2.小麦農業は雨を必要としない 3.雨を必要としなければ森も必要ない(森の神を殺す神話がある) 4.自然は人間が支配するものという人間中心主義の発展 5.キリスト教やイスラム教などの人間中心の一神教が発達 1.東洋では稲崎を基礎としている 2.稲作には雨が欠かせない 3.雨を貯蓄する森を大切にする。 4.雨は人智の及ぶものではないから、人間中心の宗教は発達しない 5.仏教や儒教などの多神教が発達  西洋と東洋の宗教の違いはざっと言うと上に書いたような事。 筆者は仏教が専門であるから、仏教の歴史や信仰の中身についてより詳しく述べられている。特に聖徳太子、最澄、空海以来の日本仏教の歴史についてすごく勉強になる。僕がその中でも興味があるのは親鸞。誰よりも煩悩に悩まされたような気がするこの人物をもっと知りたいと思う。  最後はこれからの世界において仏教や宗教が果たすべき役割、自己中心に陥らず、仏教の持つ「生きとし生けるもの」を大切にするべきという未来へのメッセージで締めくくっている。  わかりやすい。

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2011/06/25

 自分を見直す一環として読んだ書である。宗教はなぜ必要か、道徳は何を背景として持たねばならないのか、そして道徳の必要性。その必要性からくる宗教の必要性と世界観。今の自分にとって何が足りないのかを考えたい。  会社に行く。寝る。飯を食う。カヌーをやる。日々やりたいことがある。これ...

 自分を見直す一環として読んだ書である。宗教はなぜ必要か、道徳は何を背景として持たねばならないのか、そして道徳の必要性。その必要性からくる宗教の必要性と世界観。今の自分にとって何が足りないのかを考えたい。  会社に行く。寝る。飯を食う。カヌーをやる。日々やりたいことがある。これらは全て欲求である。たくさん時間外で働いている。社内の人間関係、仕事の進め方の悩み、仕事を通して将来への不安、会社への不信感、自分のペースで働くことができないことへの焦燥感、どれをとっても最近の欲求からくる不平不満を抑えることができない。自分はどうするべきか。端的に答えが出てこない。  自利利他の精神を実践することを説いている。洛南中学校の生徒たちへの授業を一冊の本にまとめた本書は非常にわかりやすい。宗教を通して自分を律し道徳を身につける。また、宗教の持つ世界観を自己のものとし全ての人と共有化する。グローバリズムの流れの中であらゆるものを包括する教えが必要になってくる。仏教の教えがとても重要になってくるのではないか。ユダヤ、キリスト、イスラムこれらの一神教は排他的である意味において攻撃的である。対するものを受け入れる器の大きさが必要な時代である。その器が仏教の教えの中にあるのではないか。  世界の文明、文明の裏付けとなる宗教の存在、そして世界史観が大まかにわかった。その中でも仏教が重要と説くキーワードは何か。自利利他の実践という。仏教というと何か歴史上のものと受け止めがちであったが自分の生活に十分溶け込んでいる存在と言うことがよくわかった。ただし個人の問題をどのように「考え」「方針」をだせるところまで昇華できるかわからない。  自らの生活を律し、自利利他を実践したとしても会社という存在は変わらない。個人の思惑など及ばないのが会社というものだ。「とらわれない心」という表現もあった。確かに仕事に囚われている。それを解き放すためにはどうすればいいのか。  それを見つけることが結局は、自分の考えを持つということになるのであろう。あくまで一助にしかならないが、自分に投げかけてくれるものがある。

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