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中国出版文化史 の商品レビュー

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2009/10/07

井上進先生の本は面白くて好きだ。王充の時代に「ほんや」があったのかという通説に検討を加えたり、宋代であっても書物収集の中心は書き写すことであったなど、注目すべき内容がたくさんあるが、特に明初の出版の衰頽から、明末の出版盛行にいたるまで、書物の値段や、盗作や、俗文学の認知などを語っ...

井上進先生の本は面白くて好きだ。王充の時代に「ほんや」があったのかという通説に検討を加えたり、宋代であっても書物収集の中心は書き写すことであったなど、注目すべき内容がたくさんあるが、特に明初の出版の衰頽から、明末の出版盛行にいたるまで、書物の値段や、盗作や、俗文学の認知などを語っていく所は類書がなく、ほんとうに面白いです。一般庶民が書物をもてるようになったのは明末からだし、また、陽明心学が内面を保障したことで、かえって外なる物の学問がでてくるという考察も本当にためになります。中国の学問を勉強している人は一読を要する本ですね。語り口は高雅で難しい言葉も多いですが、決して読みにくい本ではありません。

Posted byブクログ